あいうべ体操とは?
「あいうべ体操」とは福岡県にある「みらいクリニック」の院長、今井一彰さんが考案した口を積極的に動かす体操のことです。
簡単に「あいうべ体操」の説明をすると、口を大きく開けて「あー」「いー」「うー」「べー」とするだけです。これだけで多くの効果が期待できます。
声は出しても出さなくてもいいのですが、なるべく口を大きく開けることで口周りの筋肉に刺激が与えられ、衰えによって引き起こされてしまう様々な弊害を回避できるようになります。
数年前から「あいうべ体操」の効果が凄いと話題になっているのですが、実際に私自身も様々な効果を実感しているので、ぜひ皆さんも挑戦してみてください。一円もお金が掛からないので節約的にもおすすめです。
あいうべ体操の効果
「あいうべ体操」にはたくさんの効果が期待できます。
- 口呼吸改善
- 免疫力アップ
- 口内環境改善
- 虫歯予防
- 小顔効果
口呼吸が改善する理由は、「あいうべ体操」によって口周りや舌の筋肉が鍛えられ、舌の位置が改善するからです。
口呼吸になってしまう要因は鼻詰まりなどもあるのですが、舌の位置が下がってしまう事が最も大きな要因だと言われています。
あまり会話をする機会がない人ほど、頬の筋肉が衰えて皮膚がたるんでしまうものですが、同時に舌の筋肉も衰えてしまいます。舌の筋肉が衰えると発声が濁ってしまったり、誤飲のリスクも高まります。
お年寄りが咳き込みやすかったり、肺炎で亡くなりやすいのも、舌の筋肉の衰えが原因の一つと言われています。だからこそ「あいうべ体操」で積極的に舌を動かすことで、舌の筋肉に刺激が与えられ、正しい位置に安定する効果が期待できます。
さらにこの舌の位置が正しくなる事には「いびき」を防止する効果もあります。いびきは睡眠の質を大きく下げてしまうので、「あいうべ体操」によって口周りの筋肉が鍛えられると、疲労回復効果も期待できます。
また「あいうべ体操」で口呼吸が改善されて鼻呼吸になることで、様々なバイ菌や病原菌の侵入を防ぐことにもつながります。
実はこの鼻呼吸のメリットというのは、空気を温めてから肺に取り入れる点にも意味があります。寒い地域では大きく口を開けて深呼吸などできません。自然と口をすぼめて少しずつ空気を温めながら肺に取り入れるものです。
寒い地域でなくても鼻呼吸は口呼吸に比べて体温を奪われないという特徴があります。いつも口呼吸の人ほど外気がダイレクトに肺に侵入してきてしまうので、身体の内側から熱を奪われてしまいます。免疫力は体温によって大きく左右されるので、鼻呼吸は特に効果的と言われています。
鼻呼吸には単純に口の中が汚れないメリットがあるのですが、「あいうべ体操」で舌を動かすと唾液の分泌も促されるので、口の中をより清潔な状態を保つことにもつながります。
唾液が増えることで口の中の乾燥を防ぐことになり、歯周病や虫歯予防にも効果的とも言われています。
ちなみに東洋医学では唾液の量と身体の衰えは直結していると言われています。赤ちゃんほど唾液が溢れているものですが、年齢を重ねるごとに唾液の分泌が減り、食べ物を飲み込むことが難しくなっていきます。
唾液には消化を促す成分も含まれているので、効率よく栄養を吸収するという意味でも重要なポイントです。
そしてその唾液の多くは舌の裏側から分泌されるので、「あいうべ体操」で舌を出す事が効果的です。実際に試してみると分かりますが、口の中が潤う感覚がわかると思います。
さらに小顔効果というものまであります。「あいうべ体操」によって口周りの筋肉が刺激されることで、顎のフェイスラインが引き締められます。
そもそも小顔を目的とした体操(顔ヨガなど)の一部に、舌を動かすトレーニングがあるほどなので、同様の効果が期待できます。
「あいうべ体操」は目的こそ違えど、結果的に口周りや舌の筋肉を刺激することになり、小顔体操と同様のシェイプアップ効果が期待できます。
これらのように日頃から大きく口を開けて「あーいーうーべー」とするだけで、様々な効果が期待できます。1円もかからない体操なので、節約家のみなさんはぜひ試してみてください
日頃から話す機会が多い人だと、あまり効果を実感できないかも知れませんが、若い頃と比べて話す機会が少なくなってきた人ほど、「あいうべ体操」の効果を実感できるはずです。
口周りの筋肉が弛んでしまうと、黙っていても機嫌が悪そうに見えてしまうので、人間関係にまで影響が出てしまうかも知れません。連休中に引きこもって話をしていないと、なかなか口が回らない事があるものですが、そういう時にも事前に「あいうべ体操」を行っておくことで、ウォーミングアップになってくれます。
