暖房費を節約するポイント
私は北海道に住んでいるということもあり、冬になると暖房費の負担が気になってしまいます。
特に今年は灯油代が高いので、例年以上に気をつけなければなりません。
そこで今回は私が実践している暖房費を節約するポイントを紹介します。全て取り入れるのは大変かも知れませんが、一つでも出来そうなものがあれば挑戦してみてください。
1 カーテンの開閉
晴れる日の朝ほど放射冷却で気温が低くなるものですが、その朝日の熱を積極的に室内に取り入れることで、暖房費を節約することが出来ます。
これは車で考えるとイメージしやすいと思います。北海道の冬場でも日が当たっている車の中というのは、かなり暖かくなるものです。
部屋の窓の向きにもよるのですが、東側に向いている窓があれば朝方にカーテンを開けて、積極的に太陽の熱を室内に取り入れてください。
カーテンは外の寒い空気の進入を防ぐ効果があるのですが、太陽が出ている時間帯は開けた方が効果的です。出来ればレースのカーテンも開けた方が良いぐらいです。
これを意識するだけで、暖房の設定温度に部屋が温まるまでの時間が劇的に早くなりました。
私が使用しているストーブのスイッチを入れてから暖かい暖房が出てくるまでに1分ぐらい時間差があるのですが、カーテンを開けておくとその1分の間に1℃ぐらい温度が上がることも珍しくありません。
カーテンの開閉は南側の窓や西日でも同じですが、逆に日が入らなくなったらいち早くカーテンを閉じて、熱を逃がさないのもポイントになります。
さらに細かな事をいうと、窓の汚れ具合によっても日の入り具合が変わります。窓を開けることがない冬場は網戸なども外してしまった方が、太陽の熱を有効活用することが出来るので意識してみてください。
2 窓枠のサッシ対策
北海道の窓は機密性を高める為に二重になっていることが多いのですが、それでも隙間から冷気が入り込んできます。
この対策として窓の下の方に厚紙の壁を設置して冷気をシャットアウトするグッズが売られています。
冷たい空気ほど下に貯まるので、冷気が侵入してくる窓際にこのようなグッズを設置すると、下の方に貯まる冷気と室内の温かい空気の間に蓋がされます。
このようなグッズに頼るのも悪くないのですが、見た目ににこだわらなければダンボールで簡単に自作できます。包装紙でもかぶせれば、見た目も悪くありません。
ちなみに同じようなグッズで窓に張り付けてしまうタイプもあるのですが、それだと太陽の熱を取り込むスペースも少なくなってしまうので、個人的にはダンボールのように簡単に動かせるタイプの方がおすすめです。
窓の設置位置によってはダンボールでカバーするのが難しいので、その場合は張り付けるタイプを検討してみてください。
他にも二重窓の間のサッシに新聞紙を詰めるのも冷気をシャットアウトするのに効果的です。
あまり入れすぎると見た目が悪くなってしまうので、窓枠の高さに合わせる程度に抑えましょう。
これは北海道の住宅のように窓が二重でないと難しいかも知れませんが、冷たい空気が入ってくる通気口がある窓であれば、一部を塞いでみるのも良いかも知れません。全てをガッチリと塞いでしまうと、部屋の換気が悪くなってしまうかも知れないので、軽く新聞紙で抑えるぐらいが丁度良いかと思います。
3 スリッパ
冷たい空気が下に貯まるように、室内でも足元から冷えを感じることが多いものです。
身体が温かくても足元が冷えているだけで、暖房のスイッチを入れたくなるものです。
そこで有効なのが「あたかいスリッパ」です。
靴下を二重に履いたり、もこもこの靴下でもいいのですが、やはりスリッパを履いた方が指先の熱が奪われにくくなります。
絨毯がある家庭であれば必要ないかも知れませんが、床暖房は絨毯があると熱が遮られてしまうので、むしろ暖房効率は悪くなってしまいます。
ストーブのような暖房器具だと絨毯のおかげで床に熱が奪われない効果もあるのですが、床暖房がある家庭であれば、むしろ絨毯はない方が暖房効率が良くなるので、あたたかいスリッパの方が相性が良くなります。
またアパートのような集合住宅だと、下の階の暖房の熱が伝わってくることがあります。これも絨毯があると遮られてしまうので、それほど絨毯にこだわりがない家庭であれば、あたたかいスリップぐらいの方が暖房費の節約につながります。
冬用のスリッパといっても100円ショップで売られているので、一つ用意しておくと良いかと思います。
4 洋服選び
寒い冬場にTシャツのような薄着の人は少ないと思いますが、Tシャツの上にフリースのような温かい服を着るより、長袖のシャツの上に着た方が効果が高まります。
