唾液の重要性
当ブログでは以前に唾液の分泌が少ない事によるリスクについて紹介したことがあるのですが、
最近になって、ようやく唾液の重要性についてテレビや雑誌などで紹介されるようになりました。これは凄く喜ばしいことです。
東洋医学の世界では昔から唾液の状態について取り上げられる事が多かったのですが、やっと西洋医学観点からも唾液について問題視されるようになってきました。
唾液には様々な役割があるのですが、代表的なものをあげると、
- 虫歯予防
- 口臭予防
- 消化効率の向上
- 飲み込みやすさの向上
などがあるのですが、最近では唾液に様々なホルモンが含まれていることも分かり、メンタルにも強い影響を与えていることも分かってきました。
東洋医学的な説明だと、生命力が優れている若い人ほど唾液の量が多く、年老いて生命力が弱ってくると唾液の分泌も減ってしまうといった感じなのですが、そのような解釈に科学的な根拠が追い付いてきたと感じています。
あまり難しく考える必要はないのですが、ようは唾液の分泌がスムーズに行われないと、様々な弊害が出る可能性があるので、普段から十分な唾液が分泌されているかチェックする習慣をもつ事が大切です。
若かったころと比べて食べ物を飲み込みにくくなったり、口臭が気になるようになったり、喉が乾燥して痛みが出る事が増えてきていないか、日頃から意識してください。
風邪やインフルエンザの予防という意味でも喉の乾燥は大敵なので、空気が乾燥しやすい冬場ほど、唾液の分泌を促すようにしましょう。
そこで今回は唾液が少なくなってきた人に向けて、唾液の分泌を増やす方法を紹介します。ポイントは自分なりの相性の良い方法を見極めることです。
唾液の分泌が減る理由
唾液の分泌を増やす方法を紹介する前に、まず初めに理解しておいてほしいのは、唾液の分泌を増やすことよりも、唾液の分泌が少なくなっている原因と向き合うことが重要だという事です。
強いストレスを感じると口の中が乾燥するものですが、これは身体の防衛本能と関係しています。
昔の人類が強いストレスを感じる時というのは、命の危険を感じた時です。わかりやすいのは猛獣と出会ってしまったような事です。
明らかなピンチに陥ると体は臨戦態勢になります。まずは素早く身体を動かす為に心臓を激しく動かします。血圧をあげてドキドキします。
ただその時に血液がサラサラのままだと、ケガをした時の出血量が増えてしまうので、血液中の水分量を減らして濃度を濃くして流血に備えます。
血液がネバネバになると毛細血管の隅々にまで血液を届けられなくなるので、さらに血圧を上げて勢いを出します。
ここで上手く猛獣を退治したり逃げることが出来ると、身体は安心していつもの状態に戻っていきます。
一方で現代人がストレスを感じる時というのは、仕事や人間関係が中心です。
猛獣と出会った時のように一時的なストレスではなく、長期間によってストレスを受け続けることになってしまいます。
一時的に心臓をバクバクさせたり、血圧を上げることはそれほど身体の負担になりませんが、慢性的にこのような状態でいると血圧が上がったままで疲労も感じやすくなってしまいます。
実はストレスを感じて血液がネバネバになっている時というのは、唾液の水分濃度も下がってネバネバしています。
これも一時的なものであれば直ぐに元の状態の唾液に戻りますが、慢性的にストレスを感じていると常に唾液の濃度が濃くなってしまいます。
唾液の分泌を増やすことも重要なのですが、この慢性的なストレスを失くすことが最も大切だということを理解してください。
食べ物を飲み込みにくいからと常に水を飲みながら食事をしていると、いつまで経っても唾液の分泌が増えることがありません。
仕事や人間関係のトラブルが簡単に解消できるわけではありませんが、それらと向き合ってストレスを減らすことを意識しないと根本的な改善には向かいません。
これは肩こりなどでも同じなのですが、肩をマッサージしてもらうと一時的に症状は和らいでくれますが、肩がこってしまう原因は変わらないような事です。
