意識的に舌を出す事で得られる効果
当ブログでは以前に「あいうべ体操」というものを紹介した事があるのですが、口を大きく開いたり、すぼめる事で普段あまり使われない口周りの筋肉を動かす事になり、顔の弛んだ皮膚が引き締まったり、口呼吸改善に役立ったり、唾液の分泌が促されるといった様々なメリットがあると紹介しました。
私も日常的に取り入れているのですが、最近は中でも「あいうべ体操」の「べー」をした時の違いが気になるようになりました。
日によって「べー」と舌を出す感覚に差があり、鏡の前で行うと想像以上に舌が出ている事もあれば、引きつってあまり出ない日もあります。
その事を気にしていると、ある東洋医学の本の中で舌の状態で健康を見極める方法が紹介されており、舌の色だけでなく、力の入り具合(抜け具合)によっても身体の状態を推し量る目安になるとありました。
そこで舌を出す効果について調べてみると、凄く面白いものがたくさん見つかりました。
舌を出すスポーツ選手
一流アスリートの中にプレー中に舌を出す選手がおり、私はバスケットの神様と言われているマイケルジョーダンぐらいしか思いつかなったのですが、パッと調べてみただけでも、
- カールルイス(陸上)
- ガルベス(元巨人のピッチャー)
- 内川聖一(野球日本代表)
- 遠藤保仁(サッカー日本代表歴代出場回数一位)
- 酒井宏樹(サッカー日本代表)
などの早々たるアスリートがプレー中に舌を出す事があるそうでした。
ちなみにマイケルジョーダンがプレー中に舌を出す理由は、幼少の頃に祖父から教わったからなんだそうです。
一般的には大事なプレー中に息を止めて歯を食いしばる選手が多いのですが、歯を食いしばると一発の力は出やすい反面、繊細なコントロールには不向きなので、ボールコントロールのように繊細な動作が求められる競技だと、あえて歯を食いしばらないようにガムを噛む事があるのだそうです。
アメリカの野球選手を中心にプレー中にガムを噛む選手が多いのも、科学的にリラックス効果が認められているからなのだそうです。
日本武術をベースとする格闘家の多くもパンチや突きを出すタイミングで、あえて息を吐きながら出す事で、歯を食いしばって力まないようにしています。
よく格闘家が練習中に「ハッ、ハッ」や「シュッ、シュ」と言いながらパンチを繰り出していますが、その方が筋肉を素早く繊細にコントロールできる事を実感しているのかも知れません。
ニュージーランドのラグビー選手は試合前にハカと呼ばれる伝統的な行事を行うのですが、その中でも大きく舌を出す動作が取り入れられています。自分達を鼓舞する意味合いや相手を威嚇する意味合いがあると言われていますが、もしかしたら身体の緊張を和らげてパフォーマンスを向上させる効果もあるのかも知れません。
私が「あいうべ体操」を行った時に舌が出る長さに差があると感じていたのも、まさにこの身体の緊張状態によっての差であり、先に身体をリラックスさせてから行うと、調子が良い時のようにグーっと長く舌が出てくれました。
舌を出す行為そのものが身体の筋肉を緩めるリラックス効果があるのですが、逆に身体の緊張状態を見極める目安としても参考になります。
舌は筋肉の塊
そもそも舌は筋肉の塊であり、身体が緊張していたり、筋力が衰えてくると上手く扱えなくなります。
極度の緊張状態になると上手く舌が回らずに話にくくなってしまうものですが、まさに身体の緊張と舌の筋肉の動きが直結しているからです。
犬で考えてみても分かりやすいのですが、飼い主が帰ってくると嬉しくて舌を出しながら寄ってくるものですが、怪しげな人物がいて威嚇するような時というのは、歯を食いしばっているものです。
ちょっとした精神状態の変化によっても、身体の緊張具合に差が出るように、その目安として舌の動きというのも、何かしらの関係があるのではないでしょうか。
また舌には正しい位置というものがあり、口を閉じている時は上の歯の裏のくぼみ辺りに触れているのが理想だと言われているのですが、緊張や筋力の衰えによってそれが出来なくなると、舌が下の歯に触れてしまい、重さを支えられなくなって口呼吸になってしまうのだそうです。
