音楽の効果は曖昧
一般的な音楽の効果というと、リラックス効果や興奮作用といったものになるのでしょうか。音楽のジャンルや演奏者の技術などによっても変わりますが、有名な「モーツァルト効果」のように脳が活性化するといった効果もあると言われています。
これらの効果には科学的な裏付けがあると主張する派がいる一方で、否定派も存在します。
これはコーヒーのカフェインによる覚醒効果のようなもので、人によっては一杯のコーヒーで眠れなくなる人もいれば、五杯飲んでも変わらない人がいるような事で、必ずしも全ての人に同じような効果があるものではありません。
私自身も音楽の効果については、あまり実感していませんでした。
あくまでも音楽の好みによって興奮もすればリラックスもしますし、全く同じ音楽でも聞き手によって沸き起こる情動には差があるので、モーツァルト効果のように、「特定の○○という音楽には△△の効果がある」といった意見には納得していませんでした。
さらに聞き手側の気持ちによっても効果は変わります。何か良い事があってウキウキしている時だと、気分が高揚するリズムの音楽でさらにウキウキするような事はありますが、気持ちが落ち込んでいる時に同じ音楽を聴くと、煩わしくなって耳を塞ぎたくなってしまうかも知れません。
これは味覚などでも同じなのですが、どんなに好きな食べ物でもお腹がいっぱいの時には魅力的にうつりませんし、逆にお腹が空いている時だと、それほど好きでない物でも美味しそうにうつることがあります。
あくまでも受け手側の気分や身体の状態との相性の問題であり、健康的な食生活をしていて栄養が不足していない人が青汁を飲んだところで、それ以上に健康になるものではありません。
目に良いサプリメントといったものも同様です。目の疲れが溜まっている人にとっては、不足している栄養素が取り入れられて改善するのかも知れませんが、特に目が疲れていない人が取り入れても、それ以上に良くなるものでもありません。
特定の音楽の効果も同じで、あくまでも聞き手側の好みや気分や身体の状態との相性との問題であり、モーツァルトの○○を聴いたからといって、全ての人に同じような効果があるとは信じていませんでした。
ですが、純セレブスピーカーと出会ってから少し考えが変わってきました。それについても以前に紹介した事があるのですが、
視聴環境を変えてみると、さらに効果がアップして驚いています。
純セレブスピーカーで聴く音楽の世界
純セレブスピーカーについては、当ブログで何度も紹介しているのですが、
簡単に説明すると、ちょっとした改造で安いスピーカーでも生々しい澄んだ音になる魔法のスピーカーのような事です。あまりにも簡単に心地の良い音楽が聴けるようになり、私の生活に欠かせないものになりました。
音楽の好みもどんどん変わっていき、今までほとんど聴いてこなかったクラシック音楽なども楽しめるようになりました。
もちろん昔から好きだった音楽を聴いても最高です。安いラジカセやイヤホンで聴いていた時とは別物の音楽として楽しむ事ができています。
私が自宅で音楽を楽しむのは、パソコンモニターのサイドで耳の高さに合わせて設置した純セレブスピーカーだったのですが、最近は寝室にも持ち運ぶようになりました。
いくつか純セレブスピーカーを制作していたので、寝室にも別のものがあったのですが、私が作った中で最高傑作の鼻セレブの純セレブスピーカーの音が一番気に入っている事もあり、それを寝室のベッドの枕元(枕は使っていないのですが)に設置して聴いてみると、新たな世界が開けました。
スピーカーとの距離や角度なのか、ベッドの木枠のおかげなのか、布団から伝わってくる振動の影響なのか、理屈はよく分からないのですが、身体全体が音楽に包まれる感覚になります。
左右のスピーカーで違う音が出ていると音の出所が分かるのですが、左右で同じ音量の音だと頭の中に直接響いてくる感じになります。
パソコンの前で聴いていた時にも同じような感覚があったのですが、その精度がさらに研ぎ澄まされたような感じです。
ヘッドホンで聴く音楽の感じとも違い、まるで緻密に設計されたコンサートホールの最高の席で聴くような感じとでもいいましょうか、もしくはお金持ちのオーディオマニアが部屋の設計からこだわったような感じです(どちらも経験がないので、あくまでも推測ですが苦笑)。
目をつぶってクラシックのコンサートの音楽を聴くと、それぞれの楽器の位置まで分かるような感じです。
他にもリミックスにこだわったテクノ音楽も凄く、音の方向性が左右だけでなく高さや奥行まで感じられてしまいます。どんだけこだわって作っているんだと驚く事になります。
左右のスピーカーから同じ音量の5:5で出すと中心になり、それが6:4となると左よりになり、7:3、8:2と変えていく事で左右の方向性が出るのは理解できるのですが、なぜに高さまで感じられるのかは素人の私には全く理解ができないのですが、確かに感じられるのです。
もしかしたら7:3のようなバランスではなく、7:2.5や7:3.5のようなアンバランスにする事でズレが生じるのかも知れませんが、音の方向がヘッドホンのように二次元的に左右に行きかうだけでなく、四次元的に高さや奥行といったものまで感じられ、とても不思議な感じがしました。
