物を捨てられない
断捨離やミニマリストいう言葉が浸透し、物を捨てること、手放すことの様々なメリットが紹介されるようになりました。
当ブログでも様々な掃除や整理整頓のテクニックを紹介してきましたが、
一方でなかなか「物を捨てることが出来ない人」も多いのではないでしょうか。
テレビ番組で断捨離を行う場合は、掃除のプロやスタッフを巻き込んでいますし、時間の制約もあるので、なかなか物を捨てられない人でも決断することが出来ますが、一般の人がテレビや本の情報だけで、あそこまで思い切って物を捨てることは難しいと思います。
一つ一つも物と向き合いながらときめきを確認するのも大変ですし、思い出が蘇ってきて手が止まってしまう事もあります。
そこで今回は物を捨てることが出来ない人向きのハードルの低いテクニックを紹介します。小さな成功体験を積み重ねていくことで、物を捨てる習慣を身に着けていきましょう。
物を捨てる前の下準備
まずは物を捨てる前に下準備をする必要があります。
これを怠ると失敗してしまうので、気をつけてください。
断捨離本を読んだり、テレビの掃除特番を見て一時的に上がった「物を捨てるモチベーション」というのは、はっきりいって長続きしません。
掃除を手伝ってくれるスタッフもいませんし、時間の制約もありません。決断を促す掃除のプロもいません。
捨てるかどうか悩んでいる内にモチベーションが低下し、何も解決しないまま終わってしまいます。
日頃から整理整頓が出来ている人であれば、物を捨てることだけに集中出来ますが、部屋が散らかった状態ではやることが多過ぎて途中で息切れしてしまいます。
物を捨てる判断まで到達できません。
なので始めにやるべきことは、物を捨てるのではなく、物の捨て方を調べることがポイントです。
それについては別のところでも詳しく紹介しているのですが、
要は「燃えないゴミ」や「粗大ゴミの捨て方」をしっかりと理解するような事です。
「燃えるゴミ」の日ぐらいは誰でも理解していると思いますが、なかなか物を捨てられない人ほど、粗大ゴミや燃えないゴミの日を知らない傾向があります。
お住まいの地域の役所や公民館などにパンフレットがあるので、一度しっかりと確認してください。ホームページでも調べることが出来ます。
先に物を捨てる知識を頭に入れることがポイントです。
「燃えないゴミの日」や「粗大ゴミの出し方」といったものだけでなく、リサイクル出来るものなどを、しっかりと理解してください。
物を捨てる判断をする前に、これらをしっかりと理解する事で、その後の流れがスムーズになります。
これが出来ていないと、いざ思い立った時に行動にうつせません。
出来れば燃えないゴミ用のゴミ袋や粗大ゴミのシールなどを、掃除や断捨離をする前に用意してください。
ここでモチベーションが下がってしまうと、ズルズル今まで通りの物を捨てられない生活に戻ってしまいます。先に捨て方を調べることが先決です。
物を捨てられない人ほど、この知識が不足しているので、まずは捨て方を調べてください。
小さなスペースから始める
そして実際に掃除や物を捨てるのは、「小さなスペース」から行ってください。
テレビや掃除本ではリビングなどの大きな空間から始めますが、どうしても時間がかかってしまいます。
大人数の掃除のプロが行うのであれば半日で済むのかも知れませんが、自分で行うとなると考えながらの行動になり、まず一日では終わりません。
その内にモチベーションが下がってしまい、結局は作業が止まってしまいます。そして失敗したという気持ちだけが残ってしまいます。
テレビは見栄えのことを考えて、視聴者にわかりやすい変化を伝える必要がありますが、リビングの掃除や断捨離は素人には難易度が高いので、物を捨てることに慣れてから行った方が失敗が少なくなります。
なかなか物を捨てられない人へおすすめなのは、小さなスペースから取り組む事です。
始めは財布やバックなどの小物の中から掃除してみてください。
財布を整理整頓するのに何時間もかかることはありません。直ぐにゴールが訪れて達成感が得られます。
不要なレシートやポイントカードを処分し、軽く濡らしたタオルなどで汚れを拭き上げ、お札やカードの向きを揃えてください。
これだけなら数分で完了します。
財布が綺麗に整理整頓されると、そこで達成感が得られます。この小さな成功体験を積み重ねることがポイントになります。この成功の喜びを感じられると、次へのモチベーションに繋がります。
まだ時間に余裕ががあれば、もう少し大きなバックの中の物でも捨てようかなと考えられるような事です。
どちらもゴールが近いので途中で失敗することがありません。この小さな成功体験を徐々に膨らませていくことが、物を捨てられる人になるコツです。
- 財布
- バッグ
- 小物入れ
- 引き出しの中
- 戸棚の中
- 本棚
- タンス
- クローゼット
- 下駄箱
- 玄関
- トイレ
- 洗面所
- キッチン
- お風呂場
- 物置
- 車
- 寝室
- リビング
のように、少しずつスペースを広げていくことがポイントです。一気にすべての箇所に取り掛かる必要はありません。
少しずつ物を捨てながら成功体験を積み重ねていくと、リビングに挑戦する頃には整理整頓、掃除、物の捨て方に慣れています。
ゴミの分別や燃えないゴミの日などをしっかりと理解できています。
なので、物を捨てる判断に悩む時間が少なくなっています。
これらのようなモノを捨てるコツをつかむ前に、リビングのような一番の強敵に挑んでも上手くいきません。
物を捨てる事が出来ないという人ほど、ゴールが近い小さなスペースから取り組み、成功体験を積み重ねていってください。
先に整理された時の気持ちよさを体感してください。この気持ちよさを感じられるようになると、自然と部屋が整っていきます。
