台所洗剤の使い道
食器や野菜を洗う為に使う台所洗剤というのは、残留成分が口の中に入る可能性の事も考慮されているので安全性が高い洗剤です。
しかも多くの台所洗剤は中性なので、あらゆる箇所の掃除に利用できる洗剤でもあります。当ブログでも以前にお風呂掃除の洗剤の代用品として紹介した事があるのですが、
改めて調べてみると、他にもたくさんの使い道が見つかりました。
多くの専用洗剤は特定の汚れを落とすのに特化しているだけに、使い勝手や効率が良いのですが、台所洗剤は中性なだけに万能でリスクも低く、しかも濃縮されているのでコストが圧倒的に低いので、上手く活用すれば専用洗剤に頼らずに節約につなげられます。
基本的に洗剤が汚れを落とすメカニズムというのは、界面活性剤が汚れを浮かせてくれるのであり、そこに大きな違いはありません。
界面活性剤だけでは浮かせられないほどの頑固な汚れの場合は、汚れの酸性やアルカリ性に合わせて分解する事が求められるのですが、軽い汚れであれば台所洗剤のような中性洗剤だけで事足ります。
台所洗剤は食器や調理器具などに用いられるのはもちろんの事、野菜などを洗うのにも用いられるほどなので安全性も高く、水切れも良くて残留成分も少ないので、あらゆる箇所の掃除に代用するのに向いています。
そこで今回は台所洗剤の様々な使い道を紹介します。専用洗剤ほど使い勝手が良いとは言いませんが、たまに掃除をするだけなら十分かも知れませんよ。
眼鏡の洗浄
中性の台所洗剤は眼鏡の洗浄にも使えます。これは眼鏡屋さんのホームページでも紹介されている方法なので安心です。
まずは水道水で眼鏡についてるゴミや汚れを洗い流します。そして洗面器やバケツなどに数滴の台所洗剤を垂らして勢いよく水を注ぎ、泡立てた中に眼鏡を入れます。
眼鏡をぶつけないように軽く洗面器の中で振る事で、フレームの中の隙間の皮脂汚れが落ちてくれます。あとは手で撫でるようにフレームやレンズを優しく擦り、最後にしっかりとすすいげばOKです。
皮脂汚れは酸性なのでアルカリ性の洗剤と相性が良いのですが、眼鏡フレームの材質によってはアルカリ性は相性が悪いので、基本的に眼鏡専用の洗剤も中性なので台所洗剤で代用できます。
専用品だとスプレーで泡が出てくるなどの利便性があるので、頻繁に眼鏡を洗う必要がある人にとっては便利なものですが、たまにであれば台所洗剤で代用できます。
オシャレ着洗い
一般的な洗濯洗剤は酸性の汚れを落とす為に弱アルカリ性になっているのですが、シルクやウールなどの天然の油脂が含まれている素材の生地だと、強力過ぎて風合いが失われてしまうので、中性のオシャレ着洗いようの洗剤を使う必要があります。
これも台所洗剤で代用できます。クリーニング屋さんでもダウンジャケットのような油分が多い羽毛の衣類に用いる事があります。
オシャレ着用の洗濯洗剤と台所洗剤の一番の違いというのは、洗濯洗剤には「再付着防止剤」が含まれている事です。
これは他の衣類の汚れや繊維の色が他の衣類に移るのを防ぐ効果があるのですが、オシャレ着を単体で洗濯する場合には必要な成分ではありません。
自宅で優しく手洗いをするようなオシャレ着であれば、他の衣類の汚れは関係ないので中性の台所洗剤でも代用できます。
洗濯洗剤には他にも柔軟剤や漂白剤や蛍光増白剤などが含まれているので、生地の鮮やかな色味を保つような機能もあるのですが、これも生地の色や用途によっては必要な成分ではありません。
私は洋服を購入する時にメンテナンスが簡単なシワになりにくい素材を選ぶ事が多いので、そもそもオシャレ着洗いの洗剤が必要な衣類は多くないのですが、
睡眠の質を大きく左右するパジャマだけは、少し高価なシルクのパジャマを愛用しています。
以前はこのパジャマを洗濯する為だけにオシャレ着洗い用の洗剤(エマール)を用意していたのですが、現在は洗濯機に台所洗剤を数滴垂らして、洗濯ネットに入れてドライコース(優しいコース)で洗濯をしています。
シルクには漂白剤や柔軟剤を使用しない方が良いので、余計な成分が入っていない台所洗剤で十分どころか、むしろ向いているなと感じました
他の衣類といっしょに洗濯をするような場合は向いていませんが、単体で優しく手洗いするようなデリケートな衣類であれば、中性の台所洗剤と相性が良いと考えられます。
他にもシャツの襟や袖の黒ずみ専用の洗剤も売られていますが、このピンポイントの皮脂汚れにも台所洗剤は有効です。
