インスタントコーヒーの魅力!
一般的にインスタントコーヒーはドリップコーヒーに比べて味が落ちると言われてしますが、そもそもインスタントコーヒーは、ドリップしたコーヒーを熱風で乾燥させて粉末にして作られるものなので、成分に大きな違いがあるわけではありません。
基本的には同じものですが、インスタントコーヒーはどうしても時間が経っているので、風味が弱くなる傾向があります。
この風味を損ねない事こそ、インスタントコーヒーを美味しく淹れるポイントになります。
インスタントコーヒーは手軽で便利な商品です。ドリップコーヒーよりも洗い物を減らせますし、余計なゴミも出しません。コスト的にも優れているので、美味しく淹れる事で時間やお金を節約することができます。
そこで今回はインスタントコーヒーを美味しく淹れる方法を紹介します。ちょっとした工夫で風味が良くなってくれますよ。
インスタントコーヒーを美味しく淹れる方法
1 蓋の閉じ方
インスタントコーヒーに限らず、あらゆる食品は空気(酸素)に触れると酸化していきます。なので多くの商品は製造過程で容器に窒素を封入し、酸素があまり触れないように工夫しています。
ポテトチップスの袋がパンパンなのは、商品が割れない為でもあるのですが、酸化を防止するために窒素が閉じ込められているからです。
一度でも開封してしまうと窒素は逃げて酸素が入り込んでしまい、食品によっては空気中の湿気の影響も受けてしまうので、「開封後はなるべく早くお召し上がりください」という表示があります。
これはインスタントコーヒーでも同じであり、蓋を開けている時間はなるべく少なくなるように意識し、しっかりと蓋をするようにしてください。
誰でも蓋ぐらいしているとは思いますが、蓋の密閉率が低いと空気が漏れて風味も失われてしまうので、適当に緩く蓋をしめない事が大切です。
メーカー側もこの辺の事を重要に考えているので、少し高価なインスタントコーヒーだと蓋の構造が違います。丸い蓋だと最後までしっかりと締めないで隙間が出来てしまうのですが、カチッと収まる四角い蓋だと閉め忘れや緩くなってしまう事を防ぐ事ができます。
価格の安いインスタントコーヒーの蓋ほど、ギュッと蓋をする事を意識してください。
そしてこの蓋の密閉率を高める方法として意見が分かれるのが、インスタントコーヒーの容器の内蓋の剥がし方です。
フィルムタイプの内蓋だと綺麗に剥がせるので問題ないのですが、紙の内蓋だと剥がし方によって段差が出来てしまい、密閉率が低くなってしまいます。
この対策として二つの方法があり、インスタントコーヒーを販売しているメーカーによっては、ペーパーナイフなどを使って紙の内蓋を綺麗に剥がす方法を推奨しているケースがあります。
一方であえて内蓋の紙を剥がさない事で容器の縁の段差を失くし、蓋の密閉率を高める方法もあります。この画像のように容器の縁の紙を残す事で、蓋との接地面が均一になって密閉率を高める事ができます。
どちらの方法でも良いのですが、瓶の縁に中途半端に紙が残って段差になっているのが一番の問題なので気をつけてください。
これがインスタントコーヒーの内蓋の剥がし方で意見が分かれる理由です。
個人的には紙の内蓋を綺麗に剥がす事は難しいと感じるので、縁の紙は剥がさずに残した方が良いかと思います。綺麗に剥がす事にこだわるあまりにも紙のカスが中に落ちてしまうかも知れません。
高価なインスタントコーヒーほど蓋の構造がしっかりとしているように、それだけ風味を左右するという事なので意識してみてください。
多くのインスタントコーヒーの蓋の裏側に厚みのある紙が貼られているのも、紙の弾力によって容器との隙間を埋めて密閉率を高める為です。
最近は詰め替えパックのインスタントコーヒーも売られており、節約という意味では効果的ではあるのですが、蓋側の紙の事を考えると、あまり長期間は同じ容器を使用しない方が良いかも知れません。
インスタントコーヒーの味を左右する風味を損ねない為には、蓋のしめ方が凄く重要なポイントなので意識してください。蓋を開けっぱなしにする時間が長いほど劣化も進むので、パッと短時間で済ませましょう。