ちょっとしたことですが、肌着のような一番下に着る洋服のタイプで温かさは段違いなので意識してみてください。同じような理由でタイツやステテコやももひきも有効です。
ダウンジャケットのように空気の層ができる構造の洋服だと、下に着る洋服は薄い方が体温を保ちやすい傾向があるのですが、フリースやセーターのような洋服だと下の着る洋服の質によって大きく温かさが左右します。
また上に着る洋服は袖や裾がすぼまったデザインも意識してください。せっかく体温で温められた空気が外に逃げてしまうと寒くなってしまいます。
暖かそうな素材の部屋着でも、このようなデザインの違いで全然ぬくもりが違ってきます。ズボンだと靴下の中に裾を入れて対処することも出来ますが、上着だと難しいので冬用の室内着の袖のデザインは重要なポイントになります。
個人的におすすめなのは機能性の高いタートルネックシャツです。実は私がタートルネックシャツを着るようには最近なのですが、
首元のように大きな血管が肌に近い箇所というのは、外気の温度の影響を受けやすいので、そこを温めると効果的です。もちろん手首でも足首も同様です。
これらのように洋服のデザインや機能によって保温性は大きく変わるので、暖房費を節約したい人は意識してみてください。ジャージのような風通しの良い洋服ではなく、温められた空気を逃さない洋服を選びましょう。
タートルネックが苦手だという人は、薄手のストールやタオルを首元に巻くのも良いかも知れません。もちろんマフラーでもOKです。
ちなみにマフラーは巻き方によっても温かさが変わります。
色々とオシャレな巻き方があるものですが、王道の「ワンループ巻き」にするとマフラーの生地が4重になるので、最も温かい巻き方だと言われています。これは外出時にも使えるテクニックなので、上手く使い分けてみてください。
5 鼻呼吸
実は呼吸方法でも体温の奪われ方が変わってきます。
全身毛に覆われている犬が舌を出して体温を逃がしているものですが、人間も普段から口呼吸だと体温が奪われてしまいます。
暖房で空気が乾燥しがちな冬場に口呼吸をしていると喉がやられますし、なるべくなら鼻呼吸を意識するようにしてください。
とんでもなく気温の低い屋外(マイナス20℃ぐらい)だと、鼻で呼吸すると鼻の中が凍ってしまうので、口をすぼめて呼吸しなければなりませんが、ある程度暖房の効いた室内だと、ポカンと口を開けた呼吸は体温を逃がしてしまうことになります。
これは暖房費の節約という意味だけでなく、健康の為にも大切な事なので、日頃から口呼吸を意識するようにしましょう。
冬に流行りやすい風邪やインフルエンザ予防にも役立ってくれますよ。
6 ドアの開け閉め
冷蔵庫の電気代を抑えるテクニックとして、ドアの開閉を少なくすることが有効だと言われていますが、これは部屋の暖房(冷房)にも当てはまります。
トイレに行くときなどにドアを開けっぱなしにしない事が大切です。ドアを開くにしても全開にするのではなく、適度に開いて直ぐに閉じるように心がけてください。
簡単な事のようですが、意外と多くの人がこれを意識できていません。
また外気が侵入してきやすい玄関ドアの隙間を埋めるテープを張るのも有効です。100円ショップやホームセンターで売られています。
他にも冷気が入り込んできやすい玄関近くのドアや、出入りすの少ない暖房がない部屋や物置のドアの隙間を塞いでおくと効果的です。
全てのドアに張るのは大変ですが、冷気が入ってきやすい箇所だけでも塞ぐ事で大幅に暖房効率が高くなってくれますよ。
ただし、厚手のテープを貼るとドアが閉まりにくくなるので、ほどほどの厚みのテープを選んでください。完璧に防ぐというよりは和らげるイメージです。
7 水分を取りすぎない
健康の為に水分を取るのは大事ですが、これにも限度があります。
よく「毎日2リットル以上の水を飲むことが健康に良い」といった情報がありますが、食品からも水分を取っていますし、身体の大きさも人それぞれ違うので、必ずしも2リットルもの水を飲まなければならないわけではありません。
暑い夏場は体温調節の為に汗を出して蒸発させるので、求められる水分量も増えるのですが、必ずしも冬場に同じ水分量が必要なわけではありません。
何故に水を飲み過ぎる事が暖房費の節約に関係があるかというと、おしっこの回数が増えるからです。
おしっこは体温に高い温度になっているので、回数が増えると体温が奪われる回数も増えてしまいます。
これは意外と見落とされがちなポイントです。
漢方には水毒という言葉もあり、水分の取りすぎが冷えを招くという考え方もあります。
もちろん水分を取るなということではありませんが、過剰に取りすぎる必要はありません。
