節約は貧乏くさい?
節約家をバカにする人が「貧乏くさい」といった事を言うものですが、「くさい」という事は実際に「貧乏」なのではなく、「貧乏っぽい」という印象に対して使われる事になるのでしょうか。
怪しげな人に対して「あの人はなんか匂う」といった表現をするものですが、その「匂い」の出所がはっきりしていると、匂うという表現ではなく、もっと直接的な「○○が怪しい」といった表現になります。
「匂う」や「くさい」という表現をするという事は、はっきりとした原因がわかっていないからでもあります。この程度の印象というのは、覆す事はそれほど難しくありません。
節約をしている人に対して「貧乏くさい」というのも同じであり、歯磨き粉のチューブを絞り出す行為に対して「貧乏くさい」と感じる人がいても、その理由が「節約の為」なのか、「資源の有効活用の為」なのか、「ゴミを減らす為」なのか、によって「貧乏くさい」といった印象は簡単に覆ります。
基本的に節約をする理由は無駄な支払いを抑えてお金を貯める事になるかと思いますが、それを相手側に悟られなければ、「貧乏くさい」といった印象にはなりません。
「貧乏くさい」と思われたくない節約家は、この相手に悟られない方法を意識するのがポイントです。
貧乏くさい人の特徴
「貧乏くさい人」の特徴を調べてみると、
- 清潔感がない
- 割り勘が細かい
- セールに敏感
- 僅かな金額の為に時間を無駄にする
といったものが見つかりました。それぞれ「貧乏くさい」と思われない対処法があります。
清潔感を保つポイント
ボロボロの洋服ばかりを着ていると清潔感が失われてしまいますが、「古着好き」だとアピールできると貧乏くさいとは思われないかも知れません。要はオシャレに着こなしていれば問題ないという事です。
ボサボサの髪型や汚い靴といったものは手入れ次第で何とでもなりますし、流行の美容室や新しい靴を購入しなければならないわけではありません。
髪質に合わせて寝ぐせが付かない髪型にすれば清潔感は保ちやすくなりますし、毎月1万円の美容室に行くより、半月毎に1000円カットに通う人の方が清潔感を保てるケースもあります。
靴も洗ったり靴磨きをする事で清潔感を保つ事ができます。そもそも靴が汚くなる理由というのは、履いている最中に汚れる要素よりも、雑に脱ぎ履きして自ら傷つけてしまっているケースの方が圧倒的に多いものです。
新しい靴を購入しても数ヶ月でボロボロになってしまう人がいる一方で、丁寧(靴紐を結び直したり靴べらを使う等)に脱ぎ履きをして一年以上もたせる人も珍しくありません。
「貧乏くさい」と言われる原因となる清潔感というのは、手っ取り早くお金を掛けて解決する方法もありますが、それほどお金を掛けずとも解決できる方法も多いです。
わざわざ1000円カットに行っていると周囲の人に伝える必要はありませんし、洋服や靴もメンテナンスや扱い方次第で寿命は大きく左右されます。
お金を掛けない事が清潔感を失わせる要因になるとは限らないので、節約している事が貧乏くさいといった印象になるわけではありません。
割り勘は仕切らない
細かい金額まで割り勘を仕切ってしまうと貧乏くさいと思われてしまうので、自ら仕切らないようにすれば簡単に解決できます。割り勘が難しい細かな金額は貧乏くさくない幹事が支払ってくれます。
どうしても幹事をやらなければならないような状況であれば、事前に料金が固定されているコースを選べば、自分だけが割り勘で損をするような事もありません。
セールは一人で
節約家はセールでお得な買い物ができると、つい周囲の人にアピールしてしまうものですが、このアピールをしなければ貧乏くさい印象をもたれる事はありません。
定価が1万円の洋服をセールで2000円でゲット出来ても、平然と1万円の洋服として着こなせばいいだけです。わざわざ「これ2000円なのに良くない?」と言う必要はありません。
実際に私のお気に入りのジャケットがそうなのですが、定価が2万円のジャケットをセールで1980円でゲット出来ました。このジャケットは人から褒められる事が多く5年以上活躍してくれています。私は褒められる度に、
「ありがとうございます。これは結構高かったんですよ~」
と平然と答えています。値段を聞かれると堂々と「2万円ぐらいです」と答えます。褒めてくれた相手も自分の見る目が正しかったと感じてくれるので、
「やっぱりそうですか~、良い物なんですねー」
といった感じで勝手に納得してくれます。そこで正直に「これは1980円なんですよ」と答えると、褒めてくれた相手のメンツをつぶす事になり、裏で「あいつは貧乏くさい」と陰口を叩かれる事になってしまうかも知れません。