2 お湯の温度
コーヒーに限った事ではないのですが、基本的に香りの成分は熱で飛ばされやすい傾向があります。ダシの風味を大切にする料亭では、ダシを取る時にお湯を沸騰させませんし、香りが重要な味噌を入れてから煮込むような事もしません。
細かく温度管理をする事で、料理の味を左右する香りを活かすようにしています。
インスタントコーヒーの香りも同じで、熱湯で注いでしまうとせっかくの風味が損なわれてしまいます。コーヒー専用のポットの先端が細くなっているのは、沸騰した熱湯の温度を下げるためです。
なので一般的なヤカンや電気ケトルでインスタントコーヒーを淹れる場合は、沸騰後に蓋を開けて1分ぐらい冷ましてください。
インスタントコーヒーを美味しく淹れられるお湯の温度は、80℃から90℃の間ぐらいと言われています。
よく美味しいコーヒーを淹れる方法として、コーヒーカップを予め温めておく方法がありますが、あれは美味しくコーヒーを抽出する為の温度が少し低いからこそ、冷めないようにカップを温める意味があります。
香りが強い紅茶を淹れる時だと、細かく挽いたコーヒー豆よりも茶葉が大きいだけに、なるべく高い温度で紅茶の成分をたくさん抽出した方が美味しくなるので、ソーサーなどで蓋をしてお湯が冷めないように工夫するのが良いのですが、
コーヒーは紅茶ほど香りが強くないだけに、少し冷ましたお湯で淹れた方が風味が損なわれずに美味しくなってくれます。
このような違いがあるだけに、コーヒーカップはティーカップに比べて厚みがあります。
紅茶は熱湯で淹れた方が茶葉の旨味がよく抽出されて美味しくなるのですが、それだけに熱過ぎて飲みにくいので、冷めやすいように薄めのカップになっています。
カップの淵も外に広がって冷めやすくなっており、空気と一緒に啜りやすい構造になっています。
一方でコーヒーは少しぬるいお湯で淹れた方が風味が損なわれずに美味しくなるので、冷めにくい厚みのあるカップが適しています。
同じ食器メーカーから販売されているカップでも、コーヒーカップとティーカップを見比べると形状が違って面白いものですよ。間をとった兼用カップもあります。
ちなみに私はボダムというメーカーの保温性の高いマグカップでインスタントコーヒーを飲んでいます。
これは少し高価なので誰にでも勧められるものではないのですが、魔法瓶のような構造なので普通のカップより格段に冷めにくく、ぬるいお湯で淹れた風味豊かなインスタントコーヒーと相性が良いと感じています。
3 雑味を減らすテクニック
インスタントコーヒーを飲んだ時に、粉っぽい雑味を感じることがあると思います。
この正体は「デンプン」と言われています。
ドリップしたコーヒーを乾燥させてインスタントコーヒーを製造する過程で、少量のデンプンを加える事で粉末にしやすくしています。
デンプンは粘り気やとろみを出す調理(あんかけなど)で使われるように、インスタントコーヒーに含まれている僅かなデンプンによっても、とろみが出て雑味の原因となってしまう事があります。
このデンプンの雑味を抑えるには、お湯を注ぐ前のインスタントコーヒーを少量の水で混ぜ合わせるのが有効です。スプーン一杯程度の水を加えてドロドロに混ぜ合わせてください。
デンプンを使った料理を作った事がある人であれば分かると思いますが、デンプンのとろみは温度によってかなり左右します。
デンプンは低温だととろみが出ないで混ざり合ってくれるので、その後にお湯を注いだ時に雑味が発生しません。
この方法だとカップを温める事ができないのですが、だからこそスプーン一杯ぐらいの少量の水で混ぜ合わせてください。水が多いとコーヒーが完成した時にぬるくなってしまいます。
ドリップコーヒーは抽出する時間が掛かるだけにぬるくなってしまうので、きちんとコーヒーカップを温めておいた方が良いのですが、インスタントコーヒーならではの手軽さの事も考えると、少量の水で練ってデンプンのとろみを抑えるぐらいが丁度良いのではないでしょうか。