小さな頃からこのような舌の位置でいると、下あごが前に押し出されて受け口になってしまったり、歯並びに影響が出る事もあるのだそうです。
また舌の位置は姿勢にも影響が出る事があり、猫背の人との相関関係を指摘している情報もありました。特に太っていないのに二重顎の人ほど、舌やアゴの筋力が衰えている傾向があるのだそうです。
他にもいびきの原因として舌の筋力の衰えが関係している事もあります。しなやかに舌の筋肉が動く状態であれば、睡眠中でも理想的な位置に舌をキープできるのですが、舌の筋肉が衰えて喉の方に落ちてしまうと、呼吸を妨げていびきの原因になってしまいます。
最近は歯科医の中にも積極的に舌の筋肉を鍛える方法を紹介する例が増えていました。成長期の子供だと歯並びにも影響が出る事があるそうなので、積極的に舌を出して刺激する事は、健康の為にも重要なポイントになるのではないでしょうか。
高齢者の試飲に肺炎が多いのも睡眠中の誤飲が多くなるからであり、その時も舌の筋肉の衰えが関係しているので、カラオケなどで大きな声を出す事が舌の筋肉も鍛えられ、誤飲防止に役立つと言われています。
舌の筋肉を鍛える方法
舌の筋肉を鍛える方法について調べてみると、基本的には舌を大きく出す事が有効なようでした。
ベーと下に大きく出すだけでなく、舌を尖がらせるようにすぼめてみたり、左右に出してみたり、鼻先に触れるように持ち上げたり、口の中でも舌を大きく動かす事が有効なようでした。
中でも私が「これは効くなぁ~」と感じたのは、舌を正しい位置である上あご(上の歯の裏辺り)につけたまま口を開く方法です。
これは少し慣れが必要なのですが、かなり舌の筋肉に疲労感があると思います。姿勢を正してから行った方が、やりやすくなりますよ。ちなみにこの方法は舌の裏側の筋肉に刺激があるので、唾液の分泌が促されるそうです。
逆にこれをやりながら背中を丸めて猫背にしてみると、舌の筋肉に妙な違和感が出るのもわかると思います。舌の状態が全身と密接に関係している様子が伝わってきます。
舌の筋肉は一般的な筋トレのように何かを持ち上げて鍛えられるものではないので、いかにスムーズに動かせるようになるかがポイントです。
しなやかに舌を動かせるようになると、普段の呼吸や食べ物を食べた時の咀嚼の質も良くなり、口内環境を正常な状態に保ちやすくなります。
最近は様々な成人病と歯周病の関係性が分かってきましたが、口内環境を悪化させる要因として口呼吸があるように、そのさらに延長線上に舌の筋肉の衰えも関係しているのかも知れません。
普通に生活していると舌を大きく出すような事が滅多にないだけに、あえて舌を大きく出すだけでも、舌の筋肉を刺激するのに十分なトレーニングになってくれます。
舌を出す事は単純に身体の緊張をほぐしてリラックス効果が得られるだけでなく、様々なメリットがあるので覚えておいて損はないのではないでしょうか。自然界の動物も身体がリラックスしている時ほど舌を出しているものです。
まとめ 意識的に舌を動かそう
世の中には口の中でさくらんぼの芯(茎?)を結ぶ事が出来る人もいますが、そのような繊細に舌の筋肉をコントロールをする機会というのは、普通は多くありません。
棒のついたキャンディーやソフトクリームを舌を出してペロペロとなめるような事でもしない限り、積極的に動かす機会はありません。
日頃から大きな声で話す機会が多い人やカラオケが大好きな人であれば、わざわざ舌を出して鍛える必要はないのかも知れませんが、そうではない人は、あえて意識的に舌を動かしてみるのも良いかと思います。
それこそ大きく舌を出すだけでも効果があると思います。身体の緊張状態によって随分と差があるものなので、その差を感じ取れるようになると、意識的にリラックスさせるスイッチとしても機能してくれるのではないでしょうか。
