調味料の節約は難しい?
節約家のみなさんは調味料の質を意識したことがあるでしょうか?
どんなに高価な食材や旬の食材を手に入れても、調味料が悪いと台無しになってしまいますし、逆に仕上げのスパイスのおかげでグッと料理のレベルを引き上げてくれることもあるものです。
価格の安いお肉でも生姜などに漬けておくことで臭みや硬さが和らぐような事があるように、調味料を上手く活用する事で美味しくなる事は珍しくありません。
お気に入りの調味料を安く購入することは上手な節約ですが、価格を優先して調味料の質を落としてしまうと、せっかくの食材の良さを引き出せずに無駄にしてしまう事もあります。
食材の美味しさは価格なりに左右する要素が多いですが、やはり調味料の質も価格なりに左右します。
ただ大きく違うのは、一度で使用する量が大きく違う事です。
普段購入している調味料より質の良いものを100円多く出して購入したとしても、一度で使用する量で考えると数円程度の違いしかありません。
食材は一度で使い切ってしまう事が多いだけに、100円の差がそのまま出てしまいますが、調味料に限っていうと数円の違いだけで料理のレベルを左右する事になります。
100円の節約の為に安い調味料を選んでしまうと、あらゆる料理のレベルを引き下げることになってしまい、300円の食材のレベルを200円程度にまで下げてしまうかも知れません。
調味料の節約は質を考えないと、トータルで大きく損をしてしまう事があるので気をつける必要があります。多くの調味料にはお徳用サイズが売られていますが、これも劣化して質が下がってしまうので、結果的に損してしまうかも知れません。
料理の質を左右する調味料
料理番組やレシピ本などでは、調味料の質についてはあまり触れられていません。
- 砂糖 大さじ1
- 塩 大さじ1
- 酢 大さじ1
- 味噌 小さじ1
- 醤油 小さじ1
のような調味料のレシピの場合、きちんと分量を測っても調味料の質で味に差が出るのは当然のことです。
特に醤油や味噌は地域によって様々なタイプに分かれているので、料理との相性にも大きく差が出ます。
「おふくろの味」というのは、まさに調味料の違いが大きいものです。
調味料として使うお酒も、料理酒を使用する人もいれば、お父さんの日本酒を拝借する奥さんもいると思います。日本酒の味も甘口から辛口まで様々あるので、料理の質に大きく影響を与えてしまいます。
みりんも本格的なみりんと「みりん風調味料」では、やはり質に違いがあるものです。これらのように質の低い調味料を使用していると、せっかくの食材を活かすことができなくなってしまいます。
そして調味料の質として意外と見落とされてしまうのが「塩」です。
塩は高価なものほど天然を謳っており、独特の苦味や風味があります。食塩のように塩化ナトリウム99%のような物であれば、可もなく不可もなしといった感じなのですが、こだわりのある塩ほど良くも悪くも旨味や雑味があるので、料理によっては相性の良しあしが出てきてしまいます。
現在の私が愛用している塩の成分表を確認してみると、100g辺り塩化ナトリウムは88.9gとあり、約11gもの不純物(ミネラル成分)が含まれていました。
私は塩からもミネラル成分を摂取したいので良いのですが、このような天然の塩をお菓子やパンなどに使用してしまうと質を下げてしまう事があります。
もちろん和食のような料理だと、これらの雑味によって味に深みが出るような事もあるのですが、あくまでも相性の問題なので調味料の質は軽視するべきではありません。
これらのように全く同じレシピで作った料理でも、調味料の質によって味は大きく左右されます。
よくカレーの隠し味としてケチャップやソースやヨーグルトを入れるようなテクニックがありますが、それらの甘みや酸味はメーカーによって随分と差があるものなので、相性が悪いと質を下げてしまいます。
価格の安いシンプルな砂糖や塩ほど余計な成分がないだけに、しっかりと分量を計れば邪魔になるものではないのですが、醤油や味噌やソースなどはメーカーによって随分と差があるので、安易に価格の安い物を選んでしまわなぬよう気をつける必要があります。
もちろん好みや相性が良ければ問題ないのですが、調味料は一度で使い切るものでもないので、試しに安い物を選んでしまうと、しばらく料理のレベルを下げ続ける事になってしまうので、あまり冒険しない方が良いかと思います。
お徳用サイズのリスク
また調味料を節約するために、お徳用のサイズを選ぶことにもリスクがあります。
飲食店のように大量に調味料を使用するのであれば別ですが、一般家庭や一人暮らしの人が安易にお徳用サイズの調味料を選んでしまうと、どうしても鮮度が落ちて劣化してしまいます。
これは調味料に限った事ではないですが、基本的に食品の鮮度は開封をして空気に触れた途端から始まってしまうので、過度なまとめ買いやお得用サイズを選んでしまうと、質の良い物でも劣化してレベルを下げる要因となってしまいます。
たとえ消費期限内だったとしても、開封後は徐々に酸化して質が落ちてしまうので、容量の多いお徳用サイズの調味料というのは、結果的に質の悪い調味料を購入したことになってしまいます。
高価な美味しい醤油でも一升瓶で購入してしまうと、最後の方には劣化して風味が落ちてしまい、200円ぐらいの密封ボトルの醤油より質が低くなってしまうかも知れません。
最近はコストコや業務用スーパーのようなところが人気のようですが、調味料に限っていえば、よほど大家族でもない限り相性が良くありません。
小分けサイズの調味料もあり
お得用サイズとは逆に、一度で使い切る小分けパックの調味料も売られています。これもその調味料の使用頻度によっては、ベストな選択になってくれるかも知れません。
