生姜の効能
一般的に生姜が身体に良いと言われている理由として、身体を温める成分が含まれていることは有名だと思います。
生姜を食べると「身体がポカポカする」という体感も得られやすいので、冷え性に悩んでいる人にも生姜が良いと言われています。
また生姜の効果で身体の内側から温まることは、内臓の機能を高めて便通の改善にも役立つと言われています。漢方でも生姜は頻繁に使用されています。
さらに近年では生姜についての研究も進み、様々な効果がわかってきました。
それは「生の生姜」と「乾燥させた生姜(生姜パウダー)」では効果が違うということです。これらを上手に使い分けることで、より生姜の効果を引き出せるようになります。
それぞれ求めている用途に合わせて、最適な形の生姜を選んでみてください。
漢方は乾燥した生姜
昔から漢方で使用されている生姜は乾燥させたものです。それを粉末にして使用します。
一方で日本食などに添えられる「すりおろした生姜」などは「生の生姜」です。
身体を温める効果があるのは「ショウガオール」という成分であり、これは生姜を加熱したり乾燥させることによって生まれる成分です。
生の生姜が悪いわけではありませんが、身体を温めるということに限って言うと「乾燥させた生姜」の効果が高いことがわかってきました。
暑い夏に生姜が添えられている冷奴を食べても身体は温まりません。むしろ血流がよくなり、発汗作用によって熱をさげる効果があります。
生のすりおろした生姜やチューブの生姜も加熱をすれば身体を温める効果がありますが、加熱の時間によってショウガオールに変化する量が左右されます。
長時間加熱する煮込み料理であればいいのですが、生姜焼きなど短時間しか加熱しない場合は、ショウガオールの効果は少ない傾向があります。
身体を温める効果を求めて生姜を取り入れるのであれば、あらかじめ乾燥させてある「生姜パウダー」の方が効果が期待できます。
もちろん薬味として生姜の味が好きだという人は生でも構いません。食事の満足感も健康にとって大切な事です。
生姜パウダーの効果
生姜の効果を紹介するとキリがありませんが、代表的な効果をあげると、
- 風邪
- 筋肉痛
- 冷え性、むくみ
- 血圧低下
- 関節痛
- 胃腸の不調、食欲不振
- 下痢、便秘
- 吐き気、二日酔い
- 乗り物酔い
- 肺、気管
- 頭痛、肩こり、腰痛
- 目の下のクマ
- etc・・・
とたくさんの効果があります。これらをざっくりとまとめると、生姜には全身の血液の流れをよくする効果があるという事です。これが漢方で生姜が万能薬とも言われる所以です。
さらに予め乾燥させてある生姜パウダーは、様々なものと組み合わせやすいのもメリットです。
- 紅茶
- 甘酒
- ココア
- 味噌汁
などが有名でしょうか。生の生姜よりも香りが弱いだけに様々な飲み物に合わせやすく、食感も邪魔しないのが生姜パウダーの魅力でもあります。
どうしても生のすりおろした生姜だと、強い香りや繊維質な食感が残ってしまいますが、生姜の健康効果を引き出したい人にこそ、様々な飲み物や汁物に合わせやすい生姜パウダーの方が相性が良いかと思います。
サイダーに入れるとジンジャーエールになりますし、生姜焼きといった本格的な生姜料理をつくることも可能です。
クックパッドを見ると、様々な料理に生姜パウダーが活用されていることがわかります。
普段の料理に手軽に足すことが出来るのが生姜パウダーの魅力であり、使いどころが限られる生の生姜よりも効果を引き出しやすいという特徴があります。
ただし、冷奴に沿えるような薬味として生姜パウダーを使用する場合には、あまり向いていません。実際に私も試してみましたが、やはり生の生姜の方が美味しいと思いました。
他にもそうめんのつゆに薬味として合わせるのであれば、生姜パウダーよりもすりおろした生姜の方が、やはり美味しいものです。この辺は好みの問題ではありますが、料理を美味しくする為に生姜を使う場合は、上手く使い分けてみてください。
効果的な生姜の取り入れ方
一般的な生姜の一日辺りの摂取量の目安は、約10グラムと言われています。
ただし、生姜パウダーは水分が抜けているのでの小さじ一杯ぐらいで十分だとも言われています。
取り過ぎも胃腸の負担になるので気をつけてください。
小さじ一杯を全て紅茶に入れると辛くなってしまいますが、数回に分けて入れると無理なく取り入れることができます。その方が胃腸にも優しくなります。
また生姜によって身体が温まる効果は、3時間ほど続くと言われています。食事や間食のタイミングに少しずつ取り入れていくことがおすすめです。
特に身体が冷えている朝方は効果が高いと言われています。朝食の味噌汁や紅茶などに生姜パウダーを取り入れてみてください。
逆に遅い晩御飯や夜食の場合は生姜パウダーの量を減らしてください。身体の内側から温まってしまうと寝つき悪くなってしまう可能性があります。
