パジャマの機能
「パジャマ」は睡眠時に着用する衣服であり、寝間着とも言われます。
最近はパジャマを着ないで寝る方が増えているのだそうです。
パジャマを着ない派の方の意見をまとめますと、
- 着替えるのが面倒
- 急に出かける時に困る
- 洗濯物が増える
などがあります。
確かにどれも間違いではありませんが、パジャマにはこれらのデメリットを補って余りある効果があります。
そこで今回はパジャマで得られる6つの効果について紹介します。これらの効果を理解すると、パジャマを着ないという選択がもったいないと感じるようになると思います。
1 吸水性
人は睡眠時にコップ一杯以上の汗をかくと言われています。パジャマには睡眠時の汗を効率よく吸水する機能があります。
一般的な衣類の生地には化学繊維が使われていることもあり、必ずしも吸水性が優れているとは限りません。
またパジャマは吸水した汗を放出することにも優れています。
適当な衣類を選んで寝てしまうと、湿気がこもって寝苦しくなる可能性があります。
2 保温性
パジャマは体温調節がしやすいように保温性が優れています。特に夏用と冬用で大きく機能が違います。
夏のパジャマは体温がこもらないように、肌と生地の間の空気が抜けやすいような構造になっています。シャリ感のある生地でベタつきにくい構造になっています。
一方で冬用のパジャマは保温性に優れています。また裾や袖や襟の形を工夫(絞る)して、体温が逃げにくい構造になっていることもあります。
季節によって寝具を使い分けるように、パジャマも季節によって使い分けることで快適な睡眠が得られます。
3 寝返り効果
パジャマを着ると裸やTシャツ姿に比べて寝返りをうちやすくなります。
寝返りは良質な睡眠の為には非常に重要な要素と言われています。深い睡眠が得られないと感じている人の多くは、寝返りのタイミングで無理な力が入って目が覚めてしまい、睡眠が浅くなっています。
寝返りは主に布団との相性が問題ではありますが、裸やランニングのように肌の露出が多い状態で寝てしまうと、汗や皮脂で布団やシーツに張り付いてしまい、抵抗が増して寝返りがしずらくなってしまいます。
また衣類によってはシーツや布団の繊維に引っかかりやすいこともあります。一方でパジャマの生地はそのようなことがありません。チャック式のパジャマなどありません。
ベッドやマットの質、低反発や高反発の布団によっても寝返りの質が大きく左右されますが、パジャマの質も大きく影響を与えます。
4 寝具の汚れ
布団やシーツが汚れる最も大きな原因は、人間の肌から付着する汗や皮脂汚れです。
皮脂汚れが生地に付着すると酸化が始まり、徐々に生地が傷んでいきます。そしてダニが繁殖しやすくなってしまいます。
睡眠時に裸やTシャツ短パンだと、どうしても汗や皮脂汚れが寝具に付着しやすいというデメリットがあります。
多くのパジャマが襟付きなのは、首元の汗や皮脂汚れを寝具にうつさない効果があるからです。シーツや布団の洗濯は大変ですが、パジャマや枕カバーだけであれば日頃の手入れが簡単になるというメリットもあります。
5 睡眠スイッチ
「やる気スイッチ」という言葉がありますが、パジャマを着るということは「睡眠スイッチ」の役割を持たせることになります。
例えば警察官が制服を着た途端にビシッとするようなことです。他にも運動着に着替えたり、エプロンなども当てはまります。
パジャマを着ることは、ここまで紹介してきた睡眠の質を向上させる物理的な効果の他に、精神的にも睡眠モードになる意味があります。
朝にコーヒーを飲むとカフェインで覚醒作用があることは有名ですが、実際にはカフェインの効果があらわれる前に、コーヒーの香りや味によって精神的な安堵感や目覚め感が得られて、それが「目覚めスイッチ」になるわけです。
寝る前にパジャマを着ることは、睡眠へのルーティンになります。身体が副交感神経優位になり、リラックスして体温が下がり、身体が「睡眠モード」になります。
ルームウェアのまま眠る方だと、このスイッチが働きません。あえてパジャマに着替えることで、心身共に寝る態勢へ導かれることになります。
6 美肌効果
良質なパジャマに多く採用されているシルクという素材には、美肌効果が期待できます。
シルクは蚕からできており、人間と同じ動物性の糸です。肌への負担が少ないだけではなく、シルクの細かい繊維が肌のキメを整える効果があります。
女性用の洗顔タオルやスポンジなどにも採用される素材です。
また非常に肌触りが良く、夏はサラサラで快適、冬は保温性に優れて暖かいので、多くの高級パジャマに採用されています。
高級パジャマは節約という意味では難しい選択かも知れませんが、節約して貯めたお金を、長期的な健康の為に投資するという意味では、素晴らしい選択だと思います。
6時間という睡眠時間でも質は大きく差があるものです。良質な寝具で深い睡眠が得られれば、日中のパフォーマンスも向上し、病気も遠ざけることになります。結果的に大きな節約につながる可能性があります。
まとめ パジャマなしは損!
パジャマを着ることの効果をまとめると、
- 吸水性
- 保温性
- 寝返り効果
- 寝具の汚れ
- 睡眠スイッチ
- 美肌効果
などですが、要するに良質な睡眠を得やすくなる効果が期待できます。
「餅は餅屋」です。
暑くて寝苦しい夜を過ごすと疲れは取れません。余計な汗をかくと肌がべたついて布団やシーツに絡まって悪い夢を見るかも知れません。
またTシャツをパジャマ替わりにすると布団やシーツが皮脂汚れや汗がつきやすくなり、その汚れがまた次の日の睡眠時に新しいTシャツに再付着してしまいます。そのTシャツで外出するわけですから清潔ではありません。
人生の三分の一は布団の上です。別の記事でも「寝具の節約はおすすめ出来ません」と紹介したのですが、
寝間着姿も睡眠の質に大きく影響を与えます。たかがパジャマと思わずに大切にしてほしいと思います。
「パジャマなんか必要ない」という考え方では大きく損をしています。たとえ僅かでも睡眠の質が向上する可能性があるのであれば、全力でそのメリットをつかみ取ってください。
人生の三分の一の質の向上です。それが毎日ずっと積み重なっていきます。
様々な健康食品にお金を使うことが悪いことではありませんが、寝具やパジャマのことも忘れないでください。睡眠の質が1%でも向上すれば、残りの人生全てに好影響を与えます。
良質なパジャマは間違いなく睡眠の質を向上させてくれます。様々なパジャマがあるので、それぞれの睡眠環境に合わせてしっかりと向き合ってほしいと思います。
良質なパジャマを見極めるポイントは国産のメーカーを選ぶことです。やはり日本の気候には日本のメーカーがあっています。
また様々な衣類メーカーがパジャマを販売していますが、大手の下着メーカーのパジャマもおすすめです。
睡眠時の環境は国や文化によって違います。やはり日本の気候に合わせて作られている日本のメーカーのパジャマを選ぶことが、失敗しないポイントになると思います。
健康の為には食品選びや運動も大切ですが、睡眠の質を向上させるパジャマにお金をかけるということは、節約という意味でもコストパフォーマンスは非常に高いのではないでしょうか。
良質な睡眠は健康への影響だけではなく、一日を過ごす活力にもなります。目覚めの良い朝は毎日を豊かにしてくれます。
たまにしか着ない外出着にお金をかけるより、毎日のように着用するパジャマにお金をかけた方が、ずっと意味があると思います。
パジャマを着ない派の方も、一度パジャマにチャレンジしてみてください。毎日着替える洋服よりも、ずっと大切な洋服だと認識できると思います。