オーディオマニアが部屋の壁やインテリアの位置までこだわって設計するように、スピーカーの周辺の環境によっても音質は変化します。
わかりやすいのは薄型テレビの音量でしょうか。壁から離してしまうと音が分散して音量を上げなくてはならないのですが、ピタッと壁に近づけると音が大きく聞こえるような事です。
実はこの環境による音の変化は少し前から気になっていました。パソコンの前に座って耳から50cmぐらいの距離で聴く純セレブスピーカーの音よりも、かなり離れたトイレの中で聞こえている音の方が、大きく感じられた事があったからです。
ある時に急にお腹が痛くなってトイレに駆け込んだ時に、リビングの扉とトイレの扉を中途半端に開けっ放しにしたままにすると、明らかにパソコンの前で聴いていた時よりも音量が大きく聞こえた事があったからです。
トイレの位置に対してパソコン横の純セレブスピーカーが逆を向いているのにも関わらず、トイレの中で響いた音量が大きくなっていて驚きました。
「隣の部屋にも同じように響いているんじゃないか?」と不安になったほどです。そこでトイレの扉を閉めると、一気に小さくなったので安心したのですが、たまたま部屋の構造や中途半端に開いていた扉が、メガホンのような役割を果たしたのかも知れません。
耳元に手を当てるだけで音の感じ方が変わるように、ちょっとしたことで音質や音量が変わる事は珍しくありません。
このような経験もあり、スピーカーの性能だけでなく環境にも意識が行くようになり、ベッドサイドに設置してみると、とんでもない感じになったという事です。
すると音楽の効果まで変わってきました。
いわゆるモーツァルト効果のような事を感じられてしまいました。
環境で効果が増した
モーツァルト効果は脳が活性化してIQが上がるといった事なので、これを実感するような分かりやすい出来事ではないのですが、いわゆるヒーリング音楽といったものを聴くと、スーッと眠ってしまう事を何度も体験してしまいました。
同じ音楽を椅子に座って聴いても寝落ちするような事はないのですが、ベッドサイドで聴くと見事なぐらいに狙った効果が出てしまいます。
もちろん身体が休まる姿勢で目をつぶっているので、眠る為の条件が整っている事も関係しているのでしょうが、他のジャンルの音楽を聴いている時に眠たくなるような事はありません。ワーグナーを聴くと目が冴えわたってしまいます。
ベッドで身体の力を抜いて心地の良い音楽に包まれていると、その音楽の制作者が込めたであろう音楽の世界に浸りやすくなります。
コンサートやライブのDVDを見た事があるミュージシャンの音楽を聴くと、自然と頭の中に映像が浮かびますし、高揚感や心地よさといった効果が倍増します。
今まではパソコンサイドで何かしらの作業をしながら聞く事が多かったこともあり、音楽に集中しきれていなかっただけとも考えられるのですが、オーディオマニアが最高に音楽が良く聞こえる位置に、リラックスできるソファーを設置する気持ちが少し分かったような気がしました。
料理の味も食べる側の体調や気分によっても感じ方が変わるように、音楽も聞き手側の身体の状態によって大きく変化するのだと思います。
オーディオマニアのように部屋ごと変えられるような人であれば、わざわざベッドサイドに設置しなくても良いのかも知れませんが、持ち運びにしやすい純セレブスピーカーだからこそ、手軽に最高の環境を整えられるのかも知れません。
耳元に近いだけに音量も小さくなるので、部屋の響きといった要素の影響も少なくなります。
一般的なスピーカーでもベッドサイドに設置できなくはないですが、マットの上は不安定なので落としてしまうかも知れません。固定するのが大変だったり、寝返りをうった時に倒れてくるかも知れません。
一方でダンボールの純セレブスピーカーであれば、ぶつかったり落としたりしてもそれほど物理的なダメージがないですし、精神的なダメージもありません。これも意外と大きなメリットです。
音楽による効果を体感したい人は、ぜひベッドサイドで純セレブスピーカーを試してみてください。リラックスした状態で目をつぶると、音楽の世界に触れやすくなりますよ。
まとめ お手軽さこそが最大の魅力
誰もがオーディオマニアのように予算を掛けられるわけではありませんし、最高のコンサートホールの良い席のチケットが取れるわけでもありません。
私のようにアパート住まいだと音量にも気をつかいますし、家族がいれば好き勝手に部屋を変える事も出来ないと思います。
一方で純セレブスピーカーであれば、気軽に持ち運ぶ事もできて最高に位置に設置できるので、多くの人が音楽の効果を引き出せるのではないでしょうか。それほど予算も掛かりませんし、ベッドサイドなら音量を抑えられるので周りの迷惑にもなりません。
この手軽さこそが純セレブスピーカーの魅力でもあるので、音楽の効果を体感したい人は、ぜひ試してみてください。ライブ音源などを聴くと演奏者の楽しそうな表情まで感じられるようになりますよ。