特に毎朝冷たい水をコップ一杯飲むようなことは止めてください。冷たい水は胃の中から身体を冷やしてしまうので、冷たいアイスなどを食べるよりも悪影響だと言われています。
水分を取るにしても白湯かぬるま湯を少しずつ取り入れる方が、身体にとっても負担になりません。
同じような理由で利尿作用があるカフェインが含まれている飲み物も注意してください。コーヒーやビールを飲み過ぎると脱水状態になってしまう事があるように、過度に飲んでしまうと身体の水分や熱が奪われてしまいます。
8 着替えるタイミング
朝目が覚めて布団の中にいる時というのは、体温も安定しているので温かいのですが、そこから着替えるまでに時間をかけてしまうと体温が一気に奪われてしまいます。
目が覚めて直ぐにトイレに行く人も多いと思うのですが、私は身体が温かいうちに着替えてしまいます。
これを怠ってパジャマのまま歯を磨いたりして時間をかけてしまうと、一気に体温が奪われてしまいます。
布団から出たら直ぐに暖かい服に着替えましょう。前日に布団の近くに部屋着を用意しておくことがポイントです。
ちなみに温かい部屋着のまま寝るという方法もありますが、個人的には良質な睡眠を得る為にも冬用のパジャマがおすすめです。
室内着の中には睡眠を妨げてしまう生地もあるので、きちんと使い分けるようにしましょう。」
9 大きな筋肉を動かすトレーニング
運動や筋トレを行うと体温が上がりますが、暖房費を節約するという意味では、なるべく大きな筋肉を動かすのがポイントです。
ダンベルを持って特定の筋肉を鍛えるようなトレーニングではなく、腕立て伏せやスクワットのように大きな筋肉を動かしてください。
これを裾や袖がすぼまっている保温性の高い洋服を着てから行うと、直ぐに全身が暖かくなってきます。
ちなみに私は目が覚めて着替えてトイレに行ったあと、お湯を沸かしながら歯を磨いているタイミングで軽くスクワットをしています。
本格的なスクワットではなく、軽く膝を曲げる浅いスクワットでも十分に身体が暖かくなってきます。それからお湯を少しずつ飲みながら睡眠中に失われた水分を補給をしています。
10 暖房器具の選択
暖房器具は地域や住宅環境によって違いますし、自由に選択できるとも限らないのですが、灯油ストーブであれば備え付けのタンクに配達してもらうよりも、ガソリンスタンドなどで買ってくる方が安いので節約になります。
ガスは地域によっても違うのですが、プロパンガスよりも都市ガスの方が安い傾向があります。
都市部だと契約するガス会社を変えることで節約することもできるので、見積もりサイトなどで一度調べてみてください。
また灯油ストーブやガスストーブはホコリが貯まってくると効率が悪くなります。これらを定期的に掃除することでも暖房効率が高くなります。
電気ストーブやエアコンによる暖房だと、電気代が安い電力会社に変えるのが有効です。こちらも見積もりサイトが参考になるかと思います。
北海道では少ないですが、冬の暖房をこたつだけで乗り切れる地域の人もいると思います。こたつは限られた空間だけ温めるので、かなり暖房効率の良い器具です。
ちなみに私はアパートに住んでおり、備え付けの灯油ストーブを使うことが義務付けられいる(ポータブル禁止)のですが、昨年の冬に故障してしまい、不動産会社に連絡して新しい灯油ストーブに変えてもらいました。
すると温まるまでの時間も劇的に早くなり、しかも灯油の消費量も少なくなりました。
灯油ストーブの性能の違いなのか、それとも前のストーブの内部が汚れていて効率が落ちていたのか分かりませんが、極端に古い暖房器具は暖房費が高くついてしまうかも知れないので、長い目で見ると思い切って買い替えた方が節約になる可能性があります。
新しいストーブは掃除も簡単なので、古いストーブを使っている方はメンテナンスのしやすさという意味でも、買い替えを検討する価値があると思います。
11 サーキュレーターは微妙・・・
暖房で温められた空気は室内の上の方に貯まるので、サーキュレーターを取り入れると暖房効率が良くなると言われているのですが、これは部屋の大きさや天井の高さによって効果が大きく変わります。
天井が高い家や吹き抜けになっている家であれば、かなり効果的だとは言われているのですが、一般的な天井の高さの部屋だとそれほど効果を実感できません。
昔ながらのストーブだと熱が上に行きやすいのですが、ファンヒーターのような送風機能がある暖房器具の多くは、下向きに温風がいくようになっています。
最近のエアコンもこの辺の事は考えられているので、わざわざサーキュレーターで循環させなければならないわけでもありません。
