便利な収納グッズのリスク
世の中には便利そうな収納グッズがたくさん売られていますし、しかもオシャレで安価でとても魅力的なので、購入を検討されている人も多いのではないでしょうか。
上手に隙間空間を利用していたり、インテリアとしても機能するようなオシャレな収納グッズも増えています。
また100均アイテムを活用した収納テクニックなども、よく雑誌などで話題になっているものです。
そもそも収納グッズとは、収納を工夫することでスペースを有効に活用することですが、実は有効に活用し過ぎることにはデメリットがあります。
どうしてもスペースに余裕が生まれると、隙間を埋めたくなるのが人間の性です。
これでわかりやすいのは「本棚」です。
スカスカの状態の本棚をキープ出来る人は多くありません。二度と読み返すことがないであろうつまらなかった本でも、スペースに余裕があると本棚から溢れ出ない限り整理しようとはしないものです。
収納スペースを増やすグッズにも、この「本棚」と同様のリスクがあります。
そこで今回は便利な収納グッズを購入する前にするべき3つのことを紹介します。この事前準備をしっかりと行ったうえで、改めて収納グッズが必要かどうか判断してください。
1 処分
収納グッズを購入する前に最初にするべきことは、収納しきれなくなった物の中で、今後使用する可能性がない物を見極めて処分することです。
すごく当たり前のことですが、とても重要なポイントになります。なぜなら物を処分するには凄くエネルギーが必要だからです。
例えば便利そうな新しいキッチン用品を購入したとします。それを収納する場所がないと、今までキッチン周りに収納していた使用頻度の少ないアイテムを、倉庫や物置にうつすことになります。
これは洋服などでも同様です。クローゼットに入りきらない洋服を直ぐに処分出来ればいいのですが、やはり難しいものです。とりあえず別のところにうつすだけです。
これらの中には二度と使わない物が含まれています。便利そうな収納グッズを増やす前に、まずはこれらの不要な物を見極めて処分する事が大切です。
倉庫にある物のように、日頃からあまり目につかない物であれば、処分をする判断が下しやすいので、便利そうな収納グッズを購入する前に判断するようにしてください。
また物を処分するといっても簡単ではありません。せっかく不要な物をを処分する決断をしたとしても、燃えないゴミの日は月に数回しかありません。自治体にもよりますが、粗大ゴミならなおさらです。
物を処分するにも知識も必要です。思い立ったその日のうちに行動にうつせないと、結局はズルズルと先延ばしになってしまい、処分をする機会を逃してしまいます。
物を処分するための技術、知識を手に入れる事がスタートラインなので、便利そうな収納グッズを購入する前にこれらと向き合ってみてください。
地元の自治体のホームページなどでゴミの捨て方を確認してください。有料のゴミ袋、粗大ゴミのシール、リサイクルショップやフリーマーケット、ネットオークションなど処分の方法は様々なので、日頃からしっかりと理解しておく事が肝心です。
2 掃除
ある程度の物を処分することができると、多少なりとも空間に余裕が生まれます。
そこで意識してほしいのが「掃除」です。簡単な掃除ではなく、「徹底的な掃除」です。
物であふれかえっている状態の物置や倉庫を掃除することはできませんが、ある程度スペースに余裕が生まれて移動できるスペースがあると掃除も簡単になります。
これは押入れでもクローゼットでも食器棚でも同様です。物が溢れている状態だと掃除をすることが出来ません。
徹底的に掃除を行うことで、さらに不要な物が見つかったり、新しい組み合わせの収納の仕方が見えてくることがあります。便利そうな収納グッズを購入しなくても、これだけで解決する可能性もあります。
この掃除の気持ちよさ、整理の感覚が身につくと、それらの空間を一杯にすることがなくなります。
常に掃除のしやすさを意識した配置になるので、とりあえず積み重ねて収納するようなことが少なくなります。
掃除をする習慣があると収納スペースを埋めるのではなく、自然と8割程度で抑えられるようになるものです。
多くの収納グッズは効率よく隙間なく空間を利用するので、掃除がしにくいというデメリットがあります。
これも覚えておいてほしいのですが、あえて収納グッズを持たない方が掃除がしやすいことは珍しくありません。
これは100均アイテムなどを駆使して、隙間空間を活用するようなテクニックでも同様です。洗濯機の横のわずかなスペースなどを収納に活かすことが悪いとは言いませんが、掃除や整理がしにくくなる事もあるので気をつけてください。
収納スペースに余裕があるだけに、ついつい洗剤などを余計にまとめ買いしてしまったり、同じものを無駄に購入することになってしまうかもしれません。
便利な収納グッズのおかげで収納が増えただけに、管理する手間や掃除の手間が増えてしまう事があります。
3 収納テクニック
必要のない物を処分して掃除をする余裕が生まれると、収納グッズに頼る前に収納の仕方を改める機会が訪れます。要は選択の余地が生まれます。
物が溢れかえっている状態だと、組み合わせる工夫など出来ませんが、ある程度整理できるとグッズに頼らなくても可能になります。