似たようなところでは、ネット通販のセールで1480円で購入したニットも褒められたことがあります。
これは裏側のデザインが無いという失敗した買い物なのですが、ジャケットのインナーとして組み合わせることで、オシャレな印象に仕上げる事が出来ました。裏側のデザインがない分、むしろ着ぶくれしなくて良いぐらいです。
堂々と定価が2万円のジャケットと組み合わせることで、こちらもそれなりの洋服だと思ってもらえます。
セールでお得に購入できた事を、わざわざ他人に伝える必要はありません。褒められても照れ隠しで価格を言う必要はありません。
それによって相手が恥をかくケースがあるという事を覚えておいてください。褒められ上手になりましょう。
時間の無駄も一人で
自分の口座がある銀行のATMが込んでいる時に、他の銀行の空いているATMを利用すると時短になる一方で手数料が掛かってしまいますが、節約家の多くは時間を掛かってでも手数料がないATMに並ぶと思います。これも一人の時であれば何も問題はありません。
友達を待たせてしまうと「貧乏くさい」と思われてしまうかも知れないので、その時は適当に「振り込みもあるから他のATMじゃダメなんだ、ごめんね」とでも言えば解決します。
要は手数料を節約する事を悟られなければいいだけです。「通帳の記帳をしたい」とかでも良いかと思います。
価格の安い飲食店に並ぶといったものも同じです。価格が安いからという理由を言わないで、「こっちのお店の方が好きなんだよね」と言えばOKです。
これらのように全く同じ行動や選択でも、相手が受け取る印象は変わるものです。わざわざ「貧乏くさい」と思われるような発言はする必要がありません。
まとめ 本音と建前を使い分けよう
本音では節約の為だとしても、人前では建前を上手く使い分ける事で「貧乏くさい」といった印象にはならないものです。
節約家というより、倹約家やミニマリストといった方が「貧乏くさい」印象にならないように、同じような行動でも相手が受け取る印象は変わります。
節約の為にご飯を抜くというと「貧乏くさく」なるかも知れませんが、健康の為の断食やダイエットの為というと相手の印象は変わります。
いつも同じ洋服を着ている人でも、スティーブジョブズに憧れているとでも言っておけば、貧乏くさいとは思われずに合理的な人だと思われるかも知れません。
人前では本音と建前を上手く使い分けて、「貧乏くさい節約家」なのだと思われないようにしましょう。
そもそも節約家である事を公言する必要はありません。私もリアルの人間関係には、ほとんど伝えていません。勝手に一人で節約をしています。
飲み会に誘われた時に、本音ではお金がもったいなくて断るとしても、「明日ちょっと早いんだ、ごめん」とでもいった方が角が立たなくなるものです。
ウソをつかずに正直者である事が良いとは言いますが、自分の為だけでなく相手の為にもなるウソもあるので、上手く使い分けられた方が良いのではないでしょうか。
異性から告白された時に、「全然タイプじゃないんで」と断るより、ウソでも「他に好きな人がいるので、ごめんなさい」と断った方が相手を傷つけずに済むような事です。
周囲の人から悟られない節約家は世の中にたくさんいるものです。メディアの前に出ないお金持ちの多くは節約家です。
逆にリスクを抱えてまで金持ちアピールをしている有名人にも、本音と建前が隠されています。そのアピールによって得られるメリットがリスクを上回っていなければ、わざわざアピールなどしません。
節約家である事のアピールも同じです。それによって仕事につながる著名人にはメリットがありますが、一般の人にメリットがあるとは限りません。
節約仲間同士で情報を共有するのは構いませんが、そうではない人にわざわざ伝える必要はありませんし、悟られないようにするぐらいが丁度良いのではないでしょうか。
堂々と節約家である事を公言して周りの人から「貧乏くさい」と思われてしまうと、いらぬ陰口を叩かれてしまうので気をつけてほしいと思います。
「そんな人とは付き合わなくてもいい!」
といった割り切りをするのも良いのですが、そんな人ほど余計な事を色んな人に言いふらしてしまいます。噂話には尾ひれがつくものなので、大切な人(人事権のある上司など)にまで伝わってしまうかも知れません。
そんな面倒な人とほどほどの距離を保つ為にも、本音と建前を上手く使い分けられるようになりましょう。基本的に節約家である事を、わざわざ周囲の人に言う必要はありませんよ。