節水シャワーヘッドとは?
節水シャワーヘッドとは、シャワーから出てくる水量を抑えて水道代を節約できるグッズです。メカニズムについてはメーカーによって違うのですが、基本的には水圧をあげたり、空気を混ぜる事で使用感を損なう事なく節水を可能にしており、さらにシャワーヘッドにスイッチをつけて無駄に流してしまう時間を少なくする機能がある事も多いです。
高額な物だと水道水に含まれている塩素を除去できる機能があったり、マイクロバブルのような細かな水を噴射できるものもあります。
当ブログでも以前に節水シャワーヘッドによる節約効果について紹介した事があり、実際に私も使用していたのですが、
このシャワーヘッドが少し前に壊れてしまいました。プラスチックのポッチが折れてしまい、取りあえず瞬間接着剤で修復を試みたのですが、ぴちっとはハマらなくなってしまい、結局は直ぐにまた別の箇所まで折れてダメになってしまいました。
1000円ぐらいの安物だったので品質が良くなかったのかも知れません。購入履歴を確認してみると4年ほどで壊れてしまいました。
これは節水シャワーヘッドのデメリットというよりも、低品質な安物を選んでしまった自分が悪い(節約家あるあるですね)わけでもあるのですが、そこで思わぬ発見がありました。
節水シャワーヘッドのデメリット
シャワーを使用している最中に外れてしまったので、取りあえずその時はそのままシャワーを浴びていると、いつもよりもお湯が温かく感じました。
私は数年前から石鹸やシャンプーを使わない生活をしている事もあり、基本的にはシャワーのみで身体を洗っているのですが、
シャワーの温度も高温になるほど身体の皮脂を取り除いてしまうので、あまり高い温度に設定していません。
夏場だと水だけで済ませる事もあるのですが、流石に冬場は辛いので37度ぐらいのぬるめの温度に設定していたのですが、明らかにいつもよりも温かいお湯になってしまい、さらに2度ほど設定温度を下げると、いつもと同じぐらいになりました。
この事が不思議だったので改めて節水シャワーについて調べてみると、温度が低くなってしまうデメリットが見つかりました。
多くの節水シャワーは一般的なシャワーよりもお湯が細く出てくる構造になっており、さらに空気を含ませてボリュームをもたせているので、お湯の表面積が増えて放熱量が増してしまいます。
結果、肌に触れるまでに温度が下がってしまいます。
私が使用していた壊れたシャワーヘッドだと水量も一気に上がったので身体も洗いやすくなり、いつもよりも短時間でシャワーを済ませる事が出来てしまいました。
私は男の一人暮らしという頃もあり、水道代は基本使用量の半分にも満たないので、節水をしたところで節約になるわけではないのですが、お湯にする光熱費は発生するので、なるべくなら抑えようと節水シャワーを使用していました。
使用し始めた頃は石鹸で身体を洗っていた事もあり、シャワーの使用時間が延びたようには感じず、夏場だった事もあって温度が下がった事にも気がつかなかったのですが、数年前からシャワーだけで済ませるになっていたので、節水シャワーヘッドが壊れて水量が増すと、明らかに使用時間が短くなって驚きました。
私が普段シャワーを浴びる時間は10分ぐらいだったのですが、壊れた節水シャワーで水量が増すと半分とまでは言いませんが、6~7分で済むようになりました。
節水シャワーによって使用時間が延びてしまっているのであれば、あまり光熱費の節約になっていないのではないかとも思えたので、シャワーの温度設定や使用時間による費用の差を調べてみると、給湯システムが電気やガスによっても違いがあり、それらも地域や契約内容によって随分と違うのですが、あるガス会社が紹介していたデーターによると、同じシャワーを10分使用する際に設定温度を2度下げると約5円ほど安くなる計算になるとあり、さらに使用時間を1分短縮すると約5円ほどの光熱費の節約になるようでした。
設定温度を2度下げて使用時間を3分短縮するのであれば、単純計算で20円もの節約になります。
もちろん節水シャワーは使用時間が延びても水量が減る分、水道代や光熱費も安くなるので、そのまま当てはまるわけではないのですが、私が使用していた節水シャワーは30%の節水効果があり、使用時間が7分から10分に延びてしまった事を考えると、ほとんど効果がありませんし、さらにプラス2度ほど温度を上げてしまっていたので、デメリットの方が上回ってしまっていました。
節水シャワーによって使用時間が延びてしまうのであれば、期待しているほどの節約になっていない可能性がありますし、時間も無駄に消費する事になってしまいます。
毎日のシャワータイムが3分延びてしまうと、年間で1095分(約18時間)もの時間を無駄にしてしまう計算になります。
お風呂タイムは人によってはリラックスタイムなので、無理に短くする必要もないのかも知れませんが、私のようにシャワーだけで済ませる人にとっては短いに越したことがないのではないでしょうか。
あくまでも使用状況や相性の問題ではありますが、節水シャワーによる節約効果も人によってはデメリットが上回ってしまう可能性があるので、導入を考えている人はしっかりと使用状況に当てはめて考えてみてください。
まとめ あくまでも使用状況次第
私のようにシャワーだけで済ませるのではなく、シャンプーや石鹸の泡を洗い流すだけであれば、シャワーを使用する時間が少ないかも知れませんし、シャワーヘッドにボタンがあるタイプであれば無駄な使用時間も少なくできるので、節水シャワーヘッドは節約に有効なアイテムなのだとは思います。
ただ私のようにシャワーだけで済ませる人にとっては、そもそも途中で止めるような事もないので、それほど恩恵が受けられませんし、シャワーの水量が弱まっ分の時間が延びてしまうと、あまり有効ではないのかも知れません。