中性なので専用品(アルカリ性)ほど皮脂汚れ(酸性)が落ちるわけではないのですが、よほど頑固な皮脂汚れでなければスッキリと落ちてくれます。
液体の洗濯洗剤も食べこぼしなどに汚れに直接染み込ませてから洗濯をする事で効率が良くなりますが、私はコスパの良い粉末洗剤を利用しているだけに、ピンポイントの汚れには台所洗剤が最適でした。
台所洗剤は価格が安いだけに大胆に使えますし、すすぎも良いので相性抜群です。流石に一般的な洗濯洗剤の変わりになるわけではありませんが、汚れの用途や生地よっては相性が良いので代用できます。
電気シェーバーの洗浄
電気シェーバーを使用していると、独特なイヤな匂いが発生してくるものですが、この洗浄にも中性の台所洗剤が活躍してくれます。
専用の洗剤も売られていますが、電気シェーバーのメーカーによっては液体のハンドソープで洗浄する方法が紹介されています。
このハンドソープで良い理由というのは、泡立ちの良い中性洗剤という点です(ハンドソープのメーカーによっては弱酸性ですが)。
専用の洗剤には殺菌成分や油分が含まれており、電気シェーバーの刃を保護するような機能があるのですが、台所洗剤で洗浄した後に電気シェーバー用のオイルを塗布するのであれば、他の洗剤で代用しても問題ありません。
水洗いできる電気シェーバーの洗浄であれば、中性の台所洗剤を一滴と水を少し垂らしてスイッチを入れるだけで、刃の隙間に挟まっている頑固な皮脂汚れが浮いてきてくれます。
電気シェーバーのイヤな臭いの原因は酸性の皮脂汚れなので、頑固な汚れの場合はアルカリ性の洗剤の方が効率が良いのですが、
定期的に掃除をする分には、中性の洗剤でも十分に汚れが落ちてくれるので問題ありません。これはあらゆる専用洗剤にも当てはまる事なのですが、頑固な汚れになる前であれば中性の台所洗剤だけでも代用できるものです。
トイレ掃除
一部のトイレ掃除用の洗剤は酸性なので「混ぜるな危険」と表示されているのですが、酸性の洗剤が必要になる汚れというのは、頑固な黄ばみや尿石や水垢が付着している場合です。
これらの汚れはアルカリ性なので強力な酸性の洗剤と相性が良いのですが、日頃のトイレ掃除であれば中性洗剤だけで問題ありません。
そもそも「混ぜる危険」と表示されていないトイレ用の洗剤は中性です。トイレ掃除をサボって頑固な汚れが付いてしまった場合は難しいですが、こまめに掃除をしている家庭であれば台所洗剤で十分に事足ります。
またトイレの水だまりに台所洗剤を数滴垂らして一晩ぐらい放置しておくと、ブラシが届かない箇所の掃除をする事もできます。パイプユニッシュのような専用洗剤が無くとも、パイプを傷めない台所洗剤のような中性洗剤で時間を味方に付ける事で何とかなるものです。
ちなみに尿石はトイレが乾いている時におしっこをすると付着しやすいので、朝一や帰宅時などでしばらくトイレを使用していなかった時に、用を足す前に少し水を流す事で予防する事が出来ますよ。流しそうめんのようなイメージです。
日頃からこのような事を意識している家庭であれば、頑固なアルカリ性の汚れが付着していかないので、台所洗剤のような中性洗剤だけでもトイレを綺麗な状態を保つ事ができます。
ちなみに頑固な汚れは酸性のクエン酸水でパックすると落ちやすくなりますよ。
酸性のクエン酸やアルカリ性の重曹といった物も、上手く活用すれば専用洗剤並み分解を行ってくれます。その後に界面活性剤がある中性の台所洗剤を用いる事で、大抵の汚れは落ちてくれます。
洗車
車の洗車も台所洗剤で代用できます。
水垢を落とす事に特化したカーシャンプーだと弱アルカリ性だったり、頑固なガラスの油膜を落とすような洗剤は強力な酸性という事もあるのですが、一般的なカーシャンプーも中性です。
プロの洗車業者だと、これらの強力な洗剤を汚れに合わせて使用し、その後にワックスなどでしっかりと保護するので問題ないのですが、素人が安易にこれらの強力な洗剤を使用してしまうと、塗装面を傷めてしまう事もあります。
頑固な水垢が出来てしまうと専用品でないと落ちなくなってしまうのですが、定期的に洗車をしているのであれば中性の台所洗剤で十分です。一般的なカーシャンプーよりも泡立ちが良く、しかも手にも優しいので相性は悪くありません。コスパも良いのでかなりおすすめです。
まとめ 中性の台所洗剤は万能!
