普通の鍋でパンが焼ける!?
当ブログでは以前に自宅のフライパンを使ってフランスパンを焼く方法を紹介したのですが、
思いのほか反響があったこともあり、今回は普通の鍋でパンを焼く方法を紹介します。
パンのレシピ
パンのレシピは基本的にどれでも構いません。複雑な形のものでなければ大抵は普通の鍋でも焼くことが可能です。
今回私がつくったパンのレシピはこちらです。
強力粉 | 140g |
塩 | 2g |
砂糖 | 20g |
ドライイースト | 2g |
卵(Sサイズ) | 1個 |
水(ぬるま湯) | 30~40ml |
オリーブオイル | 大さじ1 |
甘さ控えめの小さなパンが四つ焼ける分量です。お気に入りのレシピがあればそちらを参考にしてもらっても構いませんが、これ以上分量が多いと鍋に収まらなくなるかも知れません。鍋の大きさにもよりますが、今回私が使用した鍋の大きさは18センチです。
水の分量が曖昧なのは卵の大きさによってまちまちだからです。卵も混ぜ合わせてからきちんと計測した方が良いのですが、残りを無駄にしたくないので水の方で調整しています。
まずは計量カップにドライイーストを入れ、少量の水(20mlぐらい)を入れて軽くかき混ぜて放置(10~15分)します。こうすることでイースト菌が目覚めて発酵しやすくなります。
その間にパン生地を混ぜ合わせるボールでその他の分量を計測していきます。塩、小麦粉、砂糖の順番に入れてください。
塩とイースト菌が触れてしまうと弱まってしまうので、ボールの底に塩がある方が望ましいからです。一方で砂糖はイースト菌の発酵を促してくれるので、小麦粉の上に入れてください。
そして10分以上放置したドライイーストの液体に卵を一つ落とします。大きめのスプーンで軽く卵を崩してメモリを確認しながら、合計で80mlぐらいになるように水を足してください。
これが水の分量が曖昧な理由です。卵のサイズによってかなり差があるので、なるべく小さな卵の方が向いているかと思います。
そして砂糖があるところに向かってこの液体を垂らしながらかき混ぜていきます。この時に卵を崩した時に使用したスプーンで混ぜていくと手が汚れません。
いきなり手でこねてもいいのですが、ある程度生地がまとまるまでスプーンで混ぜることで、手にこびり付いて無駄になってしまう生地を減らすことができます。
ボールの小麦粉がなくなって生地がまとまってきたら、大さじ1のオリーブオイルを入れて手でこねていきます。この段階であればそれほど手のひらや指に生地がくっつきません。
もちろん一般的なパンのようにバターでも構いません。私はもっていないのでオリーブオイルで代用しています。
ボールの中で生地をこねていくと、生地が油分を含んで油っぽさがなくなっていくので、ここからはまな板の上で体重を乗せながら生地をこねていきます。
パン生地の一部を取って薄く伸ばせるようになるまでこねることが理想ですが、ここまでこねるには30分ぐらい力を入れてこねる必要があるので、慣れない方には難しいかも知れません。
薄く伸ばせなくても生地全体が滑らかになっていれば、取りあえずOKです。これでもなんとかなります。
そして生地をまとめてボールにラップをします。パン生地を発酵させる時間は90~180分ぐらいです。季節や室温によってかなり違います。
生地が膨らんで1.5~2倍ぐらいになればOKなのですが、パン生地を薄くなるまでしっかりとこねていない場合は、1時間後ぐらいに生地を軽くこね直してください。ここで膨らんだ生地が縮んでしまうのは構いません。こうすることで均等に膨らみやすくなります。
そして発酵した生地を四等分にして丸め、軽く押して平べったくしてから、鍋の側面から少し離して(5~8mmぐらい)置いていきます。
そして鍋の蓋をして最終発酵します。この時に生地が乾燥してしまわぬように、鍋の蓋の裏を軽く濡らしておくと良いです。ぽたぽたと垂れてしまうほど濡らす必要はないので、濡らした鍋の蓋を振って垂れないように水分を飛ばしておきましょう。
この最終発酵の時間も室温によって随分と変わるのですが、30~60分ぐらいでしょうか。このように1.3倍ぐらいに膨らめばOKです。
火を入れるとさらに膨らむので、この時に鍋の側面にパン生地が触れていなくても構いません。
そして鍋に蓋をしてから火にかけていきます。弱火で8分ほど焼いていくと生地が鍋の側面に沿って膨らんでいきます。
実はこれが普通の鍋でパンを上手に焼くポイントです。鍋の側面からも熱が入ることでパン生地の中までしっかりと火を通すことが出来るようになります。鍋の真ん中で焼いてしまうとパンの中が生焼けになってしまいます。
そして火傷に注意しながらパン生地をひっくり返して、6分ほど焼いていきます。表より焼く時間が短いのは鍋が温まっているのと余熱を利用できるからです。
このように側面を内側にすることで、パン生地の反対側の側面からも焼くことができます。
パン生地をひっくり返して再び鍋の蓋をして、6分経ったら火を止めて蓋を取ってください。
パンがほどよく冷めるまで5分ほど放置すれば完成です。
パンの側面も焼けているのがわかるでしょうか。こうすることで普通の鍋でも中までしっかりと火を通すことが出来ます。
若干焦げているのは撮影に手間取っていつもより火にかける時間が延びてしまったからです(苦笑)。
まとめ 鍋と火は使いよう
普通の鍋でも美味しいパンが焼けるものです。
食パンのような大きなパンは難しいですが、馬鹿と鋏は使いようという諺があるように、工夫次第で普通の鍋でも使いようがあるものです。
食パンのトーストもフライパンで出来ますし、お米も普通の鍋で美味しく炊けます。何から何まで専用の道具が必要なわけではありません。中華鍋は蒸し料理や揚げ物まで作れてしまいます。
オーブンを持っている方であれば、わざわざ鍋でパンを焼く必要はありませんが、私のように少ない物で暮らしている人の参考になれば嬉しいです。
一からパンを作るとなると大変ですが、一度でも作ってみるとパンに対する印象が大きく変わると思います。
今回紹介したパンのレシピはかなり甘さ控えめのものですが、一般的に売られているそのままでも甘いパンには、大量の砂糖が入っていることに気がつきます。
他にも油分や乳成分もたっぷりと含まれているので、健康を意識する方にとっては学びが大きいと思います。
スイーツのようにたまに食べるぐらいならいいのですが、ご飯の代わりにしてしまうと、日常的にかなり糖分を摂取していると気がつくかも知れません。さらにそこに甘いジャムやクリームが付いているとなると、とんでもない量だと驚くと思います。
一方でフランスパンのように、糖分や油分や乳成分が含まれていないパンの存在にも気がつくかも知れません。食事として食べるべきパンの基準が変わるかも知れません。
機会があれば一度パンを作ってみてください。大きな学びがあると思いますよ。