安くて健康的な食品
今回は節約に効果的な価格が安くても栄養豊富な健康的な食材について紹介します。
高級食材が高級な理由というのは、大抵は希少性が高いからであり、必ずしも価格に比例して美味しさや栄養価がアップするというものではありません。
うなぎの栄養価が高いことは有名ですが、価格の変動はうなぎが取れるか取れないかの違いであり、栄養価や美味しさが大きく変わるわけでありません。
逆に価格の安い食品というのは、養殖や管理がしやすく大量生産に向いています。価格が安いからといって、うなぎと同じように栄養価も美味しさも変わるわけではありません。
そこで今回は節約との相性が良い健康的な食品を紹介します。一般的な食材ではありますが、これらの食材を活かしたレパートリーを増やすことで、健康的な食生活を維持しながらも節約につなげられると思うので、参考にしてみてください。
1 納豆
まずは納豆です。納豆が健康に良いというのは有名ですね。納豆は安価でありながら、たんぱく質や食物繊維が豊富であり、さらに納豆菌には整腸作用があります。
ちなみに納豆は大豆が大きい粒の方が栄養価が高いと言われています。一方で納豆菌は表面積が多い小粒やひきわり納豆の方が豊富です。
また納豆は地方によっても個性があるものです。様々な銘柄を試してみたり、トッピングを加えてアレンジすることで、飽きなく納豆を食べ続けることができると思います。
ネギやからしなどは定番のトッピングですが、他にも
- ごま油
- ラー油
- オリーブオイル
- 塩麹
- 卵黄
- マヨネーズ
- お酢
- 七味
- 胡椒
- オクラ
- メカブ
- しそ
- 岩のり
- すりごま
など、納豆と相性が良いトッピングがたくさんあります。自分なりのアレンジを探すのも楽しいですよ。ちなみに最近の私はポン酢納豆にはまっています。
たれやからしが付属していない納豆ほど価格が安いですし、同じ価格でもワンパック多いメーカーもあるので、自分の好きなトッピングを見つけておくのも節約に役立ってくれますよ。
ただ納豆は熱を加えすぎると納豆菌の効果が薄まるので気をつけてください。熱々のご飯の上に乗せるのではなく、湯気が出ない程度に少し冷ませば問題ありません。
納豆菌はかき混ぜてから少し放置した方が増えてくれるので、食事の前半ではなく後半ぐらいから食べ始めると良いかと思います。
納豆パスタのような料理が好きな人は、それはそれで味を楽しめるので良いと思いますが、納豆菌の効果を活かしたい場合は意識してみてください。
2 豆腐
豆腐も納豆と同じく栄養価が非常に高い食品です。同じ大豆製品なので当然ですね。豆腐も非常に安価にも関わらず腹持ちも良いので、節約だけではなくダイエットとの相性も良い食品です。
豆腐も様々なメーカーが試行錯誤して開発されています。最近では豆腐だけで食べても美味しいものも珍しくありません。
ただそれらの豆腐は少し高価なので、節約的には味気のない価格の安い豆腐の方が向いています。栄養価も大きく変わるわけでもありません。
冷や奴のような豆腐の味がダイレクトに感じられる食べ方であれば、少し良い豆腐を選んだ方が向いていますが、味噌汁やなべ物に入れる豆腐であれば、価格の安い豆腐でも美味しくいただけます。
この使い分けを上手く見極めるのが豆腐を活かすポイントです。節約という意味では全て価格の安い豆腐を選んだ方が効果的ですが、味気ない豆腐だと醤油やポン酢などの塩分過多になるかも知れません。
ちなみに豆腐の栄養価は木綿豆腐と絹ごし豆腐で若干違います。
木綿豆腐は製造過程で水分を絞るので、栄養分が圧縮されてたんぱく質や脂質を多く含みます。特にカルシウムは絹ごし豆腐と比べて約3倍も多く含まれており、ビタミンEも約2倍もあると言われています。ただし水分を絞った時にビタミンB1やB2、カリウムが流れてしまいます。