基本的に洗剤が汚れを落とすメカニズムというのは同じです。界面活性剤が汚れと水分を馴染ませて浮かせて落としてくれます。
頑固な汚れだと酸性やアルカリ性に合わせて分解しないと落ちない事が多いので、様々な専用洗剤が売られているわけですが、こまめに掃除をするのであれば、中性の洗剤でも綺麗に落とす事ができます。
中性の台所洗剤の洗浄力を引き出すポイントは、何といっても泡立てる事です。
洗顔や歯ブラシの使い方となると、しっかりと泡立ててから優しく泡を震わせる方法を意識している人が多いのですが、その他の汚れも基本的には同じなので、しっかりと泡立てる事を意識してみてください。
デッキブラシなども力を入れて擦ってしまうと、毛先が倒れて力が逃げてしまうのですが、軽く震わせて擦ってあげると、毛先の力が伝わるだけでなく、泡立ちも良くなって汚れの隙間に入り込みやすくなります。
この泡立ちの良さという点でも、濃縮された台所洗剤は相性が抜群なので、使い道が意外なほど多いものです。
専用洗剤の中には泡立てる必要がないものだったり、泡がその場に留まりやすいような粘性があったりするので、使い勝手という意味では優れているのですが、それほど効率を重視しない箇所の掃除であれば、中性の台所洗剤で代用が可能です。
もちろん頑固な汚れの場合は、酸性やアルカリ性の洗剤の方が相性が良いのですが、日頃から小まめに掃除をする分には必ずしも専用洗剤でなくても問題ありません。
少量でも泡立ちが良い中性の台所洗剤というのは、本当にコスパが抜群で使い道が豊富なので、節約家の皆さんは専用洗剤に頼る前に試してみてください。
今回紹介した台所洗剤の使い道をまとめると、
- お風呂掃除
- 眼鏡の洗浄
- 電気シェーバーの洗浄
- トイレ掃除
- 洗車
となるのですが、他にも窓掃除や床掃除などにも使えますし、食べこぼしの染み抜きにも使えますし、絨毯の染みを叩いて移すような時にも使えますし、プラスチックの汚れを落とす事にも使えます。
ネットで調べてみると化粧道具のパフを洗浄にも使えるようでしたし、防虫剤として使用しているケースも見つかりました。使い道は本当に豊富でした。
日頃のトイレ掃除だとブラシに台所洗剤を一滴垂らせば十分に泡だってくれますし、お風呂掃除でもスポンジに三滴ぐらい垂らせば事足りてしまいます。
台所洗剤は何といっても価格が安く、濃縮されているので少量でも泡立ちが抜群です。大容量の詰め替えパックを選ぶ事でさらなる節約につなげられるので上手く活用してみてください。
そしてどの代用方法にも当てはまる事なのですが、基本的に洗剤は泡が汚れを包んで落としてくれるので、しっかりと泡立ててから使うように意識してみてください。たっぷり使ったからといって洗浄力が高まるものでもありません。
台所洗剤に使うスポンジには表裏で材質が違うタイプがありますが、あれは硬い面が食器洗いに適しており、反対側は泡立ちを良くする為に考えられています。
それだけ洗剤は泡立てる事が大事だという事なので、日頃からしっかりと泡立ててから使うように意識してみてください。
当ブログでは以前に泡立ちの良いタオルについて紹介した事があるのですが、
しっかりと泡立てる事で洗剤の使用量を抑えられますし、すすぎも良くなるので意識してほしいと思います。
高価な洗顔フォームを使用するより、安価な洗顔フォームでも泡立てネットきめ細かな泡をつくって優しく洗った方が綺麗になるように、洗剤の性能を引き出す上で大事なポイントです。
最後に注意点を紹介しておくと、台所洗剤の中には野菜や果物の洗浄に使用できないタイプもあり、それらの多くは中性ではありません。
弱酸性だと野菜や果物も洗えると明記されている事もあるのですが、弱アルカリ性の台所洗剤だと野菜や果物という表記がありません。
食品衛生法で台所洗剤に「野菜や果物が洗える」と表記できるのは、酵素や漂白剤などが含まれていない中性である必要があるので、油汚れに強い弱アルカリ性の台所洗剤の中には表記されていないタイプもあります。
といっても直ぐに手が荒れるものでもないので、あまり難しく考えなくても良いのですが、様々な用途に台所洗剤を使用するのであれば、「中性」と明記されているものを選んでみてください。