間接照明の電気代
家庭内における電気代の割合は、省電力のLED電球の照明が普及する前は冷蔵庫に次いで大きなものでした。
なので少し前まで薄暗い間接照明には「電気代の節約」という意味でメリットがあったのですが、現在は手ごろな価格のLEDのシーリングライトが普及してきた事もあり、そのメリットも少なくなってきました。
LED電球が出始めの頃は高価なのに明るさがイマイチだったり、照射範囲が狭かったりといったデメリットもあったのですが、現在は低価格のものでも随分と品質が良くなっており、蛍光灯に比べて圧倒的に寿命も長いので、ほとんどデメリットが無くなってしまいました。
なので家庭内の照明の電気代を節約するという意味では、取りあえずLED電球に交換しておけば良いのですが、私はあえて薄暗い間接照明を取り入れています。
間接照明といっても様々なタイプがあり、オシャレなデザインにこだわっている物だと、光を遮る範囲が多くて暗くなり過ぎたり、数が増えてしまうと電気代が増えてしまう事もあるのですが、間接照明には電気代の節約以外にも様々なメリットがあります。
明るいリビングに慣れている人だと考えられないかも知れませんが、適度に薄暗い間接照明には意外なメリットがあるので検討してみる価値があると思います。
間接照明の3つのメリット
1 オシャレな空間
間接照明による電気代の節約以外の一番のメリットとは、やはり「オシャレな空間の演出」になることです。
これはオシャレな飲食店で考えるとイメージしやすいのではないでしょうか。煌々と店内が照らされた明るいBARだと雰囲気が損なわれてしまいます。
なにをもってオシャレと感じるかは人それぞれ違うので、薄暗くなる間接照明のおかげで誰もがリラックスできるとも限らないのですが、薄暗さは良くも悪くも細部を隠してくれるので、インテリアの粗も上手く誤魔化してくれます。
より分かりやすくいうと、汚れやホコリといった要素が分からなくなるような事です。
僅かなホコリも見逃したくない潔癖症の人だと難しいかも知れませんが、夜ぐらいは落ち着いた雰囲気で過ごしたいという人には、薄暗い間接照明は向いています。
飲食店でもお寿司屋さんのように生ものを扱うお店だと、徹底的な衛生管理が求められるので僅かな汚れを見落とさない為にも明るくする必要があるのですが、一般家庭でこの要素を求める人は多くないのではないでしょうか。
この間接照明のメリットは、衣類の色で考えてみても分かりやすいかも知れません。明るい色の衣類ほど汚れが目立ちやすいだけに、清潔感を保つ為の対処をしやすいので医療関係者に好まれるのですが、衣類が汚れやすい職種だと汚れが目立ちにくい色を用います。
薄暗い間接照明というのは良くも悪くも粗を覆い隠してくれるので、どことなくオシャレな雰囲気になってくれるメリットがあります。
2 睡眠の質
薄暗い間接照明の柔らかな灯りというのは、「睡眠の質」にも大きな影響があると言われています。
明るい照明に煌々と照らされた寝室で寝る人は少ないように、明るさというのは睡眠の質を大きく左右します。
これは眠る直前にだけ作用するのではなく、その何時間も前から光量による影響を受けているので、薄暗い間接照明にしておくと身体が副交感神経優位に傾き、スムーズな睡眠へ促されやすくなります。
個人的にはこのメリットが大きいと感じています。私は節約家という事もあり、オシャレな要素よりも実用性を重視するので、どこにでも取り付けられるクリップタイプのLED電球を天井に向けて照らしています。
アパート暮らしなので備え付けの蛍光灯のシーリングライトもあるのですが、夜にお客さんが来た時ぐらいしか使用していません。
最近は様々な安眠グッズやサプリメントなどが売られていますが、それらに頼らなくても照明を薄暗くするだけで、自然と身体が入眠モードへ促されてくれます。
明るさ調節や明かりの色を変えられるシーリングライトがある家庭であれば、夕食が終わったタイミングから徐々に薄暗くしてみてください。この効果を実感できるはずです。
3 紫外線カット
間接照明に限った事ではないのですが、LED電球には紫外線が含まれていません。一方で一般的な蛍光灯の光には紫外線が含まれているので、壁が日焼けしてしまう事があります。
