掃除機は必要?
当たり前の事ではありますが、掃除機が生まれる前はホウキや雑巾がけで掃除をしていました。
一方で現代では掃除機を使用することが当り前になっていますが、果たして本当に全ての家庭に掃除機は必要なのでしょうか?
掃除機を使う事が悪いという事ではないですが、家庭環境によってはそれほど必要性は高くないのかも知れません。
そこで今回は掃除機が必要な人、必要ではない人の差について考察します。当たり前に受け入れている常識を意識に上げて、改めて考えてみることで無理なく掃除機を手放せるかも知れません。
掃除機の強み
掃除機の強みは何と言っても吸引力です。ホウキや雑巾がけでは届かない隙間のホコリを吸い取ることが出来ます。またノズルを伸ばすことによって、ソファーの下などの手が届かない箇所の掃除もしやすい特徴があります。
そして何といっても掃除機の吸引力が必要なのは「絨毯」の掃除です。
絨毯の繊維に絡まっているホコリやダニの掃除に関して言えば、ホウキや雑巾ではどうにもなりません。
家中に絨毯を敷き詰めている家庭では、掃除機を手放すことは現実的ではありません。
逆に考えると、強力な吸引力が求められる大きな絨毯さえなければ掃除機を手放すライフスタイルが可能という事でもあります。これが一つの目安になるかと思います。
ちょっとしたキッチンマットなど、家庭によってはそもそも必要がないかも知れませんし、小型のものであれば洗濯をしたり、屋外に持ち出してホコリを払ったり、叩いて掃除をする事でもできます。
強力な吸引力が必要な掃除の箇所がなければ、ホウキや雑巾はもちろんの事、現代ならお掃除ワイパーでサッと掃除をした方が短時間で済むかも知れません。
フローリングが中心の家庭であれば、このような不要なマット類を減らしていく事で、掃除機がなくても困らなくなるかも知れません。
掃除機のデメリット?
次は掃除機のデメリットについて考えてみます。
掃除機のデメリットというのは「騒音」ではないでしょうか。集合住宅では掃除機をかける時間帯を気にする必要があります。
さらに細かくわけていけば、掃除機の購入代金や収納スペース、電気代や紙パック代もかかります。
最新の掃除機は小型化もすすみ壁に立てかけておくことも出来るので、収納スペースの問題は昔よりも減っており、紙パックもサイクロン式であれば問題になりません。
ですが、安いサイクロン式掃除機だと吸引力を保つのにこまめにフィルターの掃除をしなければなりません。
これには結構な手間と時間がかかるというデメリットがあります。私自身も所有していましたが、はっきりいって紙パック式の頃の方が良かったと感じたものです。
もちろん高価なダイソンのような最新式のサイクロン掃除機であれば、フィルターの掃除も簡単になっているそうなので、これらも問題にはならないかもしれませんが、それなりの出費を覚悟しなければなりません。
ダイソンの掃除機の購入者のレビューをみると意見が分かれているのですが、一定数の人がバッテリーの劣化の問題をあげています。少し古いタイプだと交換できなかったり、交換できたとしても1万オーバーで高くついてしまいます。
充電式の掃除機はスマホの電池のように徐々に使用時間が短くなってしまうのが宿命なので、大きな家だと一度の充電で時間が足りなくなるかも知れません。
コードレス掃除機は便利なものですが、自宅に大きさによってはコードがあってもそれほど不便なわけでもありません。
それこそコード付きの掃除機に戻す家庭もあるぐらいなので、必ずしも最新の掃除機が優れているとは限りません。
手放しても問題ない家庭
小さなラグマットやキッチンマットのようなものであれば、外に持ち出してホコリを叩くことも出来るので、必ずしも強力な吸引力がある掃除機が必要なわけではありません。
私のライフスタイルもこれに当てはまります。
私自身は絨毯がある家庭で育ったこともあり、一人暮らしをし始めた頃は当たり前のように絨毯も購入したのですが、その後に様々な人のライフスタイルに触れていく事で、むしろ絨毯がない方が向いていると判断しました。
ソファーのようなちょっとした布製品であれば、「コロコロクリーナー」だけでも綺麗に掃除をする事が可能です。
