高野豆腐の栄養価
数年前からテレビの健康番組や雑誌などで、高野豆腐に含まれている栄養が非常に優れていると話題になっています。
そもそも高野豆腐とは乾物の豆腐です。高野豆腐をつくる工程で豆腐を凍らせてから乾燥させるので「凍り豆腐」とも呼ばれています。
普通の豆腐の栄養価も素晴らしいのですが、製造工程で熟成される期間が長い高野豆腐は、一般的な豆腐と比べれて様々な栄養価がアップします。
- カルシウム +200mg
- 鉄 +4.1mg
- マグネシウム +27mg
- 亜鉛 +3.4mg
- 食物繊維 +0.6g
- ビタミンK +21μg
- リン +770mg
これらのように現代人が不足しがちな豊富なミネラルが含まれているのが、高野豆腐の特徴です。ダイエット食品としても人気を集めています。
高野豆腐は元々が豆腐なので大豆から作られており、良質なタンパク質もたくさん含まれています。安価にも関わらず栄養価が高い優れた食品なので、節約との相性がバッチリの食品でもあります。
最近では「がん」の予防効果まであると言われています。まだ詳しく解明されていないのですが、高野豆腐をよく食べている地域の人のがんの発症率が低いことで注目を集めています。
なので日頃の食生活に高野豆腐を取り入れることは素晴らしいことではあるのですが、高野豆腐のメニューはそう多くありません。一般的な利用方法だと煮物が中心なので、家庭によっては扱いづらい食材です。
またメインで高野豆腐を食べるとなると味の好みも分かれるところです。調理する場合も水で戻すなどコツが必要です。
そこでおすすめなのが細切りタイプの高野豆腐です。水で戻すような手間もいらないので、栄養価が豊富な高野豆腐を日頃の食事に取り入れやすくなります。
細切りタイプの高野豆腐
高野豆腐には様々なサイズがあるのですが、細切りタイプの高野豆腐は多くの汁物に簡単に組み合わせることができるのでおすすめです。
私は初めはサイコロ状にカットされた高野豆腐を利用していたのですが、細切りタイプの方が水分を吸収するのが圧倒的に早いので便利だと感じます。
味噌汁のように大抵の汁物に合わせることができますし、カップラーメンなどのインスタント食品とも相性がいいです。
一般的な高野豆腐の調理法というと、しばらく水に浸して戻してから、水分を絞って出汁を吸収されるような使い方をするのですが、細切りタイプだと気にする必要はありません。
また細切りタイプの高野豆腐は、量を調節しやすいのも魅力です。サイコロ大のものだと、想像以上に水分を吸ってしまい、汁気が無くなってしまうような失敗もありました。
ちなみに高野豆腐をより細かくした「粉豆腐」(高野パウダー)と呼ばれるものもあります。
これは高野豆腐の製造過程で出たカスのようなものなのですが、高野豆腐と同様の栄養価があります。
ただあまり一般的なスーパーで出回っていないせいか、価格は若干高めです。あえて選ぶ価値があるかというと微妙です。
通常の高野豆腐をフードプロセッサーやすりおろし器で細かくして粉豆腐をつくることも出来るのですが、どうしても粉状なので合う料理は限られてしまいます。おからのような使い方になるので、料理上手の方でないと活かせないかと思います。
やはり細切りタイプの高野豆腐の方が万能で、様々な汁物に合わせやすいのでおすすめです。普段の食事に簡単に不足しがちな栄養をプラスできるので、ぜひ取り入れてみてください。
ガッテン方式の高野豆腐
高野豆腐はNHKの「ためしてガッテン」の中でも素晴らしい栄養価について紹介されていたのですが、何とガッテンオリジナルの調理方法が紹介されていました。
それは禁断の「高野豆腐を熱湯で戻して湯豆腐にする」方法です。
どこが禁断なのかと言うと、一般的な高野豆腐の戻し方の注意書きには、「熱湯NG」と表記されているからです。
ガッテン方式は特に難しくありません。通常の大きな高野豆腐を鍋で沸騰させたお湯の中に入れるだけです。これだけでプルプルの豆腐が出来上がります。
通常の豆腐よりも大きく膨らむので、少し大きめの鍋を用意してください。
火力が強すぎると煮崩れしてしまうので、熱湯の中に高野豆腐を入れて4分ほど放置するようにしてください。
高野豆腐はメーカーによっても水分の吸収スピードに差があるので、様子を見ながらベストなタイミングを見つけてください。おどろくほど柔らかいプルプルな湯豆腐が出来上がります。
高野豆腐の栄養価を取り入れるという事であれば、完成した味噌汁などの汁物に細切りタイプの高野豆腐を加えるだけでも十分なのですが、味噌汁のお湯を沸かす序盤に高野豆腐を入れて少し煮込んでおくと、かなり大きく膨らんで一般的な豆腐のような食感に近づきます。
ただかなり柔らかいので、他の具材があると結構な確率で煮崩れしてしまいますが。
まとめ 高野豆腐の凄さ
