節約の失敗とは
世の中には様々な節約方法が溢れていますが、中には「それって本当に節約になっているのかな~」と感じてしまう情報も珍しくありません。
節約は人によって条件が違うので、必ずしも正解があるわけではありませんが、今回は多くの人が間違いやすい4つの節約を紹介します。
良かれと思ってやっている節約で損をしているかも知れないので、気をつけてほしいと思います。
1 お徳用サイズ
まずはお徳用サイズを購入する節約テクニックです。これは多くの人が実践されているのではないでしょうか。
例えば5キロのお米よりも10キロを選んだ方が大抵は節約になりますが、一人暮らしでたまにしか自炊をしないのであれば、10キロのお米は間違った節約と考えられます。
長期間お米を保管していると虫がわくこともありますし、またお米の鮮度が落ちて味や風味も劣化します。
単純にお米の購入額だけで考えれば節約にはなりますが、「美味しいお米を食べる」という意味からは遠ざかってしまいます。
これはお米に限った話ではなく、多くの食品に当てはまることです。調味料なども開封して空気に触れたときから劣化が始まっていきます。
お徳用サイズを選ぶと購入額は節約出来ますが、質が劣化する可能性が高いので上手に見極める必要があります。この辺のさじ加減は人それぞれではありますが、極端に傾かないように気をつけてください。
それほど醤油を使わない家庭であれば、少し割高でも少量のものを選んだ方が良い状態を保つ事になり、料理の質を損ねてしまう事になりません。
またストックがあると使い過ぎや食べ過ぎになりやすい傾向があります。洗剤やティッシュなどが残り少ないと丁寧に使用するものですが、余裕があるとつい多めに使ってしまうものです。
さらにスペースの問題も考慮する必要があります。ストックの為に一部屋潰れて余計な家賃を支払っている事になるかも知れません。
お徳用サイズ=節約、とは限りません。単純に価格だけで判断すると失敗してしまうものです。
2 セール品
食品のセール品を購入することは節約にとって効果的ではありますが、賞味期限が近い可能性が高くなります。
その日に食べるようなものであれば問題ありませんが、これも大量に購入してしまうと節約から遠ざかってしまいます。
スーパーのお弁当が半額になっているからと、たくさん購入して冷凍保存してしまうと、健康面でのリスクを抱える事になってしまうかも知れません。
また節約を頑張っている人ほど食品を無駄にしたくない気持ちが働くので、何とか食べきろうとするのですが、そこで必要以上に食べてしまうケースも多くなってしまいます。
食品を捨てるのはもったいないですが、無理やり食べきることも身体にとってよくありません。食べ物を粗末にしないことは素晴らしいことですが、だからといって自分の身体も粗末にしてはいけません。
暴飲暴食のせいで病気になれば医療費も時間もかかってしまいます。これでは節約どころではありません。
セール価格に惑わされて、必要以上に食品を購入しないように気を付けてください。季節外れの洋服などもセールになりますが、来年以降も着られるものなのか意識しないと、たった数回着ただけで無駄になってしまいます。
3 100均
最近の100均で売られている商品は「これが100円!?」と驚かされる物も多く、私もよく利用しています。
基本的に100均は節約と相性が良いのですが、中には100円という価格に惑わされて、ついつい無駄な買い物をしてしまっている人も多いです。
100均にはスーパーで購入すれば100円しない物も意外とたくさん売られています。ちょっとしたお菓子や調味料などが代表的です。
私の住んでいる地域にあるショッピングモールは、激安スーパーと大手100円ショップ、大型ホームセンターが並んでいます。
ある時に持ち運びできる小さな靴ベラを購入しようと三店舗を覗いてみると、全く同じ商品がそれぞれの店舗で売られていました。
ホームセンターでは98円、激安スーパーでは88円(しかも税込み価格!)という価格設定で驚きました。当然100円ショップだと100円(税別)です。
またそのスーパーの他の商品を眺めていると、価格設定が88円のものが多く、隣の100円ショップよりもお得だとアピールしているようでした。