一方で絹ごし豆腐は水分を絞らずに豆乳をそのまま固めるので、ビタミンB1、B2やカリウムの流出がありません。ただトータルの栄養価で考えると、凝縮されている木綿豆腐の方が優れていると覚えておいてください。
ちなみに高野豆腐(凍り豆腐)も安価でありながら、非常に栄養価の高い食材です。そもそも高野豆腐は普通の豆腐を乾燥させて作られています。
乾燥させる事で栄養がさらに凝縮され、むしろ豆腐よりも栄養価が優れていると言われているので、上手く食生活に取り入れてみてください。
特に細かくカットされた高野豆腐は、乾燥ワカメのように汁ものにサッと加えることができるので、個人的にはかなりおすすめの健康的な食品です。
それほど味の個性の強いものではないので、大抵の汁物に合うものですよ。
3 もやし
もやしほど節約効果の高い食品はないかも知れません。スーパーでセール品の目玉として扱われる事も多いです。
もやしも大豆製品です。本当に大豆は素晴らしい食材ですね。
もやしも安価でありながら、様々な料理に合わせることが出来ます。野菜炒めや汁物のかさましとしても効果的です。
もやしの調理はヒゲを気にするかどうかで手間が大きく変わるのですが、気にしないという人であれば凄く便利な食材になります。
そもそもクセのある味がするわけではないので、合わせる食材や味付けがポイントになります。
ただし、もやしは足が速い食材なのでセールでお得だったからと、あまり買い置きはしないように気をつけてください。基本的に割引されていなくても安いので、あまり欲張らずに新鮮なもやしを食べるのがポイントです。
4 蕎麦
蕎麦も安価でありながら栄養価も高いので、節約と相性抜群です。
主に小麦粉から作られる「うどん」や「そうめん」とは、栄養面で比べ物にならないほど優秀です。
スーパーなどで売られている蕎麦の「ゆで麺」であれば、軽くゆがくだけでいいので調理も簡単です。また「ざる蕎麦」などはのどごしの良い「乾麺」がおすすめです。
また蕎麦にも様々なタイプがありますが、基本的に色が濃いものほど栄養価が高いと言われています。黒っぽい蕎麦ほど、そば粉の含有率が高く栄養が豊富な殻が含まれている傾向があります。
ただ白っぽい蕎麦でも「更科蕎麦」ならそば粉100%のものもあるので、小麦粉が多くて栄養価がないというものでもありません。
気をつけてほしいのは、安価な蕎麦は大半が小麦粉で出来ています。節約という意味では、価格が安い蕎麦を選びたくなりますが、100円で売られている乾麺の蕎麦の中でも、結構含有量が違うので裏の成分表をチェックしましょう。
安い蕎麦で一割程度しか蕎麦粉が含まれていないとしても、うどんやそうめんのような小麦粉100%の麺類よりは健康面でのメリットが期待できます。
栄養面では蕎麦粉の割合が多い十割蕎麦や二八蕎麦が優れていますが、少し価格が高くなってしまうので、節約的には悩ましいところではあります。
蕎麦も麺つゆやトッピングを工夫することで、栄養価をプラスしながらも飽きなく食べる続けることが出来ます。
「ざる蕎麦」だけでも、一般的なネギやワサビの他に、
- ショウガ
- 大根おろし
- 天かす
- とろろ
- すりごま
- 海苔
- 山椒
- ゆずコショウ
- タバスコ
などを合わせる食べ方があります。タバスコなどは意外とアクセントになって驚かされました。ただし入れ過ぎは気をつけてくださいね。
5 バナナ
バナナは一年中スーパーで売られている数少ない果物です。しかも価格が安定しているので、節約家にとってありがたい果物です。
特に私のように冷蔵庫を手放している節約家にとっては、常温保存でそのまま食べられる果物の存在は貴重です。
またバナナは黒い半纏(シュガースポット)が出てくる頃が食べごろと言われており、甘さも栄養価も高くなります。
スーパーではバナナが黒くなると割引シールが貼られる事がありますが、まさに栄養価が高い食べ頃でもあるので、1~2日で食べ切れる量であれば節約効果も抜群なのでおすすめです。