健康の為に生姜を食べているのにも関わらず、睡眠の質を下げてしまっては元も子もありません。これはあらゆる健康食品にも当てはまる事ですが、元気や活力が出るニンニク料理といったものだって、時間帯によってはリスクになってしまいます。
まとめ お手軽生姜生活
適度に体を動かすことが身体に良いことは誰もが理解していると思います。全身運動で血行が良くなることで、あらゆる機能が向上します。
生姜による効果も似ています。身体を温めて血流を良くすることで全身の機能が向上する可能性があります。
適度な運動を取り入れる事が理想ではありますが、誰もが継続できるわけではないので、上手く生姜の力も取り入れてみてください。特に生姜パウダーは様々な料理や飲み物に合わせやすいだけに、効果を引き出しやすいのでお勧めです。
ちなみに東洋医学で用いられる漢方薬というのは、何か一つの症状を回復するのではなく、身体全体のバランスを整える為に用いられるものが多い傾向があります。
身体の冷えに効く生姜といったものでも、体温が高い人にとっては毒になってしまいますし、どんな栄養素でも過剰に摂取してしまうと負担になってしまいます。
生姜に限った事ではないですが、あくまでも自分の身体のバランスを整えるのに役立つものが健康に良い効果があるのであり、身体の冷えは多くの人が悩む問題だけに漢方の世界では万能薬として扱われているわけですが、たくさん取れば良いという問題でもないので、そこは気をつけてください。
生姜パウダーの魅力というのも、あくまでも少量を気軽に摂取できる事なので、冷えや不調を感じている人は無理のない範囲で取り入れてみてください。
全身の血流を良くするには運動をすることが理想ではありますが、特に冷え性の人ほど身体を動かすことが億劫になっているので、生姜パウダーで身体を温めながら、少しずつでも身体を動かしていきましょう。
血圧が高いからと血圧を下げる薬を飲んでも、生活習慣を全く改めなければ改善するわけがありません。薬で血圧を下げて体調が落ち着いたのであれば、そこで軽い運動を取り入れたり、食生活を見直すことで血圧が上がる原因そのものを改善することになります。
冷え性も外部から温めるだけでは完治しません。冷え性による痛みや辛さといった症状は和らぎますが、冷え性の原因となる血流の滞りを何とかしない限り、冷え性は治りません。
これは生姜パウダーの効果も同じです。あくまでも生姜パウダーをきっかけとして、同時に生活習慣も見直してください。この流れが健康な身体へ導く事になります。
ちなみに生姜パウダーは自分でつくることもできますが、様々なメーカーから市販されており、それほど高いものではないので、節約とも相性が良いかと思います。
ただ生姜パウダーそのものにも相性もあるので、いきなり大容量のパックは試さない方が良いかと思います。メーカーによっては風味や辛みにも随分と差があるので、色々試してみてお気に入りの生姜パウダーを見つけてください。
またどうしても生姜の味が苦手な方は、生姜のサプリメントに頼るのも良いかと思います。
単体でサプリメントを取るのではなく、食後に合わせて取ることで胃腸への負担を減らすことができます。
漢方の長い歴史の中でも残っている生姜には素晴らしい効果があるので、上手く食生活に取り入れてほしいと思います。
健康的な身体を取り戻し、いずれは生姜に頼らずとも体温が安定するような状態を目指しましょう!
追記 ジンジャーエールは微妙
少し前に知り合った人が、何かとジンジャーエールを飲んでおり、
「生姜は身体に良いから、ジンジャーエールは手軽に飲めて最高の飲み物!」
と自慢げに語っていたのですが、市販されているジンジャーエールのすべてに生姜が含まれているとは限りません。
いわゆる安いジュースのジンジャーエールには、ほとんど生姜の成分は含まれていません。代表的なジンジャーエールであるカナダドライやウィルキンソンの成分表には、香料やジンジャーエキスなどがあるだけで、純粋な生姜は含まれていません。
居酒屋などで提供されるジンジャーエールだと、実際にしぼりたての生姜を入れているケースもあるのですが、そのようなところは大抵は「生」である事をアピールしているので、普通のソフトドリンクとして販売されているジンジャーエールには、あまり生姜の効果は期待できません。
もちろんネット探せば本物の生姜を使用しているジンジャーエールも売られているのですが、量が少ない小型缶だったり、割高な傾向があります。
お金に余裕がある人でジンジャーエールが大好きな人であれば、あえて取り入れるのは良いと思いますが、健康的な飲料としてわざわざ取り入れるものではありません。
節約的には一般的なサイダーに少量の生姜パウダーを加えた方がずっと安上がりなので、炭酸ジュースが好きな人は試してみてください。
もちろん甘いサイダーにはたくさんの砂糖が含まれているので、過度な期待はしない方が良いと思います。
コメント
ジンジャーエールは意味がないんですか・・・大好きだったんですけどw
自宅で焼酎のジンジャーエール割りをしているので
サイダーとしょうがパウダーで試してみようかな
by 匿名