間接照明に用いられる事が多い電球色(オレンジっぽい灯り)には身体をリラックスさせる効果があるのですが、紫外線がない事も関係しています。
この照明の紫外線の差による大きなメリットというのは、壁紙が日焼けしないだけでなく、様々な物の寿命を延ばす事にも繋がります。多くの物は紫外線による影響を受けて色褪せてしまったり、プラスチック製品だと硬くなってしまいます。
蛍光灯に含まれている紫外線は微量なので、ここまで考えなくても良いかも知れませんが、高価な作品を扱う美術館などはLED電球が普及し始めた頃から積極的に用いていたぐらいなので、全くの無関係という事ではありません。
さらに紫外線が無くなると、虫も寄ってこなくなります。
カーテンの隙間の明かりに反応する虫がいなくなるので、窓の汚れも少なくなってくれます。網戸でも小さな虫が侵入してくることがありますが、そのようなケースも減少します。
最近のコンビニはLED電球を採用しているところが増えたので、昔のように虫除けの為の紫外線を放射する器具を設置しなくなりました。
この紫外線がないメリットは間接照明に限った事ではないのですが、家中の照明器具をLED対応の物に交換するとなると、それなりの費用が必要ですが、間接照明を一つ取り入れるぐらいであれば負担も少ないだけにこのメリットを取り入れやすいという事です。
まとめ LEDの間接照明
間接照明を取り入れるメリットというのは、単純に光量が減って電気代が節約できるだけではありません。
- オシャレな空間の演出
- 安眠効果
- 紫外線削減
これら3つのメリットがあります。備え付けの照明器具を交換するとなると簡単ではありませし、それなりの費用も掛かってしまいますが、スタンド型の間接照明やクリップで挟めるような照明器具であれば、手軽にこれらのメリットを取り入れる事ができます。
今ある照明器具を直ぐに買い替えろとは言いませんが、明るさ調節してみたり、蛍光灯の数を減らしたりは出来ると思うので、普段よりも薄暗い状態を体験してみてください。
明るさを抑えても問題なく生活ができるかも知れませんし、むしろ身体がリラックスして眠りやすくなるかも知れません。最適な明るさが分かれば間接照明だけで十分と判断できるかも知れないので、今まで何となく習慣だけで室内を明るくしていた人ほど意識してみてほしいと思います。
現代人はスマホやパソコンの使用時間が増えて目を酷使するようになっており、ずっと目が光にさらされてしまっています。それだけに体内時計が狂って睡眠の質が悪化してしまっている人も増えていると言われています。
それらを一切使用しなくなるのは現実的ではありませんが、寝る前の数時間ぐらいだけでも明るさを抑える事で負担を減らせると思うので、間接照明といった選択肢があるという事を覚えておいてください。
昔は明るさが豊かさの象徴でもあっただけに、明るければ明るいほど良いのだとばかりに照明器具の明るさも向上していったのですが、最近は明る過ぎる事の弊害も分かってきたので、ほどほどの光量に抑える事も大事なのではないでしょうか。
部屋の明るさを抑える事ができると、テレビやスマホの画面の明るさも抑えられるので、それらの消費電力も節約できますし、目にも優しくなりますよ。
暗いところでテレビを観たり読書をすると目が悪くなると言われていましたが、実はこれに根拠はないのだそうです。
フラッシュのような点灯が多いと、暗闇ほど落差があってリスクになる事があるのですが、普通に見る分には室内の明るさはそれほど目に悪影響があるわけでもありません。
何となく常識や習慣だけで室内を明るく照らしている人も多いので、まずは照明器具の明るさを落としてみてください。大抵は慣れの問題ですし、温かみのあるオレンジの照明の方が落ちく人も多いので、間接照明と相性が良いかも知れません。
オシャレな要素を大切にしたい人は、家具屋などに素敵な間接照明が売られていますし、私のように実用性を重視する人は、電気屋やホームセンターやニトリなどでも様々なタイプの間接照明が売られているので、立ち寄った時にでもチェックしてみてほしいと思います。