余ったバナナをアレンジして調理することは難しいのですが、割りばしに挿してラップでくるんで冷凍するとアイスのようになります。日常的にアイスを食べている人は、代替品としてバナナアイスにしてしまうのもおすすめです。
単純に一般的なアイスよりも安くなりますし、砂糖なども含まれていないので健康面でのリスクも避けられます。
ちなみにバナナは同じ価格で売られているものであれば、本数が少なくてもサイズが大きなものの方がコスパ(実の量)が良いので意識してみてください。
100円ぐらいの小ぶりなバナナを二つ購入するより、200円の大ぶりなバナナの方が実の量が多いような事です。
この辺はバナナの銘柄によっても違うのですが、安いバナナだと皮が厚くて実が少ないケースもあるので、その辺も意識して選んでみてください。バナナは仕分けの都合で明らかに損するものもあるので、上手く見極めて節約につなげましょう。
6 鶏むね肉
鶏むね肉も低価格で栄養価がとても高い優れた食材です。
脂質が少なくて低カロリーにも関わらず、非常に良質なたんぱく質を含んでいます。身体が資本のスポーツ選手やボディービルダーも積極的に取り入れている食材です。
さらに鶏むね肉には疲労回復に効果的だと言われている「イミダゾールジペプチド」という抗酸化物質が含まれています。
渡り鳥が長時間飛び続けるときに羽を動かすのが、主に胸の筋肉です。だからこそ鶏むね肉には非常に良質な栄養素が凝縮されていると言われています。
さらに多くの鶏肉は国産品であり、低価格でありながら安心感もあります。安い牛肉は外国産ばかりなので、節約と言う意味だけでなく安心感でも鶏肉は優秀です。
鶏むね肉は硬くてパサパサして苦手な人が多いとは思うのですが、現在では様々なアレンジレシピがあり、クックパッドでも様々な鶏むね肉のレシピが公開されていて本になるほど人気の食材です。
鶏むね肉は基本的に加熱時間が長いほど硬くなる傾向があるので、調理時間を管理することがポイントになります。
ちなみに鶏むね肉を柔らかく調理するには、低温で熱を通す保温調理と相性がよいので、そちらも紹介しておきます。
育ち盛りの子供がいる家庭だとお肉の需要も高いと思うので、鶏むね肉のレパートリーを増やしておくことは、健康の為にも節約の為にも効果が高いと思います。お肉の中では脂肪分が少ない部位なのでダイエットをしたい人にもおすすめです。本当に優秀な食材ですよ。
あと鶏むね肉は切り方も調理のポイントになるので、こちらの動画を参考にしてみてください。これを知っておくだけでも硬さが随分と軽減できると思います。
8 卵
卵も安価で安定していながら、非常に良質なたんぱく質が含まれている優秀な食材です。昔はコレステロール値が高い人は食べ過ぎない方が良いと言われていましたが、現在はその説が覆されつつあります。極端に食べ過ぎなければ問題はないと思います。
卵は様々な料理との相性が非常に良く、和洋中どれにも欠かせない食材です。
こちらの記事でも紹介していますが、卵の賞味期限については様々なことが言われているので、納得できた人は安売りのタイミングで少し多めに買っておくと、節約につなげられるかと思います。
私は冷蔵庫を手放した生活をしているので卵も常温で保存していますが、賞味期限をオーバーしてもお腹を壊したことは一度もありません。流石に生では食べませんが、火を通せば数ヶ月でも大丈夫だと言われています。
9 キノコ
キノコと言っても高級なものから安価なものまで色々ありますが、ここで紹介するキノコは低価格で販売されているエノキやエリンギやシメジのことです。
キノコの栄養価も大変素晴らしく、様々な健康効果があると言われています。
キノコの栽培が盛んな長野県は長寿で有名です。長野県民は癌の発生率が低いというデーターがあるのですが、その中でもキノコ農家が圧倒的に低いそうです。