サーキュレーターの効果が全くないとは言いませんが、部屋のサイズによっては期待するほどの効果があるとは限らないということです。
そもそもサーキュレーターは部屋が広くて天井が高い欧米で普及しているものです。日本の住宅環境と相性が良いとは限りません。
サーキュレーターの効果を試すだけなら扇風機などでも可能なので、本格的なものを購入する前に一度試してみてください。
12 湿度管理
暖房器具を使うと空気中の水分が乾燥してしまいます。実は湿度が低くなると肌も乾燥して寒さを感じやすくなる傾向があります。
部屋の温度だけでなく湿度の管理も暖房費の節約にとって重要なポイントなので、部屋の加湿も意識してみてください。
昔ながらのストーブであれば上にヤカンなどを置いて対処できるのですが、エアコンやファンヒーターだと別に対処する必要があります。
加湿器を使うのも良いのですが、電気代も掛かりますし、加湿器のメンテナンスを怠ると内部からカビて胞子が部屋中にばらまかれるリスクもあるので、個人的にはあまりおすすめしません。
実際に私が結婚していた頃に元嫁が欲しいというので、加湿器を購入したことがあるのですが、数ヶ月も使用していると妙な匂いが漂うようになり、フィルターの交換が必要になりました。
加湿をするだけならお金を掛ける必要はありません。適当な容器に水を入れて新聞紙でも挿せば水分が蒸発しやすくなるので、加湿器替わりになってくれます。
カビてしまっても簡単に交換できますし、暖房が不要な時期になれば処分すればいいだけです。
他にも暖房が効いている部屋に洗濯物を干したりなど、いくらでも対処できます。必ずしも加湿器が必要なわけではありません。
空気中の乾燥は風邪などにも影響があるので、暖房器具を使用する部屋こそ、空気の乾燥も意識してみてください。
まとめ 住宅環境も考慮しよう!
今回紹介してきた暖房費を節約するポイントをまとめると、
太陽の熱を積極的に取り入れ、部屋に進入してくる冷気をシャットアウトし、体温が下がらない工夫をすることです。
単純に暖房費の節約となると暖房器具の使用頻度を下げるしかないのですが、その為に出来ることがたくさんあるので、取り入れられそうなものがあれば、挑戦してみてください。
効率の良い暖房器具に買い替えることも有効ですが、これも全ての人が出来るわけではないので、無理なく暖房器具の使用頻度を抑えられる工夫がないか考えてみてほしいと思います。
ちなみに私と同じ北海道に住んでいる知り合いで、ほとんど暖房費が掛からないという知人がいます。その人は四方が住宅に囲まれているマンションに住んでおり、リビングの大きな窓が南側を向いており、1~2月の最も寒い時期でも朝方だけストーブをつければ十分なのだそうです。
気温の低い北海道でも、住宅環境次第で暖房費はかなり違うものです。
集合住宅でも日当たりが悪かったりすると余計な暖房費が掛かりますし、一階の角部屋だったりすると、これらの恩恵が受けられないかも知れません。
古いアパートだとすきま風も多いですし、断熱材なども少ないかも知れないので、家賃が安くても暖房費が掛かって節約にならないかも知れません。
現在住んでいる部屋の暖房効率が悪い人は、引っ越しを検討することも長い目でみると暖房費の節約に役立つかと思います。
他にも子供が巣立っていったのにの関わらず、大きい家に住み続けてしまうと冷暖房費が余計にかかってしまうように、必要十分な部屋のサイズという視点も、節約にとって大切なポイントです。
この視点を広げると、さらに凄い選択肢も考えられるようになります。
かなり昔にテレビで見たのですが、ある芸人さんが売れなくてお金がなかったころに、自宅の中にテントを張って暖をとっていました。
暖房器具がなくても小さなテントの中にいると、自分の体温だけでテント内が温められるのだそうです。この為にテントを買うのはどうかと思いますが、空間を狭めることで温かくなるのはイメージできるのではないでしょうか。
天井が高くて広い部屋でないと落ち着かない人もいるとは思いますが、必要十分なサイズに抑えることで、余計な費用が発生しなくなるものです。
細かな事をいえば掃除の手間だって減りますし、もちろん家賃といったものも下がるので、総合的な節約につながっていきます。
今回紹介した暖房費を節約する方法すべてを取り入れるのは大変かも知れませんが、出来そうなことがあれば取り入れてみてください。隙間風を防いだり、ドアの開閉を意識するだけでも随分と違うものですよ。
持ち運び可能な暖房器具であれば、狭い部屋で過ごすというような選択肢も考えられると思います。ちょっとしたことで暖房費は結構変わるものなので意識してみてください。