ちなみに今回紹介した自分の体調や環境が音楽の効果に違いを生み出す経験をした事で、古い記憶が蘇ってきました。
それは中学時代に学校の体育館で行われた、有名なヴァイオリニストによるコンサートです。
音楽の先生が興奮した様子で、いかに貴重な機会なのかを熱く語っていた事を覚えています。ヨーロッパのコンクールで優勝した人だとか、ヴァイオリンの価格が1億以上だとか、とにかく凄い貴重な事なのだと説明していました。
その音楽の先生は吹奏楽部の顧問でもあったのですが、そのコンサートの数日前から部活に一切顔を出さず、ひたすら体育館のピアノの調律を行っていた事がクラスで話題になっていました。
ただ当時の私は全く音楽に興味が無かったので、目の前で聴いていても何が良いのかさっぱりわかりませんでした。吹奏楽部の演奏の方が賑やかで良いと思ったぐらいです。
20年以上前で1億以上のヴァイオリンなので、おそらくストラディバリウスのような超有名な楽器だったのだと思います。
そんな素晴らしい楽器や演奏者でも、聞き手側が受け入れる姿勢でないと何も伝わってきません。体育館のような高い天井や学校の硬い木の椅子なども関係しているのかも知れませんが、どんなに素晴らしい音楽でも聴く気がない人には響きません。当然音楽の効果も感じられません。
そしてもう一つ思い出したのが、私が結婚(現在は離婚)をした時の事です。私達は結婚式は挙げていないのですが、元嫁の希望でウエディングドレスを着て写真撮影を行う事になり、地元では有名な結婚式場に何度も足を運ぶ事になりました。
初めの打合せを大きなロビーで行い、ウエディングドレスのレンタルやプロのカメラマンのレベルや撮影シチュエーションによって金額が様々のようで、とんでもない価格になって驚いていたのですが、ある程度のプランが決まり、後日ウエディングドレスやタキシードのフィッテングの日取りが決まり、その日は衣装のパンフレットを見ながらしばらく過ごしていました。
男のタキシードは種類も限られており、私は目立つ白いタキシードなどはイヤだったので、直ぐに黒のタキシードで即決だったのですが、元嫁は楽しそうにウエディングドレスのパンフレットを一時間ぐらい眺めていました。
暇を持て余していた私が周囲に眺めていると、何と四人組の外人さんが生で結婚式っぽいクラシック音楽を演奏してくれていました。
お客さんは打ち合わせをしている私達だけしかいません。明らかに私達に向けて演奏してくれているようで驚いてしまいました。
もちろん彼らのメインは結婚式当日の生演奏なのでしょうが、申し込みをする前の段階からそのようなサービスを受けていた事に驚愕しました。
ただ目の前で生の演奏を聞いても、私にはこれといった凄さや高揚感があったわけでもなく、普通にお店でBGMとして流れてくるクラシック音楽と何も違いを感じられませんでした。
私が慣れない場で緊張していたせいもあるのかも知れませんが、せっかくのプロによる生演奏でも受け手側の準備が整っていないと、伝わるものも伝わらないのかも知れません。
その後に衣装選びや撮影本番でも彼らが生演奏をしてくれたのですが、「やっぱりクラシック音楽てつまらないんだなぁ」といった見下したような印象を抱いてしまいました(すいません)。
おそらく今の私が同じような体験をすると、まるで違った印象を受けると思います。音楽の効果を知った現在では、とてももったいない事をしていたのだなと感じています。
やはり実際に心身ともに良い状況で体験してみる事が、何よりも大事なのではないでしょうか。音楽の先生が熱く説明してくれても、本人がその気にならなければ意味がありません。
音楽の効果を体験してみたい人は、手軽に良質な音楽が聴ける純セレブスピーカーをぜひ試してみてほしいと思います。
プラスチックの器の学校給食の小さなお肉が、A5ランクの和牛になっていても多くの学生は気がつきません。
食べ盛りの学生なら外国産の安い牛肉を大きめに切ってあげた方が、美味しく感じられて満足すると思います。
硬いお肉でも調理法や料理のタイプによっては活かす事ができますし、必ずしもA5ランクでないと満足できないわけではありません。
手軽に楽しめる純セレブスピーカーも、最高級のオーディオや環境より優れているとは言いませんが、上手く調理してあげることで素材(音楽)の味を最大限に引き出す事が出来るので、音楽にそれほど予算を掛けられないという人ほど、試してみる価値があると思います。
音楽の効果を体験したいという人は、それなりの視聴環境(ベッドサイドなど)を整え、自分の体調(目をつぶってリラックス)も整えてみてください。
通勤途中にイヤホンで何となく聞き流すといった感じでは、せっかくの音楽の効果を感じる事ができなくてもったいないので、しっかりと準備を整えて聴いてみてください。きっと想像以上に効果を実感する事になりますよ。
ちなみに「聞く」と「聴く」には違いがあります。「聞く」は聞こえるといった感じで自然と耳に入る音の事であり、「聴く」は自発的に耳を傾ける時に用いられる言葉です。音楽の効果を体験したい人は、しっかりと「聴く」を意識してみてください。