キノコによる癌の抑制効果の因果関係は解明されていないのですが、何かしらの効果があると考えられています。
高価なキノコ(アガリスク等)だけが、栄養価が高いわけではないので安心してください。その癌の発生率が極端に低かった長野県の農家もエノキ農家でした。出荷した後に残るエノキの根元の硬い箇所を、よく調理して食べているのだそうです。
キノコは汁物との相性が良いので、味噌汁などに加えるのがおすすめです。
田舎に住んでいる人であれば、山にキノコを取りに行くのも良いのではないでしょうか。それこそ節約効果は抜群です。ただしリスク(毒キノコや獣)もあるので、初めての人は経験者に頼んで同行してもらってください。
10 旬の食材
最後は旬の食材を積極的に選ぶ方法です。
旬の野菜や果物というのは、野菜や果物にとっても自然な環境で育っているので栄養価が高いのが特徴です。
また夏野菜には身体を冷やす効果があり、秋に収穫される野菜は身体を温める効果があります。旬の野菜を選ぶことは自然の摂理にかなっています。
しかも旬の食材は栄養価が高いだけでなく、一年で最も安価で販売される時期なので、積極的に旬の食材を取り入れてください。健康面や節約効果も抜群です。
旬の食材を見極める方法は簡単です。スーパーの中で目立つ箇所に「ドン!」とメインで売られています。
旬だからこそ安く大量に仕入れることができるので、目玉商品として扱われている野菜や果物を選んでおけば間違いありません。
まとめ 価格だけではなく質
高級な食材が悪いわけではありませんが、健康的な食材というのは身近に溢れているものです。
食事には楽しみという要素も含まれるので、たまに脂肪がたっぷりの柔らかいお肉を食べることが悪いとは言いませんが、日ごろからそのようなものばかりを食べていると、やはり健康への悪影響があるものです。
最近は高級食パンなどが人気ですが、何もつけなくても美味しい食パンには膨大な砂糖や油分が加えられているので、むしろ価格の安い食パンの方が健康面では有利かも知れません。
日頃の食事には健康に気遣った食材を選び、特別な日はご馳走という分け方を意識するのがおすすめです。日頃からご馳走を食べ慣れていると栄養が偏りやすくなるだけでなく、特別な日のご馳走の満足度も下がってしまいます。
現在ではコンビニ弁当でもご馳走が溢れていますが、あえて日頃の食生活を質素にすることで、特別な日のご馳走の満足度を上げることができるものです。
今回紹介した健康の良い食材は、どれも節約との相性が抜群なので積極的に食生活に取り入れてみてください。レパートリーを増やしながら飽きないような工夫をしましょう。
ちなみに、これらの一般的にありふれている健康に良い食材を活かすポイントは「調味料の質」を上げることです。
調味料を質を下げてまで節約してしまうと、あらゆる料理の質が下がってしまいます。調味料の使用量は一回当たりに換算すれば1円ぐらいの違いしかないので、食材の価格差から比べれば大したことがありません。
良質な調味料やお気に入りの調味料を安く購入するのは上手な節約ですが、価格の安くても低品質な調味料を選んでしまうと、あらゆる料理のレベルが下がって食材も活かせないので気をつけてください。
調味料は食材の価格差よりも料理の質を左右する事は珍しくないので、節約という意味でも意外と大事なポイントですよ。
逆に少し品質の良い調味料を取り入れると、様々な料理の質を簡単に上げる事ができます。高価な食材を購入するよりも圧倒的にコスパが良いですよ。
節約家は何でも節約してしまう傾向がありますが、上手にポイントを見極めて上手に節約してほしいと思います。良質な調味料を上手く取り入れ、安くても栄養価が高い健康的な食材を活かしていきましょう!
コメント
我が家も鶏むね肉のレパートリーを増やした事で食費の節約になりました。
小さく切れば硬さは気になりませんし、子供たちも喜んで食べてくれるようになりましたよ!
by 匿名