ちなみにカラオケが大好きな人は、自然と表情筋や舌や喉の筋肉に刺激を与えられるので、表情が豊かだったり、誤飲による肺炎になるリスクが低いと言われています。
高齢者向けのカラオケスナックなどが人気ですが、あれは単純にストレス解消という意味だけでなく、健康という意味でも理にかなっているそうです。
仏壇の前で毎日お経を読み上げる人も同じです。もしかしたらお釈迦様やご先祖様の加護があるのかも知れませんが、単純に口の中を積極的に長時間動かす事になるので、カラオケと同じように口内環境を良くする効果が期待できます。
これらの効果を積極的に引き出す事ができるのが「あいうべ体操」の凄さでもあります。流石にお経やカラオケで口をめいいっぱい開いたり舌を出すような事はないので、ぜひ積極的に「あいうべ体操」を取り入れてみてください。
あいうべ体操のやり方
「あいうべ体操」のやり方と言っても難しく考える必要はないのですが、効果を引き出すには継続して行うことがポイントです。
歯磨き後やお風呂の入った時などに合わせて、習慣として行うようにしてみてください。継続する事が一番のポイントです。
ゆっくと時間をかけながら「あー」「いー」「うー」「べー」と口を大きく開けて行ってください。声を出しても出さなくても良いのですが、周りの迷惑にならないのであれば、なるべく大きな声を出した方が声帯の筋肉にも刺激を与えられます。
目安としてそれぞれ3秒ぐらいの間隔でゆっくりと行ってください。
あともう一つポイントを紹介しておくと、「あいうべ体操」を始める前に姿勢を正してください。これも意外と大切なポイントです。
猫背で背中が丸まって顎が落ちていると、顔の筋肉が動かしにくいので小さくなってしまいますし、肺も大きく膨らんでくれません。
そういう意味では「あいうべ体操」の前に深呼吸を合わせても良いかと思います。自然と背筋が伸びてくれるので、より効果を引き出しやすくなります。
ただ顎関節症の人は無理をしないでください。過去に大きく口を開けた時に顎が外れた事がある人は、「あー」で大きく口を開けるのはほどほどにしておいた方が良いです。
初めて行う場合は皮膚や顎に痛みが出ない範囲で、大きく広げてみてください。慣れてくると少しずつ可動範囲も広がってくるので無理する必要はありません。
「いー」は歯を軽く閉じながら口を横にめいいっぱい開きます。
これは口周りの動きというよりも、首筋から鎖骨にかけての筋肉を刺激することが目的なので、首の皮膚が持ち上がるのを感じながら行ってください。ちなみにこの動作はリンパの流れを整えることにもなります。
リンパマッサージでも鎖骨のくぼみに流す事が多いのですが、「いー」の動作は自らの筋肉を使って刺激を与えられるので、顔のむくみなども解消されやすくなります。
「うー」は口をすぼめて前に突き出します。
軽いフレンチキスのようなものではなく、なるべく遠くに届けるかのように唇を前に突き出してください。想像以上に前に伸びると思います。
表情筋を引き締めたい人は、酸っぱいモノでも食べた時のように顔全体をすぼめてもOKです。個人的には「うー」の時は目をつぶった方が、より遠くに口が出るような気がします。
「ベー」は舌をなるべく外(下側)に出します。口を大きく開いてしまうと、あまり舌が出ないので、軽く口を開くだけでOKです。
これは恥ずかしからずに行うのがポイントです。鏡の前で確認しながら行うと、さらにもう一つ上のレベルに行けるかと思います。
ちなみに舌は身体が緊張しているほど出にくくなります。姿勢を正して行うのと、猫背で行うのでは舌の出しやすさが全然違うものですよ。
個人的には「あいうべ体操」の中で、この「べー」と舌を出すのが最も効果的だと感じています。身体の緊張状態によって随分と結果が違うので、その時々の体調を推し量る目安にもなってくれます。
どれも痛みが出るほど行う必要はないですが、姿勢を正してリラックスしながら行うことで、一つ上のレベルに行けるので意識してみてください。
これらをワンセットとし、朝昼晩に十回ずつ「あいうべ体操」を行ってみてください。大した時間はかかりません。歯磨き後や食後やお風呂などの習慣と合わせて取り入れてみてください。
ちなみにより効果を引き出したい方は、必ずしも「あいうべ」だけにこだわる必要もありません。積極的に「あいうえお」と大きく口を開けて行っても効果はあります。余裕がある人は「あ~ん」まで大きな口を開けてやってみるのも良いかと思います。
まとめ あいうべ体操で豊かな表情を!
