洋服のシワの原因
衣替えで久しぶりに取り出した洋服がシワシワで困った経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
洋服のシワを取る為だけに洗濯をしなおしたり、アイロンをかけることはとても面倒です。
洋服にシワができてしまう原因は、大きく分けると3つあります。
- 洗濯
- 保管(畳み)
- 着用
これらの洋服のシワの原因を全て避けることは難しいのですが、工夫次第で減らす事は可能です。
洗濯時に出来る洋服のシワであれば、脱水前に洋服の袖や裾の絡まりを解いてあげると、かなりシワは減ってくれます。脱水の効率も良くなるので乾燥も早くなりますし、縦型の洗濯機であればテニスボールやランドリーボールを入れてあげるだけで、絡まりを抑える事もできます。
洋服の保管時にできる畳みシワは、洋服の数を絞ることで回避できます。全てハンガーにかけて収納できる枚数に管理できると、そもそも畳む必要がなくなります。
着用時のシワを避けるのは難しいのですが、帰宅した時に直ぐに部屋着に着替える事で、ある程度は回避できます。自宅の中というのはリラックスできるだけに、横になって洋服の生地が擦れてしまうので、外出時よりもシワになりやすいという特徴があります。
これらのようにちょっとした工夫を取り入れる事で、洋服のシワを抑える事ができるのですが、洋服のシワというのは生地の種類によっても随分と差があるので、この視点を頭に入れて選ぶようになると、格段に管理が楽になります。
そこで今回はシワになりにくい洋服を選ぶ3つのポイントを紹介します。洋
1 洋服の生地の素材
洋服のシワは生地の素材によって大きく左右されます。
ポリエステルのような化学繊維は糸の太さや長さが均一で伸縮性もないので、あまりシワが出来ないのですが、それらがまばらな天然の繊維ほどシワが出来やすい傾向があります。
伸縮性は生地の織り方によっても変わります。金属はバネにすると伸びますが、ゴムのように金属そのものが伸びるわけではないように、全く同じ素材でも生地の織り方によってもシワの出来やすさが変わります。
ここがシワになりにくい洋服選びで難しいポイントになるのですが、特定の生地だけを指して「シワが出来にくい!」と決めつける事が出来ません。
多くの洋服の生地に使用されている綿(コットン)も、生地の織り方によってシワの出来やすさが全然違います。綿100%の生地でもTシャツとポロシャツとワイシャツではシワの出来やすさが全然違うよに、同じような特性を持つ繊維でも生地の織り方によってシワの出来やすさに差があります。
一般的にはポリエステルのような化学繊維の洋服はシワが出来にくい傾向があるのですが、それでも長時間同じような姿勢でいると、体温と汗の影響で低温アイロンを掛け続けられたような状態になり、元には戻らない大きなシワになってしまう事があります。
ポリエステル100%の生地についてしまった頑固なシワは、アイロンをかけてもクリーニングに出しても元に戻らない事があるので、必ずしも万能だとは言えません。
シワになりにくい洋服の生地に正解があるわけではないのですが、現在所有している洋服の中でもシワの出やすさに差があると思うので、シワになりにくい洋服の生地の素材や織り方や質感を覚えておくと、今後洋服を購入するときの参考になります。
人それぞれ生活スタイルが違うので、シワが出来てしまう要因も違います。あくまでも相性の問題なので、手持ちの洋服の中からシワになりにくい特徴を知る事が大切です。
形状記憶やノンアイロンといった特徴がある生地を選ぶのも悪くないのですが、化学繊維は体質によってアレルギー反応が出たり、汗との相性が悪いと悪臭の原因となってしまう事もあるので、一概に正解だとも言い切れません。
私自身もそうなのですが、ポリエステルの靴下を履くと直ぐに臭くなってしまいますし、ワキガ体質な事もあってシャツに化学繊維が含まれていると臭くなってしまいます。
シワになりにくい洋服の生地で見た目の印象が良くなっても、悪臭の原因となってしまうと清潔感など維持できません。
あくまでも相性の問題なので、手持ちの洋服と向き合って相性が良いタイプを見極める事がポイントです。
他にも生地のカラーや柄によってもシワの印象は変わります。これはシワが出来にくいという事ではなく、シワが目立ちやすいかどうかという意味です。
誰でも好みのカラーや柄があるとは思いますが、それほどこだわりがない場合はシワが目立たないカラーや柄を選ぶ事で清潔感を維持しやすくなります。