まとめ 成功体験
断捨離本のように「スパッ」と大きな物を捨てることが理想はありますが、一度本を読んだぐらいで直ぐに実践出来る人は多くありません。
よほど気持ちの強い人であれば、いきなり一人でリビングという強敵に立ち向かうことが出来るかも知れませんが、なかなか物を捨てる事が出来ない段階の人が、リビングのような大きな敵に立ち向かうのは酷な話です。
テレビの掃除番組のように掃除のプロによる援護射撃があれば可能かも知れませんが、一時的に沸き起こったモチベーションで立ち向かっても、あっさりと玉砕されて傷ついてしまいます。
物を捨てることが出来ない人は、整理整頓、掃除のスキル、レベルが低い状態なので、まずは燃えないゴミや粗大ごみの捨て方などを学び、実践するのは小さなスペースから初めてください。
いきなりリビングに取り掛かってしまうと、燃えないゴミなのか、粗大ゴミなのか、資源ゴミなのか、いつ捨てればいいのか、いくらかかるのか、などでいちいち悩むことになります。その度に手が止まってしまいます。
一方で小さなスペースであれば、掃除や捨て方を調べるのも簡単なので、少し手が止まってもゴールまで達成することが出来ます。
小さなスペースの掃除の積み重ねて達成感が得られると、掃除はどんどん楽しくなっていきます。
そして小さなスペースから出る燃えないゴミは僅かな量なので、有料のゴミ袋がスカスカの状態です。そのまま捨てるのがもったいないように感じてきます。
すると「他に捨てるものはないかな~」となるわけです。この時にリビングのような大きなスペースの不要な物を次いでに捨てられるので、いざリビングの物を捨てる時には楽になっているものです。
これが結構重要なポイントです。確実に勝てる小さな敵(スペース)と戦っているうちにコツを掴むだけでなく、大きな敵(スペース)の体力(不要な物)を削ぐ事が出来ます。
「掃除が苦手」「整理整頓が出来ない」「物を捨てることが出来ない」という人ほど、完璧を目指すのではなく、まずは確実に勝てる財布などの小さな相手と勝負してください
キッチン周りのように大きな空間を整理するのは大変ですが、「今日はキッチンの引き出しの中だけ」と決めて取り掛かれば、直ぐにゴールに到達して達成感が得られます。
ゴミ袋のスペースに余裕があれば、ついでにコンロ下の収納の不要な物を捨てる事ができるので、その次に本格的にコンロ下の整理をする時に楽になっています。
時間が余っていれば他の箇所の掃除や整理整頓をしてもいいですが、そちらはあくまでも次いでなので完璧さを求める必要はありません。
中途半端に終わっても心に傷は残りません。これがモチベーションを保つ為に大事な事です。
小さなスペースが整理された気持ちよさを、少しずつ膨らませていってください。その経験が快感に変わっていきます。
これは貯金箱に似ています。コインを入れる度に重たくなっていく貯金箱をもつことで、お金が貯まっていく実感が得られます。そこに気持ちよさを感じられるようになります。
この気持ちよさを頭で理解できるようになると、重たくなるという実感のない銀行の通帳でも快感が得られるようになっていきます。
お金を扱う経験がない子供ほど、貯金箱のような実感(重たくなる、ジャラジャラする)が伴う方が良いように、物が捨てられない人ほど、小さな成功体験を積み重ねて気持ち良さを知るメリットがあります。
掃除の気持ちよさ、物を整理することによる快適さ、物を捨てることによる気づきをまずは体験してください。これらを頭で理解できるようになると、普段から部屋が散らかることがなくなり、無駄な買い物も抑えられ、自然と節約にもつながるものですよ。
おまけ 情報の断捨離
どうしても物理的な物を捨てられない場合は、デジタル情報の物から捨ててみてください。
スマホやパソコンのデーターを整理するようなことです。
二度と見ることのないブックマークやデーターを処分してください。そして使いやすいようにフォルダに分けてください。
コンピューターという情報空間の中の整理でも、現実空間と同じように達成感を得ることができます。仮想空間であるゲームをクリアした時に心地よく感じるように、情報空間の断捨離でも気持ちよさを感じることができます。
いつでもダウンロードや閲覧できる情報を、わざわざスマホやパソコンのハードディスクに所有する必要はありません。
電話帳や写真も不要なものは削除して、スッキリとしてください。不要なメルマガなども削除しましょう。
パソコンやスマホの無駄なデーターを整理すると動作が早くなるように、物理的な空間の物を整理すると、あなたの思考や行動が早くなります。
必要のない情報、必要のない物のせいで、本当に必要な行動が鈍くなってしまいます。
本当に必要な物を所有する為にも、必要のない物を捨てる快感を知ってほしいと思います。
背負う物が増えるほど動きが鈍くなります。また物が増えるほど様々なリスクも高まります。
物が捨てられないという人ほど、この身軽になる快感を知ってほしいと思います。
この気持ちよさを理解できると、必要のない物が増えることに不快感をもつようになり、無料だからと何でも貰ってくるような事もなくなっていきます。
結果的に本当に必要な物だけに囲まれる生活になり、充実した人生になっていくと思いますよ。
コメント
大きなスペースから始めると上手くいかないのには同意します。たった一つの引き出しの中を綺麗にすると、ついつい次の引き出しを掃除したくなるものですよね。
by 匿名
すごく腑に落ちました。よくある掃除本では大きなところからすすめていますが、どうしても続きませんでした。小さなところなら完璧に掃除することができて、ついでに他の箇所も少しずつ片付いていく感じがとても良かったです。ありがとうございました。
by 匿名