「あいうべ体操」は凄くに簡単な体操にも関わらず、様々な効果が期待出来ます。
唾液の分泌が促されて口内環境が良くなると、マウスウォッシュや舌磨きといったものも必要なくなるかも知れませんし、虫歯予防や歯周病予防にもつながるので、将来的には医療費の節約にも役立ってくれるかも知れません。
特別な道具も必要ないので節約との相性もバッチリです。ぜひ日常生活に「あいうべ体操」を取り入れてみてください。
口周りの筋肉や舌の筋肉がスムーズの動くようになると、呼吸の質が大幅に改善されます。これは年がら年中ずーっと役に立つということです。一度の呼吸の質や量が僅かでも改善されると、それは積み重なって大きな効果につながります。
唾液の分泌も同様です。口内環境を整えるだけでなく、食べた物の消化の助けにもなるので、内臓の疲労といったものも軽減できるかも知れませんし、近年では唾液には様々なホルモンが含まれている事が分かってきたので、精神的にもメリットがあるかも知れません。
単純にフェイスアップ効果を狙って「あいうべ体操」を行うのも悪くないのですが、本当に様々な効果を気軽に手に入れられるので、ぜひ習慣にしてみてください。
ちなみに「あいうべ体操」は日本人の発声方法と相性が良いと考えられます。日本語は腹話術にとっては難易度が低い言語なのですが、この理由は日本語は欧米の言語と比べて母音が少なく、舌や表情筋をあまり使わずとも発声できるからです。
日本でアニメ文化が発達したのも同じ理由です。日本語はアニメのキャラクターがシンプルに口をパクパクとするだけでも違和感がないのですが、母音の多い言語だと口の開きと発声が一致しないと違和感が出てしまうので、欧米のアニメだと先にセリフを録音してから、アニメのキャラクターの口の動きを合わせる手間があります。
日本語は口を大きく開けたり複雑な舌の動きが求められないだけに、アニメを制作する上で相性が良かったのですが、そのような言語なだけに口周りの筋力が衰えやすい傾向があります。
だからこそ「あいうべ体操」と相性が良いのではないでしょうか。普通に話しているだけだとなかなか刺激を与えれない筋肉が多いので、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。
日頃から表情の筋肉を使っていないと自然と口角が下がってしまい、黙っているだけで怒っているように見えてしまいます。これが改善されるという事は、人として魅力がアップするということでもあります。
人と話す機会が減ってきた人ほど「あいうべ体操」の効果が得られると思うので、ぜひ挑戦してみてください。鏡の前で行う事でどんどん上達していきますよ!
流石に人前では避けた方が良いと思いますが、自宅の中では恥ずかしからずの大きく口を開けて行いましょう!
追記 注意点
「あいうべ体操」は空気が乾燥しやすい季節は注意が必要です。大きく口を開けて皮膚が引っ張られると、唇の横がパックリと割れてしまうような可能性があります。
乾燥肌の人は湿度の高いお風呂の中で行うようにしてください。慣れるまでは無理をする必要はありません。慣れてくると自然と筋肉の収縮がスムーズになり、肌の皮膚も適応してくれるので大丈夫です。
顎関節症の人も気をつけてほしいのですが、慣れるまでは限界まで無理する必要はないので、ゆっくりと可動域を広げていきましょう。
ある程度口を大きく開ける事に慣れてくると、季節を問わずに「あいうべ体操」を行う事が出来るようになりますよ。
コメント
102歳まで生きたおばあちゃんが若くして亡くなったおじいちゃんの為に毎日お経をあげていたのですが、笑顔がとっても可愛いおばあちゃんで大好きでした。
もしかしたらあいうべ体操と同じようにお経のおかげで口内環境が良くなっていたのかも知れないと思いました。
私も可愛いおばあちゃんを目指して頑張ってみます!
by 匿名
アニメの話が面白いですね。確かにディズニーアニメの口は大げさに動いて違和感があります。
by 匿名