2 サイズ合わせ
洋服を着用している時にできるシワの原因の多くは、洋服のサイズが大き過ぎるからです。
もちろん姿勢の悪さや行動なども影響しますが、そもそも洋服のサイズが大き過ぎるとそれだけ生地が余ってしまうので、黙っていてもシワがよってしまいます。
身体にフィットしたサイズのTシャツを着るとシワが出来ないように、洋服のサイズ合わせが適当だと、それだけシワの問題も出てきてしまいます。
あえて大きめのサイズの洋服を選んで体型を目立たせたくない人もいると思いますが、安易に体型を隠そうと大き過ぎるサイズを選んでしまうと、必要以上にシワが増えてしまい、より体型を強調してしまう事は珍しくありません。
小柄な人がサイズの大きな洋服を着ると、シワが増えてより小柄さが強調されるような事です。子供であれば可愛げもありますが、成人した人がそのような恰好をしていると、ただただシワが増えて残念な印象になってしまいます。
特に男性は洋服を試着しないで選ぶ人が多いだけに、大き過ぎるサイズになってシワが増えている人が多いので気をつけてください。
どんなにシワが出来にくい生地を選んでも、余分な生地があればシワがよってしまいますし、アイロンがけをする手間がないとしても、最も大切な着用時の印象が悪くなってしまいます。
オーバーサイズの着こなしといったオシャレもありますが、ああいった変化球のオシャレはスタイルの良い美人やイケメンでもない限り似合うものではないので、一般の人にとって有効だとは限りません。
あえてやっている感が伝わらないと、ただただズボラな印象になってしまうので、きちんと洋服のサイズ合わせをした方が、余計なシワも出ずに清潔感が出るようになります。
本当に多くの人が適当に大き過ぎるサイズの洋服を選んでしまっています。「大は小を兼ねる」とは言いますが、大き過ぎる洋服は見た目のシワが増えるだけではなく、生地の重さも加わるので疲れの原因にもなってしまいます。
さらに細かな事を言えば洗濯の量も増えてしまいますし、収納スペースも圧迫してしまうので、そこでもシワの要因となってしまいます。
洋服のサイズは「165~175cm」のように、かなり幅広い層の人が着られるように設定されています。靴は5mm刻みで細かく分かれていますが、洋服のサイズは結構大雑把です。
中肉中背の175cmの人にピタリと合う洋服が、165cmの人にピタリと合う可能性は限りなく少ないです。よほど恰幅がよくなければダボダボになってしまいます。この大きすぎるサイズを改めるだけで洋服は各段に似合うようになり、余計なシワもつかなくなります。
メーカーによっても洋服のサイズは微妙に違うので、
「俺はMサイズだから」
と決めつけて試着をしないで選んでしまうと、微妙なサイズ感になってしまうので気をつけてください。それこそ手持ちの洋服の中でもフィットするものと、そうでもないものがあるように、生地の素材による違いだけでなく、メーカー側の洋服のシルエットの違いもあるので、手持ちの洋服と向き合って相性が良い洋服を見つける事がポイントになります。
どんなに有名なブランドや高級ブランドのTシャツでも、サイズが合わないものは似合いません。ブランドのロゴマークで判断するのではなく、自分の体型に合う洋服を選ぶのがポイントです。
洋服のシワが少なくなるだけではなく、格段に洋服も似合うようになるので魅力もアップしますよ。
ズボンの裾合わせのようなちょっとした事でも、見た目の印象は大きく変わりますし、余計なシワも少なくなって清潔感が出るようになります。
成長期の子供であれば、少し大きめのサイズを選ぶのは仕方がありませんが、その感覚のまま大人になっても大きめのサイズを選んでしまっている人が少なくないので、改めてしっかりとサイズを合わせるように意識してください。
これは私自身にも当てはまっていた事なのですが、子供の頃は靴を買い替える度に大きめのサイズを選んでいたので、成長がほとんど止まった高校生になっても大きいサイズを選んでしまい、現在の私は26cmの靴がピタリと合うのですが、20代前半まで28cmの靴を履いていました。
そこに疑問をもつ事すらなかったので、28cmで合っていると思っていたのですが、革靴のように伸縮性が無くてフィットしにくい靴だと、明らかにダボついて歩きにくくなってしまい、きちんとサイズを合わせてみると26cmで十分でした。
