卵の豆知識
卵は安価でありながら非常に栄養価が優れ、節約とも相性が抜群の食品です。少し前までは卵の食べ過ぎはコレステロール過多になると心配されていましたが、現在ではその認識が随分と変わってきました。
しかも卵は価格も安定しているので、多くの節約家の味方でもあります。
さらに数年前から卵の「賞味期限」に関する認識も随分と変わってきました。調理方法によっては賞味期限をオーバーさせた方が良いとまで言われています。
そこで今回は卵を購入するときに知っておきたい6つの豆知識を紹介します。賞味期限が切れたからといって卵を捨てるのはもったいないですし、料理によってはあえて新鮮な卵出ない方が良いものですよ。
1 卵のサイズ
卵のサイズを大きく分けると「SML」(大中小)といった感じであり、あまり一般的なスーパーには出回りませんが、MSやLLサイズの卵もあります。
実は卵はサイズが違っても黄身の大きさはほとんど変わらないと言われています。大きさによって変わるのは白味の量だけです。
親鳥の種類によって黄身の大きさには差があるのですが、同じ養鶏場(同一メーカー)から出荷されている卵の多くは、サイズが大きくても卵の黄身が大きくなっているのではなく、白身が大半を占めるという事になります。
もちろん親鳥の種類が変われば黄身のサイズも変わるので、全ての卵の黄身が同じ大きさという事ではありません。
ボディビルダーのような栄養学に詳しい人だと、あえて茹で卵の白身だけを食べるような人もいるのですが、白味にも豊富な栄養が含まれているので、栄養面だけで考えると大きなサイズの卵の方が優れている傾向があります。
ただお菓子作りなどは僅かな分量の差で味が変わるので、レシピに卵一個とあった場合でも、卵のサイズによっては白身が多くなって失敗することもあります。
卵を使ったお菓子作りが好きな人は、卵の銘柄やサイズを揃えることで安定しやすくなりますよ。
2 サイズの理由
卵のサイズの違いは親鶏の年齢に比例します。卵を産む回数が増えるほど産道が広がり、卵のサイズも大きくなっていきます。
なので、サイズの小さな卵ほど若鳥の卵ということになります。
節約や栄養価の面では、白味の量が大きなサイズの卵の方がお得な気がしますが、高齢出産の鶏の卵ということを覚えておいてください。
これが必ずしも悪いというわけではないのですが、新鮮さを求める人にとっては若鳥が生んだ小さな卵の方が適しているかも知れません。
節約家にとってありがたい価格の安い卵だと、サイズが不揃いという事もあるので、そのような卵を購入した時だけでも、料理に合わせてサイズを選ぶのも良いのではないでしょうか。
ちなみにこのような「不揃いの卵」のようなものこそ、同じ種類の親鳥の卵なので、黄身の大きさは同じで白味の量が違うものですよ。
3 保存方法
卵の賞味期限というのは、常温で保存しても安心して生で食べられる期限に設定されています。
冷蔵庫に卵を入れていれば多少賞味期間が過ぎても、生で食べて問題ないと言われています。
ただし、冷蔵庫に卵を入れるときは卵の向きが上下逆さまにならないように気をつけてください。冷蔵庫の中でもパックに入っている向き(細い方が下)で保存してください。
卵の殻には無数の穴が開いており、自然と不要なガスを排出するようになっているのですが、反対向きにして保管してしまうと卵黄の位置がズレてしまい、呼吸が上手く出来なくなって劣化しやすくなってしまいます。
また一度冷蔵庫に入れた卵は常温保存に戻してはいけません。卵の表面が結露すると雑菌が発生してしまいます。稀に卵を割る時に殻だけではなく雑菌まで混入するケースがあります。
卵による食中毒の原因の多くは、この殻に付いた水滴に雑菌が繁殖したからだと言われています。卵の中の傷みによって食中毒になるようなケースは滅多にありません。
一般的なスーパーでは卵は常温で販売されていますが、ちょっと良い卵が売られている養鶏場やコンビニだと冷蔵されている事もあるので、その場合は速やかに冷蔵庫に保管するようにしましょう。
4 賞味期限
卵の賞味期限は生で安心して食べられる期限と紹介しましたが、逆に言えば加熱さえすれば何カ月も持つとも言われています。
通常の卵の賞味期限は長くても3週間ぐらいですが、冷蔵庫で保存なら4ヶ月、常温なら2ヶ月は大丈夫だとNHKの「ガッテン」でも紹介されていました。
殻の雑菌の可能性がないとも言えないのですが、基本的に卵を加熱調理するのであれば、それほど賞味期限は気にしなくても大丈夫です。
5 味の変化
卵の味は時間の経過と共に変化していきます。
新鮮な卵ほど美味しいイメージがありますが、調理法によってはそうとも限りません。
新鮮な卵には卵白にプルプルの固まりがあります。生卵のこれが苦手な人もいるとは思いますが、賞味期限ギリギリの卵はこのプルプルが少なくなっています。
また黄身の張りも失われていきます。新鮮な卵の黄身が盛り上がっているのは、炭酸ガスが含まれているからです。時間の経過とともに卵の殻にある小さな穴からガスが徐々に抜けていって白味のプルプルや黄身の張りがなくなっていきます。
実はこの新鮮な卵の黄身の張りというのは、他の食材と混ざりにくいという特性があります。
目玉焼きやゆで卵のように、そのままの形で調理するのであれば、新鮮な味を楽しむことができますが、お菓子のようにキッチリと卵を混ぜる必要がある場合は、むしろ賞味期限ギリギリの方が相性が良い傾向があります。