節約という意味では割高な選択肢になってしまいますが、調味料の鮮度のことを考えるとメリットが多いものです。たまにしかマヨネーズを使用しない家庭であれば、小さなサイズの物や小分けパックの物を選んだ方が劣化の問題を避けられます。
これはインスタントコーヒーの質で考えると分かりやすいかも知れません。
開封後に空気に触れたインスタントコーヒーは、どんどん風味が落ちて質が下がってしまうのですが、休日ぐらいにしか飲まない家庭であれば、スティックタイプのように小分けにされた物を選んだ方が劣化に悩まされません。
数年前からインスタントコーヒー専用のマシーンなどが人気のようですが、あれも大抵は小分けパックのポーションが用いられているからこそ、風味豊かで美味しいという特徴があります。
通常のインスタントコーヒーでも、開封して間もない頃は香りがたって美味しいものですが、開封後は徐々に風味が失われてしまうので、一月も経つとかなり質が下がってしまいます。頻繁に飲む家庭でなければ、あえて割高の小分けパックを選んだ方が美味しくいただけるものです。
調味料も同じです。たまにしか使わないような調味料であれば、あえて小さなサイズや小分けパックを選んだ方が、結果的に食材の良さを引き出す事が可能です。
高価な食材の劣化した調味料を組み合わせるより、少し安価な食材に鮮度の良い調味料を組み合わせた方が、料理のレベルが高いような事も珍しくありません。
調味料の使用頻度は家庭によって随分と違うので、一概のどれぐらいのサイズが良いとは言えませんが、節約の為にと欲張って大きなサイズを選んでしまうと、肝心の料理のレベルを下げてしまうので気をつけましょう。
まとめ 高品質な不純物
塩や砂糖には賞味期限が設定されていません。長期保存をしても品質の劣化が少ない調味料なので、この二つに限っていえば、まとめ買いやお得用サイズを選んでも悪くはないのですが、それでも水分を含んでドロドロになってしまったり、虫が混入してしまうような事もあるので、あまり極端な事はしない方が良いかと思います。
詰め替える際にホコリやゴミが入る可能性もありますし、業務用のように極端に大きなサイズを選んでしまうと、スペースも奪われてしまいます。塩や砂糖以外の調味料には賞味期限があるので尚更です。
調味料は一度で使用する量が多くないだけに、購入時に100円節約できたとしても質が低い物や劣化しやすい物だと、そのデメリットばかりがのしかかってくるので気をつけてください。
もちろん品質の良い調味料や好きな調味料を安いお店で購入するのは上手な節約なので、そこれは分けて考えてください。短期間で使い切れる量を見極めて適切なサイズを選びましょう。
せっかくスーパーで旬の食材をお得な価格でゲットできたとしても、調味料の質が悪かったり劣化して鮮度が落ちていると、食材の良さを引き出せないので元も子もありません。
逆にいつもの食材でも調味料の質が上がると、グッと料理全体のレベルが上がってくれるかも知れません。ちょっと価格の高い良い食材を選んでも、そのメリットはその時だけですが、たまにしか購入しない調味料に予算を掛けると、その効果が長く持続してくれるので、結果的に節約につながるのではないでしょうか。
私自身も実感しているのですが、胡椒が好きな私はペッパーミルを手に入れた事で抜群に香りが良くなり、様々な料理の質が向上してくれて感動しました。
粒胡椒は粉末の胡椒よりも割高なので、節約という意味では損してしまうのですが、一度に使用する量などしれていますし、おそらく価格差は1円程度にしかなりません。
他にも七味唐辛子も同じような物を手に入れました。
これはハウス食品からしか販売されていないので、格安の七味唐辛子と比べると3倍ぐらい割高になってしまうのですが、これも一度に僅かしか使わないので、0.5円が1.5円になる程度の事であり、たった1円で料理のレベルを引き上げてくれます。
一方でプライベートブランドのケチャップ(98円)を購入した時は大失敗でした。酸味が強過ぎて期待していた味では無かったので、しばらくイヤイヤ使う事になってしまいました。
もちろん酸味が強いケチャップを求めている人にとっては悪い選択肢ではありませんが、質の悪い調味料はその後もしばらく引きずってしまうだけに、デメリットも大きいのではないでしょうか。食材のようにその時だけの失敗で済まされません。
食材の質は1円程度で向上するものではないですが、質の良い調味料はたった1円程度の違いでも大きく料理の質を左右するので、あまり極端な節約はしない方が良いかと思います。
家族が多い家庭であればお得用サイズを選んだ方が節約になるかも知れませんが、そうではない場合は短期間で使い切れる量を選んだ方が、結果的に料理のレベルを下がるリスクを避けられるので、上手く選んでみてください。
もちろん質の高い調味料やお気に入りの調味料を格安で購入する事は上手な節約なので、そこは分けて考えてください。ただセール品の中には賞味期限が短いものもあるので、そこも気をつけてください。
コメント
私の場合は塩を少し良いものに変えたら、劇的に料理の質が上がりました。それまではスーパーで一番安い塩を使っていました。調味料は大事ですね。
by さこ
醤油や味噌もそうだけど、ケチャップもメーカーによってかなり味が違う気がします
安いケチャップは雑な苦みや酸味が多くて使いづらいです
あとはチューブのわさびかな、100円しないのと300円ぐらいのだと全然違う
たいした量を使うわけでないからケチると損ですよね
by ものか
これは同意です。プライベートブランドの調味料でも良いものがありますが、イマイチな物も多いです。容量が大きい物が多いだけに失敗すると後を引きずるので避けています。コショウと七味は我が家でもよく使うので参考にさせていただきますね♪
by 匿名