フィットしていない重たい靴ではまともに歩く事もできませんし、シワも大きく刻まれてしまいます。スニーカーだと靴紐をギュッと結べば何とかなるのですが、だからといって履き心地が良いわけでもなく重みも増しているので、何も良い事はありません。
洋服も同じで中途半端に大きめのサイズを選んでしまっていると、着用時に余計なシワが増えるだけでなく、様々なデメリットがあるので気をつけてほしいと思います。
意外と洋服のシワ対策として取り上げられていないポイントなので意識してみてください。
3 洗濯方法
洗濯時につく洋服のシワを抑えるには冒頭でも紹介したように、脱水前の一手間がポイントになります。
特に縦型の洗濯機は様々な洋服が絡み合った状態で脱水されるので、最後の脱水の前に洗濯機を止め、洋服の袖や裾の絡みをほどくだけで、かなりのシワを抑えることができます。
脱水の効率も良くなりますし、取り出して干すときも絡まっていないので素早く干す事につながります。
これも大きなメリットなのですが、脱水後に放置される時間が長くなるほどシワも深くなっていくので、シワが残りやすい洋服ほどパッと取り出して素早く干してあげるのがポイントです。
この時に洋服を持ち変えながら様々な向きに振ってあげると、細かな水分が飛んで乾燥が早くなり、脱水によって潰れてしまった繊維が起き上がってくれるので、細かなシワも残りにくくなります。
そしてきちんとしたハンガーにかけることも大切です。針金ハンガーだと厚みのある洋服の乾燥が遅くなるだけでなく、シワの原因になってしまいます。
全ての洋服に合わせてハンガーを用意するのは大変ですが、シワになりやすい洋服や大切な洋服用に何本が厚みのあるハンガーを使用してください。
100円ショップにも売られているので、肩幅が合う厚みのあるハンガーを何本かは用意しておきましょう。
ちなみに形状記憶加工がされているシャツなどは、全く脱水をしないで濡れたまま干すことが推奨されているケースがあります。洋服に含まれている水分の重みでシワが伸びてくれます。
お風呂場や屋外に干せるのであれば、そのような方法でシワを防ぐことが可能です。ただ梅雨時などは洋服が乾燥するのに時間が掛かってしまい、生乾き臭が発生してしまいやすいので気をつけてください。
洗濯時による洋服のシワは柔軟剤などでも抑えられる事もあり、NHKのガッテンでもヨレヨレになってしまった洋服を復活させるテクニックとして、濃度の高い柔軟剤に浸す方法が紹介されていたのですが、肌着や下着やTシャツだと肌荒れの原因となる事もあるので気をつけてください。
シャツの上に着る上着であれば、濃い目の柔軟剤に浸して繊維をコーティングする事でシワも良くなるケースがあるのだとは思いますが、とんでもなく匂いが強烈になってしまうので、匂いを抜く期間も想定しないと実用的ではないと思います。
洗濯時にできる洋服のシワは、最後の脱水前に洋服の絡まりを軽くほどいてあげるだけで随分と変わるので意識してみてください。
おまけ シワ 加工
最後はおまけで、あえて「洋服のシワを活かす方法」を紹介します。
シワを活かす着こなしでわかりやすいのはデニム生地です。
全くシワのない新品のジーパンは味気がないものです。シワや擦り切れや色落ちが味になってくれるタイプの洋服なので、わざわざアイロンをかける必要はありません。
また麻(リネン)のシャツなども同様です。洗いざらしのシワがいい味になってくれます。わざわざシワをキープする為に、脱水後に雑巾のように絞ってしばらく放置する人もいるほどです。
これらのようにシワを味方にする着こなしを選ぶのも一つの選択肢です。
ただしシワ加工は一歩間違えると清潔感が失われてしまいます。肌や髪が若々しい人には似合いますが、ある程度の年齢の人が着ると一気に清潔感が失われてしまいます。
これはオーバーサイズのオシャレと似ているのですが、あえてやっている感が伝わらないといけないので、靴や髪型などその他のポイントを綺麗にまとめないと、ただただ不潔な印象になってしまう事もあります。
シワが多い麻のシャツにダメージジーンズや古ぼけたスニーカーを合わせても良いのは、スタイルや容姿の良い若者だけであり、誰にでも通用するオシャレではありません。
もちろんある程度の年齢の人でも、その他のポイントを綺麗にまとめてあげれば、オシャレとして認識されるのですが、年齢を重ねるほどに難しいオシャレなので、安易には取り入れない方が良いかと思います。
まとめ 手持ちの洋服と向き合おう