「ガッテン」でもヨーロッパのケーキ屋では、あえて新鮮な卵を避けて使用していると紹介されていました。
ある厚焼き玉子の老舗店では、産後4日目の卵の硬さが最も適しているというこだわりがあったりするほどなので、卵の味や硬さは時間の経過と共に変化していきます。
一般家庭でここまで気にする必要はないと思いますが、生で食べる卵かけごはんのようなものでも賞味期限ギリギリの方が好きだという人もいるので、それぞれ自分の好みの味になるタイミングを見つけてみるのも面白いのではないでしょうか。
料理によっては新鮮なほど美味しいとは限らないのも卵の面白いところです。
6 卵の殻のカラーの違い
卵の殻の色の違いは親鶏の種類が違うからです。餌によって多少色合いに差がでることもありますが、基本的には鶏の種類によるものです。
栄養や成分には大きな違いはありません。なので同じような価格帯の卵であれば、色はどちらを選んでも構いません。
ただしブランド卵の多くは殻が赤い傾向があります。それらは飼育法やエサの質も良いことが多いので、結果的に黄身の色が濃く栄養価も高い傾向があります。
ちなみに赤い卵の特徴として、小さな血の塊(ミートストップ)のようなものが白身に混ざることがあります。これを食べても問題はないのですが、子供だと気にするような場合や色合いを気にする調理の場合は、白い卵の方が向いています。
まとめ 卵の常識の変化
卵は価格が安定しており、栄養価も非常に高く、節約家とも相性が抜群なので私もよく利用しています。
卵やナッツや果実のように丸ごと食べられる食品というのは、栄養バランスの面でも優れているので、特定の部位の肉ばかりを食べるよりも健康的だと言われています。
もちろん卵の栄養価が抜群と言っても食べ過ぎることにはリスクがありますが、昔のように一日一個までという縛りは最近のトレンドではないので、少しぐらい多めに取り入れても良いのではないでしょうか。
極端に偏らなければ問題はないですし、最近は一日三個ぐらい食べた方が良いというデーターも出てきています。
こういった常識は最新の研究結果によって変わっていくものなので、極端に過信はしてほしくないのですが、逆にコレステロールの上昇を怖がって無意味に避けるような事もしなくて良いのではないでしょうか。
ちなみに私は数十年前にパン屋でアルバイトをしていたことがあるのですが、毎日何百個もの卵を割っていました。当時は片手だけでも綺麗に割れたものです。
そのパン屋で使われていた卵は業者から直接仕入れていたので、ダンボールに積み重ねられており、しかもかなり小ぶりだったことを覚えています。
何百個もの卵を割る作業のときに、先輩に「もっと大きな卵なら数も減るのに~」と愚痴をこぼすと、「小さな卵の方が黄身の割合が多いから、より美味しいパンができる」と教えてくれました。
そのパン屋には大きな冷蔵庫や小麦粉などを保管しておく冷暗所のスペースが十分にあったのですが、卵だけは常温で保存していました。
今思うと若い鶏から生まれた小さな卵を常温で使用したわけです。NHKのガッテンで卵の賞味期限について紹介された時は大きな反響があったのですが、食品を扱うプロの世界では数十年前から常識だったのかも知れません。
また節約という意味では、その時々で安く売られている卵を選ぶのが一番の節約になるのですが、サイズが不揃いの卵を扱っているスーパーほど安い傾向があるので意識してみてください。
料理に合わせてサイズの違いを選ぶ事も出来るので、むしろ相性が良いものですよ。
また卵は賞味期限の問題もそれほど気にしなくてもいいので、セールの時に少し多めに買って上手く節約につなげてみてください。
食品な極端なまとめ買いは賞味期限の問題もあって節約にならない事も多いのですが、常温でもかなり長い間もってくれる卵に限っていえば、コントロールもしやすいので悪くありません。
ちなみに私は冷蔵庫を手放した生活をしているのですが、それだけに長期間常温で保存できる卵には助かっています。
賞味期限の過ぎた卵でお腹を壊したことは一度もありません。流石に加熱はしますが、いつも美味しく頂けています。
むしろ新鮮過ぎる卵のプリプリ感に魅力を感じなくなったほどです。この辺は好みや料理との相性もありますが、新鮮な卵ほど美味しいと決めつけるのではなく、上手く相性を見極めて使ってみてください。
賞味期限が過ぎた卵を直ぐに処分したり、期限が切れそうだからと無駄に卵を使用しなくても大丈夫なので、これだけでも覚えておくと良いかと思います。
卵は価格が安くて栄養豊富なので、積極的に日頃の食事に取り入れて健康的な食生活をおくってほしいと思います。
追記 卵の豆知識
どのスーパーでも卵というのは人気商品なので、あえて店舗の奥の分かりにくいポイントで販売される傾向があるのだそうです。
そうする事でお客さんが店舗の奥まで行く事になり、他の商品も手に取ってもらえるような仕掛けがされています。
実際に私がよく行くスーパーで思い返してみても、入り口やレジ近くの目立つ箇所には置いておらず、どこも奥の方に配置されていました。
初めて入るスーパーで卵を探す時は、これを覚えておくと無駄に卵を探す事になりませんよ。
コメント
たしかに卵って変なところに置いてありますよね
こんな理由があるとは勉強になりました♪
by 匿名