中古品は運気が下がる・・・?
リサイクルショップやフリマアプリが普及してきたこともあり、節約家に限らず中古品を利用する人が増えてきていますが、先日知り合った人が「中古の物は運気が下がるから絶対にイヤだ!」といった事を言っていて驚きました。
なぜに運気が下がるのかと聞いてみると、
- 前の持ち主の念がこもっている
- 神様は清潔で新しい物好き
- 安っぽい人に見られる
といった感じで、私にはどれも無茶苦茶な論理だと感じたのですが、このような考え方の人がいるということは勉強になりました。
世の中には潔癖症の人もいるので、知らない人が使っていた中古品が苦手だというのは理解できなくもありませんが、精神的な理由で嫌がる人がいるのは私にとっては驚きでした。
本人が新しい物を購入することで良い運気を保てると考えているのであれば、それはそれで自由な事ですが、少しもったいない考えだなとも思えてしまいます。
中古品は単純に節約という意味だけではなく、むしろ新品よりも相性が良いケースがあるものです。この選択肢がないのはもったいないなと感じます。
中古品のほうが良い物とは?
例えば子供の洋服などです。成長して着られなくなった洋服というのは、大人の洋服が中古品として出回る理由とは少し違います。
生地が傷んでしまったからとは限りませんし、流行遅れというわけでもありません。成長に伴って着られなくなっただけであり、洋服の価値(質)が極端に下がったというケースではありません。むしろほどよく生地の硬さが取れて着心地が良い洋服かも知れません。
新品の洋服には生地の風合いを良くする為にノリが付いていることがありますし、倉庫の中で防虫剤のようなものに長時間浸っているケースもあります。アトピーの子供にとっては着古した中古の服の方が良いケースがあるものです。
これは家具や住宅にも当てはまります。新しい物ほど塗料や接着剤の揮発性有機化合物の影響があるので、新築の住宅ほどシックハウス症候群になりやすいものですが、中古の住宅や家具だと揮発性物質も落ち着いています。
他にも本格的な野球のグローブの革はとても硬いので馴染むまで時間が掛かります。初めてグローブを使用する人にとっては、中古品の方がずっと使いやすいものです。
これらのようなケースは全ての人に当てはまるわけではありませんが、あえて中古品を選んだ方が相性が良いケースがあるということです。新品であるが故に存在するリスクがあるので、状況によっては中古品の方が向いているケースがあります。
新品ならではのリスク
新品ならではのリスクというのは、馴染むまでに時間が掛かるようなものだけではありません。
例えば吹奏楽部に入部した時に、いきなり新品のトランペットを購入してしまうと他の楽器に移りにくくなってしまいます。トランペットは人気が高いのでライバルが多く、レギュラーになるのが難しいかも知れません。
中古のトランペットであれば買い替える壁も低いので、よりライバルの少ない楽器や相性の良い楽器に移るといった選択がしやすくなります。
他にも新しいジャンルの家電製品なども当てはまります。今まで使用してきた家電製品の買い替えであれば、自分なりの基準があるので求めている役割や品質を見極めやすいものですが、新しいジャンルのものだと基準がないので必要以上に高価な物を選んでしまうかも知れません。
リサイクルショップに行くとよくわかるのですが、パン焼き機やワッフルメーカーなどの新しいジャンルの家電ほどよく売られています。多くの人が買ってはみたけど不要で手放した物ばかりです。要するにお試し品として中古品は向いています。
試してみた結果、相性が悪ければ止めればいいだけです。中古で価格が安かっただけに後戻りしやすいのも中古品の大きなメリットです。
高価な新品ほどこれと逆の事が起こりやすくなってしまいます。
お金に余裕がある人であれば気にしないのかも知れませんが、多くの人はそうではないと思うので、せっかく新品で購入したからと使い続けないともったいないと感じてしまい、相性が悪いものでも使い続けてしまうリスクがあります。
私自身もオーダーメードの枕を作った時がそうでした。専門家に調べてもらった枕だから相性が良いのだろうと無理して何か月も使い続けてしまったのですが、結局は昔から使っていた枕に戻した方が安眠できました(その後に枕を手放しましたが)。
高価な物ほどこのようなリスクがあるものです。背伸びして購入した高価な物ほどもったいないという気持ちが働き、相性が悪くても手放しにくいというリスクがあります。
しっかりと自分の中で基準があるものであれば、その基準に当てはまるものを選ぶことが出来ますが、新しく挑戦するジャンルの物には基準がないので、手放しやすい中古品ほど相性が良い傾向があります。
まとめ 中古のメリット
中古品はありえないと決めつけていると、単純に高くつくだけではなく相性の悪い物を手放せずに苦しんでしまうかも知れません。
お金に余裕がある人なら気にする必要はないのかも知れませんが、物によっては新品ならではのデメリットがありますし、中古品ならではのメリットがあるということも覚えておいてほしいと思います。
もちろん中古品にもデメリットがあります。単純にすぐ壊れてしまうようなケースだけでなく、前の使用者のクセが残っていて悪影響があるかも知れません。
中古の靴などは特に注意が必要です。前に履いていた人の骨格や歩き方のクセで片減りしていると、自分の歩き方が崩れてしまうかも知れません。
もちろん中古の靴といっても、ほとんど履いていないような場合もありますが、しっかりと状態を見極める必要があります。
中古車なども前の運転手のクセが残っていて運転しにくいということがありますし、余計な改造をしているかも知れません。
このような影響を前の使用者の念と呼ぶのであれば、精神的な影響力もないとは言い切れないのかも知れません。
前の使用者の影響が安全や健康にまで関係するものは、中古品とはあまり相性が良くないので上手に見極めてほしいと思います。
一方でCDやゲームソフトや本のような物であれば、中身の情報は中古品でも全く影響がないものです。実際にリサイクルショップでもこれらの商品がたくさん出回っているように、多くの人にとって相性が良い中古品なのではないでしょうか。
中古品は潔癖症の人にとってはあり得ない選択肢なのかも知れませんが、そうではない人にとってはで節約できるだけでなく、様々なメリットがあるので上手く活用してほしいなと思います。
5000円ぐらいの低品質な旅行鞄より、3000円ぐらいで売られている中古の旅行鞄の方が頑丈で質が高いことは珍しくありません。旅行鞄に求める質を見極められる人であれば、同じ予算内でもより良い物を見つけられるものです。
もちろんなんでもかんでも中古品が良いわけではありません。たった一度しか使わない物であればレンタルの方がベストかも知れませんし、使い捨ての新品の方がコスパが良いケースもあります。
その時々の状況に合わせて、様々な選択肢の中からベストな物を選べるようになる為にも、中古品ならではのメリットを覚えておいてほしいと思います。
お金に余裕があるからと安易に必要以上な高級な物を選んでしまうと、豪華な装飾の為に使いにくかったり、メンテナンスしにくかったり、周囲の人から嫉妬されたり、盗難のリスクも高まるかも知れません。
「中古品で十分」と言うと負け惜しみのように感じる人もいるかも知れませんが、むしろ中古品がベストだというケースもあるので、上手に選べるようになってほしいと思います。