大手の100円ショップにはオリジナル商品も多く、そこでしか手に入らない物もありますが、どこにでも売られている商品は他の店舗で購入したほうが節約になるケースがあります。
しばしば何でもかんでも100均で揃えてしまう人がいますが、必ずしも節約になるとは限らないので気をつけてください。
4 ポイントカード
ポイントカードを有効に活用することは節約になりますが、これもあまり意識し過ぎる失敗につながってしまうかも知れません。
コンビニのように商品価格に差がない店舗の場合は、ポイントカードやキャッシュレス決済によるポイントバッグを利用するのも良いのですが、コンビニでもお弁当やパンなどは店舗によって違いがあります。
ポイントを貯めているからと、好みではないお弁当やパンを選ぶことは賢い選択とは言えません。商品そのものによって得られる満足度が下がってしまいます。
ポイントカードは上手に付き合えば節約になりますが、ポイントカードに行動を引っ張られてしまうと損をするケースが多くなります。これはお店側にとっては好都合ですが、消費者にとっては不都合です。
基本的にポイントカードを発行しているお店というのは、その方がメリットがあるから取り入れているのであり、そのメリットは消費者にとってデメリット(買い過ぎ)になっている事は珍しくありません。
またポイントを貯め込むこともおすすめしません。こまめにポイントを消化した方が有効期限やカードを紛失した時のリスクを下げることになります。
よく行くお店のポイントカードを所有する事は節約になりますが、ポイントカードがあるからとお店選びが変わってしまうと、割高なお店になったり、本当に必要な物とのズレが生じて失敗してしまいます。
まとめ 失敗も様々
今回紹介した失敗しやすい節約というのは、上手に付き合う事ができれば節約になるのですが、得したい気持ちが強過ぎると失敗になってしまいます。
家族が多い家庭では10キロのお米など直ぐに消費できますし、むしろネット通販で30キロのお米を購入した方が節約になるものですが、一人暮らしの小食の人が同じ量のお米を購入してしまうと、腐らせてしまうかも知れません。
セール品も賞味期限や品質をしっかりと見極めてから選べば失敗しません。お得だからと不必要なものまで購入してしまう事にリスクがあります。
100均も本当にお得な商品が多いです。特にオリジナル商品は素晴らしいものが多く、本家の質を凌駕している事も珍しくありません。
一切ポイントカードを持たないという極端な節約方法もありますが、頻繁に利用するお店であれば、やはり持っていたほうがお得になります。
誰にでも当てはまる節約方法があるのではなく、あくまでも加減次第という事なので、どの節約方法でも失敗する可能性は0ではありません。
固定費の見直しのような節約だって、極端に価格が安いところだとトラブル時のサポートに差があったり、説明が不十分で肝心な時に役に立たないような事があるかも知れません。
これらのように絶対に正解だという節約方法がないと理解できると、無理なく自分に役立つといった基準も見えてくるようになるので、しっかりと向き合ってみてほしいと思います。
期間限定や数量限定などのセールは、この判断力を狂わす力を持っています。消費者に冷静な判断をさせないような販売テクニックです。
ここに惑わされないことが重要です。大抵のセールは毎週のように行われていますし、今しか購入出来ない商品など滅多にありません。
人気のある商品は必ずまた生産されますし、ライバル会社が似たような商品をつくってくれます。むしろ後発組の商品の方がよく出来ているケースも珍しくありません。
欲しい物を全て我慢する節約は長続きしないものですが、欲しい物が出来たら一晩ぐらい寝かせて、より良い物、相応しい物がないかと考えられるようになると、購入してから後悔するような事がなくなっていきます。
そもそも節約が失敗したと感じる時というのは、購入した後からやってくる後悔があるからです。
安く購入できて喜んでいても、たまたま他のお店で同じ物がさらに安く売られているのを見かけると損した気分になるように、購入時に判断できるものではありません。
だからこそ、購入前に冷静さを取り戻してください。
お得なセールやポイントカードに引っ張られて冷静さを失ってしまう事こそが、失敗しやすい節約の典型なので気をつけてほしいと思います。