流石に人前では舌を出すべきではありませんが、緊張している時に肩をゆすったり、深呼吸をするような動作の一つとして、大きく舌を出したり動かす事も効果があるので覚えておいてください。
口を閉じたままでも歯の一本一本を撫でるように舌を動かしたり、猿真似のように歯の前に舌を伸ばして動かすような事でも似たような効果があるので、ぜひ試してみてください。唾液もたくさん出てくるので口内環境が良くなる効果も期待できますよ。
もちろん日常的に舌を出して刺激する事もおすすめです。お風呂に入った時や歯磨き前などに、習慣的に大きく舌を出すようにしてみてください。どんどん上達して長く出せるようになっていきます。
ちなみに舌を出す効果について調べていると、なかなか衝撃的なものが見つかりました。
それは下を向いて亡くなった人の舌が、口から長く飛び出るというものです。
この理由は身体の筋肉の緊張が無くなった事で、重力の力だけで出てしまうのだそうです。それも一般の人が長く出すレベルではなく、とんでもない長さになるのだそうです。
私は見た事はありませんが、身体の力が抜けると舌も出しやすい事を表しているのではないでしょうか。
あと舌について調べていてもう一つ面白いと感じたのは、世の中には特殊な整形手術をして、蛇の舌のように先端を二股に分けている人がおり、その別れた舌先を見事にコントロールして左右に大きく開いたり、先端だけをくっつけて輪っかにするような人がいました。
普通の人にはどのような筋肉の使い方なのか想像も出来ないですが、舌の筋肉のコントロール能力というのは、後からいくらでも成長する証でもあるのではないでしょうか。
慢性的に姿勢が悪かったり、口呼吸だったり、いびきをかきやすかったり、身体が緊張しやすかったり、口ごもりやすかったり、頬が垂れてきたり、顎周りの脂肪が気になってきたり、ほうれい線が気になってきた人は、ぜひ日常生活に舌を出す事を取り入れてみてください。
痛みが出るほど無理に舌を出す必要はありませんが、無理なく舌を大きく出せる身体の感覚が分かるようになると思います。ゆっくりと息を吐きながら舌を出すと、そらに一歩長く出ると思います。
舌を出す事は様々なメリットがあるだけでなく、身体の緊張をほぐす事にも使えますし、自分の身体の緊張状態を推し量る目安にもなるので、適度に日常生活に取り入れて味方にしてみてください。お金も一切掛からないので節約的にもおすすめの健康法ですよ!
追記 舌を動かしている人
この記事を書いてから思いついた事なのですが、日常的に積極的に舌を出す機会がありました。
それは男女の営みです。
よく女性は恋をすると綺麗になると言われますが、一般的には女性ホルモンが活性化して女性らしさが増すからだと言われています。
これが間違いだとは言いませんが、もしかしたら大好きな彼との営みによって、舌の筋肉が活性化された事も関係しているのではないでしょうか。
舌を絡めた情熱的なキスや夜の営みの愛撫によって、今まであまり使われていなかった舌や口周りの筋肉が刺激され、頬がシュッとしてきたり、口角が上がって綺麗になったり、全身の筋肉も緊張がほぐれて血行が良くなったりするような事も、もしかしたら関係があるのかも知れません。
もちろん恋をすると女性ホルモンといった要素も大きく関係しているのだとは思いますが、舌を出す効果について調べていると、凄く関係しているようにも感じました。
何歳になっても魅力的な人というのは、このような事も関係しているのかも知れません。たかが舌を出すような事でも、なかなか日常生活ではない事なので、この差は少なくないのではないでしょうか。
誰もが愛し合える素敵なパートナーがいるとは限りませんが、そのような人こそ積極的に舌を出す効果が得られるかも知れません。ほうれい線を予防する為の顔ヨガなどがあるように、顔や口や舌の筋肉の使い方が上手になると綺麗になるかも知れません。
もちろん大切なパートナーを喜ばせる為にも重要なポイントなのかも知れません。私自身も離婚してから色々とご無沙汰なので、未来の為にも頑張って舌を出して刺激しておこうと思います(苦笑)。