唾液の分泌も同じで小まめに水を取る事で喉の乾きは言えますが、それは根本的な改善とは関係ない事です。
どうしても精神的なストレスが強い職場であれば、その後の人生の事も考えて転職してしまうのも立派な選択肢です。
このような精神的な理由でも唾液の質に影響がある事を覚えておいてください。この事を無視して唾液を増やそうとしても難しいです。
また口呼吸の人も唾液の分泌が不足する傾向があります。これは単純に口の中に風が送り込まれることになるので、唾液の水分が乾燥しやすくなっているからです。
精神的な強いストレスや口呼吸を改善することなく唾液の分泌を増やしても、あまり効果がないので気をつけてください。
他にも姿勢の悪さが唾液の分泌を阻害することがあります。長時間のデスクワークやスマホの使用で顎が前に出ていると、肩こりや首の痛みが出るものですが、これは血流やリンパの流れが阻害されるからです。
顎が前に出ると顎から首筋にかけての筋肉や皮膚が圧迫されるので、唾液が分泌しにくくなってしまいます。
これらの唾液が少なくなる原因と向き合うことなく、唾液の分泌を増やす方法だけを取り入れても、一時的な効果しかないので気をつけてください。
要は心身共に健康な状態を取り戻す事も考えましょう!という事です。
唾液の分泌を増やす方法
唾液の分泌を増やす方法で有名なのはガムを噛むことでしょうか。これは誰でもイメージできると思います。
他にも酸っぱいものを食べたり、思い浮かべるだけで唾液が出るという人もいます。
さらに口の周りの筋肉をマッサージすることで唾液の分泌を促す方法もありますし、様々な方向に舌を動かすトレーニングも効果的だと言われています。
どの方法で唾液の分泌を促しても良いのですが、自分と相性の良い方法を見つけることがポイントです。
私にとって相性が良い方法だと、声を出して本を朗読(音読)する事です。特に速読のように素早く声を出して読むと、ものすごい量の唾液が分泌します。
ガムを噛む方法といっても、ミント味が苦手な人は歯に良いと言われているキシリトール系ガムでもストレスになってしまいます。
むしろ自分の好きな味や香りのガムを噛んだ方が、ずっとリラックスできるので、結果的に唾液の分泌を促してくれるかもしれません。ガムが苦手ならスルメやホタテの貝柱を噛んだってOKです。
酸っぱいものを思い浮かべても唾液が出ない人であれば、美味しそうなご馳走を思い浮かべた方が効果的かも知れません。
わざわざ口周りのマッサージをしたり、苦手な読書を朗読しなくても、カラオケで気持ちよく歌うことで口の周りの筋肉が刺激されるかも知れません。
鼻歌のように口を閉じながらモゴモゴするものでも、意外と唾液が分泌されるものです。
他にも前歯と上唇の間に舌を入れて猿真似をしたって構いません。舌を積極的に動かすと唾液がたくさん出てきます。
舌を上の方に向けると唾液が分泌される舌の裏側を刺激されます。猿真似は流石に人前では避けた方が良いと思いますが、上の歯の裏側に舌を持ち上げるような事でも近い効果があります。
緊張すると舌が上手くまわなくなる事があるように、舌の動きというのは身体の緊張状態と密接に関係しているものです。
どの方法で唾液の分泌を促しても良いのですが、ポイントはリラックスしながらストレスなく取り入れられる方法を見つける事です。
自分なりに相性が良い方法を見つけられない限り、長続きしないので効果を継続する事が難しくなります。
冒頭で紹介したように強いストレスを感じたままだと、サラサラの唾液が分泌されません。苦手な方法や相性の悪い方法では、逆効果になってしまいます。
人によってはボクサーのようにマウスピースをすることで唾液の分泌が促されるケースがあるのですが、それこそボクサーでもない限り、マウスピースそのものに違和感、ストレスを感じてしまうと意味がありません。
無理なくリラックスしながら続けられる方法を見つける事こそが、最も相性の良い唾液の分泌を促す方法なので、自分なりに色々と試してみてください。
まとめ リラックスこそが本質!