何でも詰め込まれている押入れだと整理など出来ませんが、一度外に出して再収納するだけで、スッキリとする事も珍しくありません。
さらに使用頻度に合わせて収納し直すことになるので、使い勝手も良くなります。
これらをせずに何となく便利そうな収納グッズに頼ってしまうというのは、無理やり押入れに詰め込む容量を増やすような事なので、結局は捨てる判断を先延ばしにするだけになってしまいます。
シンク下の空間を有効活用して収納を増やすようなグッズでも、結局は奥の鍋やフライパンを使わなくなるものです。
重ねて収納するとフライパンのテフロン加工が剥がれてしまうような事もありますし、長年放置されて錆びに気がつかずにダメージを広げてしまう事もあります。
日頃からよく使うものだけに整理する事で、結果的に良い状態を保ちやすくなるので、安易に便利そうな収納グッズに頼る前にやるべき事をやってほしいと思います。
まとめ 便利の罠
便利な収納グッズが悪いわけではありませんが、収納スペースが増えるということは、不要な物の処分を先延ばしにすることになります。
「まだ使える」「まだ着れる」と物置にとっておいても、長年放置された物の多くは劣化して使うことができません。
金属は錆びます。プラスチックは硬化します。衣類は色褪せます。流行からも後れてしまいます。劣化しない物などありません。
それらの物の処分を素早く行えれば、実際に誰かが「まだ使ってくれた」かも知れませんが、劣化して使えなくなってしまった物というのは、誰の役にも立ちません。
「物持ちがよい」と言うと聞こえはいいのですが、実際には「まだ使える」物を倉庫や物置で「もう使えない」状態にまで寝かせてから、いずれ処分することがほとんどです。
極端なことを言えば、ゴミ屋敷と同じような状態です。
便利な収納グッズが活かされるケースというのは、本当に必要な物の収納スペースが足りなくなった場合だけであり、「まだ使える」のに使わなくても困らない物を収納するためではありません。
便利な収納グッズは大きな本棚のように結果的に必要のない本を増やすことになってしまいます。
仕事に必要な本、何度も読み返したくなる大切な本以外は、基本的に本棚に収納しておく必要はありません。必ずしも本棚が大きいことが良いわけではないということです。
これが便利な収納グッズのリスクです。
一度読んだ本は役割を終えています。素早く処分すれば買い取り価格も高くなるかも知れませんし、譲った相手にも喜ばれるかも知れません。
そして忘れてならないのが、便利な収納グッズでも少なからず収納スペースを取ります。それらが積み重なると少しずつ生活の空間を圧迫することになります。
それほど必要のないモノの為に、家賃を払っていることになるのかも知れません。
車に中でも便利な収納グッズが満載の人がいますが、滅多に使用しないものまで収納されている事が多いものです。一方で車に備え付けられている収納グッズだけで、何も困らない人も珍しくありません。
デットスペースを上手に活かした見事な収納グッズもありますが、それらに頼り過ぎて大きな本棚のようなことにならないように、気をつけてほしいと思います。
またデットスペースを上手く活かすような収納グッズほど、震災時などのリスクになる可能性が高い事も覚えておいてください。
捨てる判断を先延ばしにしていた不要な物の為に、災害時の被害が拡大したり、本当に必要な物まで破損する事になってしまうかも知れません。
収納スペースがないからと、便利そうな収納グッズがないかと購入を検討されている人は、まずは勇気を出して不要な物を見極めて処分してください。
そして掃除を頑張ってください。
そらから収納の仕方を工夫してください。
これらをした上で本当に必要な物を収納しきれないのであれば、それらの物に合わせた最適な収納グッズも見つけやすくなります。
本当に必要な物の為だけに便利な収納グッズを使用してほしいと思います。必要のない物の為に収納グッズや倉庫を用意してしまっては、節約にならないどころか使い勝手まで悪くなってしまいます。
これは家や車の大きさにも当てはまります。「大は小を兼ねる」とは言いますが、必要以上に大きいと固定費や維持費が上がってしまいます。冷蔵庫も大き過ぎると電気代が増えるだけでなく、無駄な「まとめ買い」をしやすくなってしまいます。
便利そうな収納グッズの罠にはまらないように気をつけてください。やるべき事をやらずに安易に取り入れてしまうと、益々物が増えて使いにくくなってしまいます。
むしろ収納グッズを手放す事で、生活が豊かになる事もあるかも知れません。
本当に大切な物をしっかりと使う為にも、まずは余計な物を整理することをおすすめします。不要な物の為に収納グッズを用意するのではなく、本当に必要な物、大切な物を収納できるサイズを見極めてから判断しましょう。
コメント
収納グッズだらけの家は本末転倒だよね
by 匿名
大きな本棚とかラックは倒れると危険!
読みもしない本だらけの本棚に転倒防止装置をつけるとか、ホント無駄
by 匿名
そうなんだよね、冷蔵庫の容量を増やしたら賞味期限切れが増えちゃった
身の丈にあった大きさが大事
by ぐりむ