洋服のシワを完全に失くすことはできませんが、なるべくシワが付かないように工夫をすることは可能です。
シワになりにくい生地の洋服を選び、しっかりとサイズを合わせ、適切な洗濯方法でシワを抑える事で、清潔感がアップしてくれます。
手持ちの洋服の中にもアイロンをかけなくても良い洋服があると思います。そのような洋服の素材や特徴と向き合う事で、シワになりにくい洋服の基準が理解できるので、まずはしっかりと手持ちの洋服と向き合ってみてください。節約という意味でも大切なポイントです。
私が所有している洋服でいうと、冬場はフランネルやコーデュロイの生地のシャツを着ています。洗濯してもほとんどシワにならなず、サイズが合っていれば着用時にもシワがでません。
夏場はポロシャツを着る事が多いです。Tシャツの生地の多くは平編みなので、それなりの価格がする品質が良いものでないと、見た目の風合いや耐久性といった要素がイマイチなのですが、ポロシャツは鹿の子という生地は立体的に編み上げているので、価格が安い良い品質でない物でも見た目の風合いが悪くなく、耐久性もあってシワも出来にくい特徴があります。
1000円の白いTシャツと5000円の白いTシャツを見比べると、明らかに違いが分かるのですが、鹿の子のポロシャツだとそこまでの違いがないだけに、コスパが良い洋服だと感じています。
あと洋服のシワが目立たない柄やカラーも意識してみてください。白いシャツほど襟の黒ずみや脇汗の黄ばみといったものが目立ちやすいように、生地の色や柄によっても見た目の印象は変わるものです。
清潔感というのは、実際に清潔である事も大事なのですが、清潔そうに見える事も大事なポイントになるので、シワが出来にくい洋服や汚れが目立たないといった視点も意識してください。
調理場や医療現場のように実際に清潔である事が重要な場であれば、むしろ汚れが目立ちやすい明るいカラーを選ぶ事で、いちはやく汚れに気づく事で着替える事ができるのですが、一般の人だと実際に清潔である事よりも、見た目の印象の方が清潔感を左右する事が多いものです。
もちろん実際に清潔である事も大切なのですが、シワが目立たない洋服のように清潔に見える事も大切なので、今回紹介したシワになりにくい洋服選びを参考にしてみてください。あくまでも自分の生活スタイルと相性が良い物が適しているので、まずは手持ちの洋服と向き合って相性が良い洋服の基準を理解しましょう。
手持ちの洋服を整理しない事には、新たにシワになりにくい洋服を購入しても上手く管理できません。収納スペースに余裕がないと小さく畳むような事になってしまいます。
このような畳み方のせいで頑固なシワが出来てしまう事もありますし、衣替えで長期間放置されてしまうと、折り目の生地が色褪せてしまう事もあります。
だからこそ手持ちの洋服を向き合う事が何よりも大切です。洗濯のしやすさも含めて相性が悪い洋服を整理する事にもなり、相性の良い洋服を受け入れる準備を整える事にもなります。
洋服の好みは人それぞれですが、高価な天然生地の洋服だとメンテナンスが難しかったり、クリーニング費用が必要になるケースもあるので、節約家の皆さんは洗濯のしやすさやシワになりにくいといった基準も含めて意識してみてください。
オシャレが大好きな人であれば、そのような手間や費用を掛けてでも好きな洋服を選んだ方が満足するのだとは思いますが、そうでもない人が中途半端に取り入れてしまうと、上手くメンテナンスできずにせっかくの良さも活かせないで気をつけてほしいと思います。
オシャレ着洗い用の専用洗剤が必要だったり、優しく手洗いをしなければならに洋服が無くなると、洗濯洗剤を使い分けるような手間も無くなり、日々の洗濯が格段に楽になって節約にもなってくれます。
今すぐ手持ちの洋服をシワが出来にくいものに買い替える必要はありませんが、手持ちの洋服の中からでもシワの出来にくいものや目立ちにくいものがあると思うので、それらと向き合って特徴を理解しましょう。
自分なりに相性が良い洋服の基準が構築されると、お得なセール価格に惑わされて相性が悪い洋服を選ぶような事もなくなるので、日々のメンテナンスも格段に楽になり、クローゼットの中がお気に入りの洋服ばかりになっていきますよ。
コメント
そうなんだよね、背伸びしてオシャレな洋服を買っても良い状態を維持できなくて直ぐに使い物にならなくなる
by 匿名
サイズ合わせと洗濯のしやすさという点は勉強になったけど皺にならない生地の情報が全然ないじゃんw
by 匿名