4 水の質
コーヒーを美味しく淹れられる水は軟水と言われています。日本の水道水は基本的に軟水なので気にしなくても良いのですが、海外のミネラルウォーターだと硬水が多い傾向があります。
水道水には塩素の雑味もあるので、浄水器を使用するなりヤカンや鍋の蓋を開けて5分ぐらい沸騰させて塩素を抜いた方が、コーヒーも美味しく淹れられると言われています。
私は節約家という事もあり、これらの方法は余計なコストが掛かるので、太陽の紫外線を利用して水道水の塩素を除去しています。
ペットボトルに水道水を入れて日に当てておくと、数十分でも塩素の匂いが弱まってくれるので、私は朝一に500mlの空のペットボトルに水を入れて放置して飲料水として利用しています。
塩素は光に弱いので浄水場でも徹底的に日に当たらないように工夫されています。インスタントコーヒーを美味しく淹れる為だけに、ここまでの手間をかけろというのは酷な話かも知れませんが、水の質もコーヒーとの相性があると覚えておいてください。
水道水に含まれている塩素の量は地域によって随分と違ので、塩素の匂いや雑味が多い場合は意識してみてください。もちろん気にならない人はスルーして構いません。
まとめ ちょっとした工夫がポイント
インスタントコーヒーを美味しく淹れるポイントをまとめると、
開封後の酸化や湿気の混入を防ぐ為にしっかりと蓋をしめる事と、少し冷ましたお湯で淹れる事と、少量の水でかき混ぜておく事です。
お湯が沸いてからケトルの蓋を開け、それからカップにインスタントコーヒーを入れて少量の水でかき混ぜていると、ちょうど一分ぐらい経って最適な時間になってくれるので、この順番を意識してみてください。
もう少しこだわりたい場合は、コーヒーに適したカップや水の質も意識してみてください。
たったこれだけの工夫で、随分とインスタントコーヒーの香りが引き立って美味しくなってくれます。価格の安いインスタントコーヒーでも、どうせなら美味しく淹れて楽しんでみてください。
ちなみにネットでインスタントコーヒーを美味しく淹れる方法を調べてみると、湿気を飛ばす為にフライパンで炒ったり、少量の塩を加えるといった方法もあったのですが、流石にフライパンで炒るとなるとインスタントコーヒーならではの手軽さの魅力が失われてしまいますし、塩は味が変わってしまうのでイマイチでした。
他にも水でインスタントコーヒーを作ってから電子レンジで温める方法もあったのですが、私は節約家という事もあって電子レンジを手放しているので、それについては分からなかったのですが、風味を損なわずに熱々のコーヒーを楽しみたい人には、向いている方法なのかも知れません。
あともう一つインスタントコーヒーを美味しく淹れるポイントを紹介すると、ミルクや砂糖は完成してから加えた方が風味が損なわれません。
インスタントコーヒーの粉末に砂糖や粉ミルクを一緒に入れてお湯を注ぐのではなく、今回紹介した美味しく淹れる方法で完成させた後に、砂糖やミルクを加えて混ぜ合わせましょう。
これらを意識するだけでいつものインスタントコーヒーでも美味しく淹れられると思うので、ぜひ試してみてください。
価格の安いインスタントコーヒーでも美味しく淹れる方法は、ある意味では節約にもつながるので意識してほしいと思います。
おまけ インスタントコーヒーの最適なサイズ
私はコーヒーが好きなので、休日などで時間に余裕がある時はドリップコーヒーを飲む事が多く、インスタントコーヒーは仕事の日の朝に手軽に済ませたいタイミングで飲んでいます。
眠気覚ましの意味合いが強いので、美味しい淹れ方にそれほどこだわっていなかったのですが、ちょっとした工夫でも随分と風味が豊かになって美味しくなってくれて感動しました。
ただ私は節約家という事もあり、価格の安いインスタントコーヒーのお徳用サイズを選んでいたのですが、開封後の酸化の事を考えると適切なサイズではないと思うようになりました。
この辺は調味料のお得用サイズのリスクとも似ているのですが、なかなか使い切れない物を選んでしまうと劣化して質が下がってしまいます。