シャワーの使用時間は人それぞれ違うので、節水シャワーヘッドのおかげで随分と節約できる可能性もありますが、私のように一人暮らしで水道代の基本使用量までに満たず、シャワーを途中で止める必要がない人にとっては、ただただ時間が掛かるアイテムになってしまう可能性があります。
私が購入したシャワーヘッドはボタン無しのタイプで30%の節水効果だったので、より高機能な節水シャワーヘッドであれば、また違った結果になるのかも知れませんが、水圧が増して細かいシャワーを噴射するタイプほど、それだけ放熱性も高まって温度が下がってしまう可能性があるので、光熱費の事も考えると節約にならないかも知れません。
多くの人は私のようにシャワーだけで済ませるわけではないですし、小まめに止められる機能があると無駄なシャワーの時間を減らす事ができるので、節約に有効なアイテムだとは思いますが、使用状況によっては無駄な買い物になってしまうかも知れないので、購入を考えている人はしっかりと見極めてください。
給湯システムの違いによっても光熱費は大きく変わりますし、ガス一つとってもLPガスと都市ガスで違います。エコキュートのような効率の良い給湯システムだと、節水シャワーによって設定温度が2度ぐらい上がっても、それほど光熱費に影響がない場合もあるかも知れません。
水道代も地域によってかなり違いますし、基本使用量内に収まっている家庭もあれば、大幅に上回って水道代が高くなっている家庭もあるので、多少光熱費が負担が増しても節水した方が節約につながるかも知れません。
節水シャワーは水道代の負担が大きい家庭にとっては相性が良いとは思いますが、光熱費の節約という意味ではそうでもない可能性が高いので、上手く見極めてほしいと思います。
ただ古いシャワーヘッドだと水垢など水の向きが狂って無駄になっているケースもあるので、そういう意味では新しいシャワーヘッドに交換する事で効率が良くなって無駄が減るかも知れません。
水垢による目詰まりだけであれば、クエン酸で解決できるケースもあるので、定期的なシャワーヘッドの掃除も意識しましょう。
私自身は何となく光熱費が節約できそうだからと、安易に価格の安い節水シャワーを導入していたのですが、家庭環境や使用状況によってはメリットよりもデメリットが上回ってしまう事もあるので、私のように失敗しない為にも、しっかりと事前に検討してほしいと思います。
もちろん節水シャワーが悪いという意味ではありません。髪を洗う間にもずっとシャワーを出しっぱなしにしてしまう家族がいれば大幅に水道代を節約できる可能性がありますし、蛇口をひねるタイプだと小まめの止めるのが煩わしくて流しっぱなしにする人もいるので、シャワーヘッドのボタンが有効かも知れません。
私なりに目安を紹介すると、既に節約意識が高くてそもそも無駄にシャワーを流していない家庭であれば、それほどメリットがないと思いますが、口で言っても効かない家族が多い場合は節約できる可能性が高いです。この辺は水道の蛇口に取り付ける節水コマと似ているかも知れません。
ちなみに節水シャワーヘッドのその他のデメリットをあげておくと、水量が少ないだけに給湯システムによっては着火しないというケースもあるそうです。よほど古い給湯システムでなければ問題ないとは思いますが、70%ぐらい節水できる高機能な節水シャワーだと、そのようなリスクもあるのかも知れません。
またシャワーヘッドにスイッチがあるタイプだと、ホースに負担が掛かって水漏れしてしまったり、蛇口内部のゴムパッキンが水圧で破損してしまうケースもあるので、あまり古い蛇口やホースとも相性が良くないかも知れません。
私が節水シャワーを購入した時は、この辺の事も調べた上でほどほどの節水(30%)の物を選んだつもりだったのですが、それですらお湯の温度が2度も下がってしまっていたので、節水効果の高い高機能なシャワーヘッドほど気をつけた方が良いかも知れません。
もちろん住宅環境によっては多少光熱費が高くなっても、使用水量が抑えられた方が節約になるケースがあるので、高機能なシャワーヘッドが悪いというわけではありません。
あくまでも相性の問題なので、それぞれの家庭環境や使用状況に合わせて上手く見極めてみてください。
私は節水シャワーが壊れてくれたおかげで色々と学ぶ事ができましたが、節約家にとってこの辺のバランスはすごく重要な事だと感じています。よかれと思って取り入れても期待していたはずのメリットが得られていないばかりか、手間だけが増えてデメリットばかりになってしまうような事があるものです。
私が透明な節水シャワーヘッドを選んだのは、内部の汚れが見えるで掃除がしやすいと思ったのですが、半年に一回ぐらい目詰まり防止の為にクエン酸で掃除をしていたせいか、4年ほど使っていても目立つ汚れは付着しなかったので、それほど重要なポイントではありませんでした。
よくよく考えてみると、この節水シャワーを取り付けてもガス代は安くなっていませんでした。給湯器のガス代は季節(水道水の温度)によっても差が出るだけに見極めるのが難しいので、何となく良いのだろうと思っていたのですが、実際にはそうでもありませんでした。
便利そうな調理家電や器具などでも、作業そのものが楽になっても洗う手間や収納する手間が増えて煩わしくなって使わなくなる事があるように、よかれと思って取り入れた物のせいで損している事もあるので上手く見極めたいものです。
購入代金を損するだけでなく、日々の手間が増えてしまうとデメリットばかりが積み重なってしまうので、節約家の皆さんは新しいアイテムほどしっかりと本質を見極めてから判断しましょう。