高野豆腐は元々が豆腐だということもあり、安価にも関わらず栄養豊富で節約との相性がバッチリです。
乾物なので賞味期限も長く、スペースもあまり取りません。保存食や防災対策の意味でも相性が良い食材だと思います。
特に私のように冷蔵庫を手放した生活をしている人は、高野豆腐やその他の乾物を上手く取り入れることで食生活が豊かになります。
またインスタント食品に偏っている人にも高野豆腐はおすすめです。細切りタイプであれば大抵のカップラーメンやインスタントラーメンに簡単に合わせることができます。
インスタント食品ばかりだとタンパク質が不足しがちになりますが、細切りタイプの高野豆腐で簡単に補うことができます。よく「味噌汁の具」といった感じの乾物がありますが、大抵は海藻や野菜が中心なので、高野豆腐によるタンパク源は貴重ですよ。
高野豆腐は下手なサプリメントよりも、ずっと安価で栄養価が優れています。サプリメントでお腹は膨れませんが、高野豆腐は満腹感も得られます。
栄養の為に「増えるワカメ」などの乾物を汁物に取り入れている人は多いとは思いますが、細切りタイプの高野豆腐もぜひ試してみてください。
たくさん入れなければ料理の味をジャマしません。ただ少し水分が持っていかれるので入れ過ぎには注意しましょう。いくら栄養価が豊富な高野豆腐とはいえ、元の料理の味を損ねてしまうと長続きしません。
日頃から少しの高野豆腐を取り入れて、健康的な食生活を心がけてほしいと思います。料理が苦手な人やインスタント食品に頼っている人こそ、細切りタイプの高野豆腐は強い味方になってくれると思いますよ。
追記 高野豆腐の価格が高騰・・・
この記事を書いた頃は、乾物大手のホッカンの細切りタイプ(70g)の高野豆腐が、スーパーで100円ぐらいで購入できなのですが、最近は高野豆腐の栄養価が素晴らしい事が浸透し、人気が出てきたせいか、安いところでも140円ぐらいするようになってしまいました。
乾物なので少し大きなお得用サイズを選んで節約しようと調べていると、他のメーカーで格安の高野豆腐が見つかったのですが、原材料を調べていると「大豆(遺伝子組み換えではない)」と表示されていないところがありました。
国産の大豆は高価なので、安価な高野豆腐に使用されている大豆の大半は輸入ものなのですが、多くの輸入大豆製品には「遺伝子組み換えではない」と表示されているものです。
ただ一部の高野豆腐にはその表示がありませんでした。
そこで不安になって遺伝子組み換えの大豆について調べてみると、日本で出回っている大豆で国産の物は5%を切っており、95%が輸入大豆とありました。
そしてその輸入大豆は75%がアメリカのものであり、さらにその85%がモンサント社の遺伝子組み換えの大豆でした。日本に出回っている大豆の60%ぐらいが、遺伝子組み換えの大豆なのだそうです。
しかも大豆が使用される割合が5%を切る食品に関しては表示義務すらないそうで、知らず知らずのうちに遺伝子組み換えの大豆を摂取していた事に驚きました。
味噌や醤油といったものも大豆を使用していますし、家畜の飼料としても使われているので、間接的にはかなりの量を摂取しているのかも知れません。完全に避けるのは現実的ではないのだと思います。
ただ高野豆腐のように大豆がメインの食品に限っていうと、やはり避けた方が良いと思うので、高野豆腐に限らず一般的な大豆製品を購入する際には、表示を確認した方が良いと思います。
アメリカとのTPPやFTAなどが締結されると、この辺の表示義務も変わる可能性が高いので、将来的には避けられない問題なのかも知れませんが、避けられる内は避けた方が良いと思うので、多少の価格の安さにひかれて極端に安価な高野豆腐は選ばない方が良いかと思います。
お隣の国、韓国では2012年にアメリカとの間で結ばれたFTA(二国間による自由貿易協定)によって、学校給食に地元食材を使用する条例が破棄されました。
「地元有利の条例はフェアじゃないよね?」
といった感じでアメリカ側から訴えられてしまうと、多額の賠償金を支払う事になってしまうからです。
日本でも2018年に種子法が廃止され、遺伝子組み換え作物が日本国内でも生産される可能性が高まっており、アメリカのモンサントのような巨大企業に日本の農業が牛耳られてしまう日は、そう遠くないのかも知れません。
遺伝子組み換えの作物には専用の農薬や化学肥料が必要であり、種の利権だけでなく様々な要素でアメリカ企業へお金が流れる事になってしまいます。
そのうち日本も韓国のように自国の事ですら管理できなくなったり、遺伝子組み換えと表示する事も出来なくなるかも知れません。
高野豆腐の原材料といった事からでも様々な事が分かるものなので、食の安全や健康面を意識して取り入れようと考えている人は、原材料もチェックするようにしてみてください。