唾液の分泌が少なくなる原因(ストレスや口呼吸)と向き合わずに、唾液の分泌を増やす方法だけを取り入れても効果はあまり期待できません。
食べ物を飲み込むのが辛いからと常に水を飲みながら食事をしていると、いつまで経っても唾液の分泌は促されません。
ストレスは簡単に解消できるものではありませんが、せめて食事の時だけでもリラックスするように心掛けてください。
人によっては好きな音楽を聴く事で身体がリラックスし、結果的に唾液の分泌を増やすことになるかも知れません。
もちろん食べ物を飲み込むのが辛いのを我慢してまで、食事中に水を飲むなと言いたいのではありません。
ここは間違えないでください。
ドライアイで困っている人が眼科医で処方された目薬で対策するのが悪いのではなく、同時進行で目が疲れやすい環境や生活習慣を改めていくような事です。
あくまでも自分なりにリラックスすることを心がけてください。その上で無理なく行える唾液の分泌を増やす方法を試してほしいと思います。
ちょっと極端な例を出しますが、クラスで孤立している生徒は教室でお弁当を食べるよりも、トイレの個室で一人で食べた方がリラックスできるような事です。
不良なら校舎の屋上かも知れませんし、責任感のあるクラス委員なら教室中を見渡せる位置が最も落ち着くのかも知れません。
もちろん仲の良い友達といっしょに食べるのが、一番リラックスできるという生徒もいると思います。
どれが正しいのかではなく、本人がリラックスできることが大切です。テレビや雑誌で専門家が紹介している方法でも、相性が悪いと意味がありません。
クラスで孤立している生徒に対して、先生が無理やり他のグループの中に入れて食事をさせてしまうと、本人は緊張して食事が喉を通らなくなるかも知れません。
あくまでも自分自身が最もリラックスできる環境に身を置くことが、唾液の分泌を増やすことにつながります。これを忘れないでください。
唾液の分泌を促す方法というと、意外とこの視点が欠けている事が多いのですが、本当に重要なポイントなので意識してほしいと思います。
慣れない高級レストランに連れていかれると、緊張して食事の味がわからなくなってしまうかも知れません。逆にお嬢様育ちの女性を牛丼屋に連れていくと、食券のシステムや直ぐに料理が出来てしまうことに戸惑うのかも知れません。
たまにこんな刺激を受けるのは人生の良い経験になりますが、常に緊張が強いられる環境に身を置いているという状況というのは、常に猛獣を警戒しているようなことなので、サラサラの唾液が分泌されることは難しいです。
これが唾液の分泌を増やすには、自分なりに相性が良い方法を見つけるのが一番という意味です。
今回紹介した方法の他にも様々な方法があると思いますが、自分がリラックスしながら取り入れられるものを上手に選んでください。
子供にとってはキャラクターグッズの弁当箱や箸のおかげでリラックスできるかも知れません。日頃から自分の口の中の状態を意識し、唾液の状態を察知できるようになってほしいと思います。
追記
別のところでも紹介したのですが、少量の水を口の中で激しくクチュクチュと動かす方法を行うと、その後に唾液がたくさん出てきました。
おそらくこれも唾液の分泌を促す為のマッサージと同じような効果があるので、ぜひ試してみてください。普段なかなか使われない筋肉の使い方になるので、想像以上にアゴや舌の筋肉が疲れるものですよ。
肩こり対策などでも同じなのですが、外部からのマッサージよりも自発的に筋肉を動かした方が効果的な事が多いので、かなりお勧めの方法ですよ!
コメント
声を出して本を読んでみたら本当に唾液がいっぱい出てきました。
日常生活であまり長く話す機会がないせいか、かなり効果的で驚きました。
by 匿名
口呼吸を改善するのが一番じゃね?
口をポカンと開けてスマホゲームに熱中しているのが問題だよ
by 匿名