一杯のインスタントコーヒーに使用する量は2gであり、私はマグカップで飲んでいるだけにティースプーン山盛り(3g)なのですが、大容量のものだと175g入りで約58杯分でした。
ただ平日の朝しか飲んでいないので、開封してから2ヵ月半ぐらいは使う事になってしまいます。
美味しいコーヒーの淹れ方については調べてみると、1ヶ月ぐらいで使い切れる量が良いとあり、それ以上過ぎるとかなり風味が落ちてしまうので、あまり大容量の物は良くないのかも知れません。
私のように一人暮らしで一日に一杯ぐらいしかインスタントコーヒーを飲まない人なら、80gぐらいの小さめのサイズが適しているかと思います。
一日に何度もインスタントコーヒーを飲んでいたり、家族が多い家庭や大人数の職場で使用するような場合であれば、コスパの良い大容量の物や詰め替えパックが良いとは思いますが、たまにしかインスタントコーヒーを飲まない人であれば、使い切りの小分けパックの方が美味しく淹れられるかと思います。
ちなみに少し前に初めてインスタントコーヒー専用マシーンのコーヒーを飲む機会があったのですが、本当に美味しくて驚きました。
下手な喫茶店のコーヒーよりも断然美味しかったです。やはりインスタントコーヒーでも淹れ方によって味は大きく変わるのだと実感しました。
インスタントコーヒーの価格もサイズも色々ありますが、一杯当りに換算するとそれほど価格差があるものではないので、それぞれの飲用頻度に合わせて適切なサイズを選んでみてください。
私も小分けパックの物を購入してみたのですが、やはり風味が全然違いました。ただマグカップだと薄味になってしまうのでお湯を少なくして調整しています。
大きなサイズのインスタントコーヒーも開封直後は美味しいですが、徐々に風味が落ちてしまうので、1ヶ月ぐらいで使い切れるサイズを意識してみてください。
カフェインによる眠気覚まし効果の為だけにコーヒーを飲むのであれば、風味はそれほど関係ないのかも知れませんが、自宅で飲むインスタントコーヒーでも味や香りを楽しみたい人は、今回紹介した美味しく淹れるコツと1ヶ月ぐらいで使い切れるサイズを意識してみてください。
小分けパックのインスタントコーヒーはコスパが良いわけではありませんが、缶コーヒーよりはずっと安いですし、様々な味も試せるので楽しいですよ。
自分に適したサイズのインスタントコーヒーを安く購入するのは上手な節約ですが、開封後の劣化のことを無視して大容量の物を選んでしまうと、結果的に質が下がってしまうので気をつけてほしいと思います。
追記 シナモンシュガーが最高だった!
少し前にコンビニコーヒーを注文した時に、そこに置いてあったシナモンシュガーが振りかけると、カプチーノのような豊かな香りになって凄く美味しくなってくれました。
そこで自宅でインスタントコーヒーを楽しむ時用にシナモンシュガーを購入してみると、相性が抜群で感動してしまいました。
その事については別のところで紹介しているのですが、
風味が損なわれやすいインスタントコーヒーだからこそ、シナモンの香りでレベルアップしてくれました。
シナモンの香りや味は好みの問題もあるので、誰もが美味しいと感じるとは限りませんが、カプチーノが好きだという人はぜひ試してみてください。相性が良ければ大容量で風味が損なわれたインスタントコーヒーでも、簡単に美味しくなってくれますよ♪
コメント
スティックタイプって鮮度を保つ意味があったのですね、僕はブラックでしかコーヒーを飲まないのですが、スティックタイプは高いから意味がわかっていなかったです、ビンのインスタントコーヒーも開けて間もないころは美味しいので、なるほどと思いました、これからはスティックタイプを買います
by TRFF
水で混ぜるぐらいで味が変わるかい!って思ってたけど想像以上に変わったわ
by 匿名
節約の為にずっと詰め替えパックを使ってた(-_-;)
フタの裏の紙を見たらくっきりとくぼみがあるからイマイチっぽい
密封容器とかイイのかな?
by 匿名