またソファーのようなものでも布の繊維が飛び散らないようなカバーを選ぶと、ホコリも減ってくれます。これはカーテンなどにも当てはまるのですが、綿やウールのような天然素材の生地ほど繊維が飛び散りやすい傾向があり、一方で化学繊維だと少ない傾向があります。
直接肌に触れる洋服の生地となると化学繊維と相性が悪い人もいるので、誰もが選べるものではありませんが、カーテンやマット類であればそれほど影響はないものです。
もちろん質感や見た目の風合いが違うので、譲れない人にとっては難しいと思いますが、掃除のしやすさを意識した物選びをする事で、ホコリそのものも減って掃除も楽になっていくものです。
カーテンをブラインドやロールカーテンにする選択肢もありますし、倉庫のような使い方の部屋であれば、そもそも必要ないかも知れません。
昔の日本ではこれらようなホコリの発生源そのものが少なかったので、ホウキや雑巾がけで綺麗な状態を保つことが出来ていました。
フローリングの掃除はホウキでもいいですし、お掃除ワイパーという便利なモノもあります。
お掃除ワイパーはそれほど高いものではないですし、使い捨てのシートは正規品でなければ安く手に入るので、それほど家計の負担になりません。
他にも100均で購入した毛ばたきも活用しています。毛ばたきはお掃除ワイパーでは難しい隙間や段差のホコリも絡めとれるので重宝しています。
基本的に現在の私の自宅の掃除は、この二つのアイテムだけで成り立っています(たまにコロコロクリーナーや雑巾がけもしますが)。
これらには掃除機のような騒音の問題もないので、時間を選ばないのもメリットです
個人的にはこれが掃除機を手放した一番のメリットだと感じています。汚れやホコリが気になった時にサッと掃除できるので、汚れを頑固にせずに済みます。集合住宅でなければ掃除機を使用する時間を気にする必要はないのかも知れませんが、物置や倉庫から取り出す手間があると、どうしても面倒に感じて億劫になってしまう事があるものです。
あくまでも家庭環境次第ではありますが、掃除機がなくても掃除に困らないライフスタイルというのは、意外と多くの家庭にも当てはまるのではないでしょうか。
絨毯が敷き詰められた広い家に住んでいるのでなければ、むしろ別の方法で掃除した方が効率的かも知れません。
「掃除=掃除機をかける」
と考えていると、なかなか手放す事を考えられないと思いますが、一度でも頭で考えてみると新たな視点や選択肢が見えてくるので、ぜひ一度しっかりと考えてみてください。ホコリが出ない物選びや掃除のしやすさを優先した物選びが出来るようになると、その内に無理なく掃除機を手放せるようになるかも知れません。
考えてみた結果、手放す事にならないにしても今後の掃除機の買い替え時に、コンパクトな物で十分と考えられるかも知れませんし、バッテリーの劣化の問題がないコード付きの方が良いといった選択肢も見えてくると思います。
ペットを飼っている家庭だと抜け毛の問題もあるので掃除機があった方が便利かも知れませんが、ペットだって掃除機の騒音でストレスになるので、音が小さい掃除機を選ぶような事だって考えられるはずです。
他にも家庭によってはお掃除ロボットとの相性が良いケースだって考えられます。お掃除ロボットは床に段差や物が多い家庭だと向いていませんが、お掃除ロボットが機能する家庭というのは、それこそお掃除ワイパーとも相性が良いので、上手く共存できるかも知れません。
まとめ 掃除機の意外な役割
現在所有している掃除機を直ぐに手放せとは言いませんが、頭の中だけでも一度考えてみる事で、新たな気づきが得られるものです。
これは掃除機に限った事ではないのですが、何となく一般常識や習慣だけで受け入れているもののせいで、余計な手間が増えてしまっている事があるかも知れません。私の例で言うと冷蔵庫や炊飯器といった物も当てはまりました。
もちろんこれらの物が必要な家庭も多いですし、無理に手放す必要もないのですが、頭の中で一度しっかりと考えてみる事で、求めている機能が明確になり、次の買い替え時の選択基準が変わるかも知れません。
掃除機が必要な家庭だとしても、毛足の長い絨毯が無くなれば吸引力がそれほど優れていない安価な掃除機で十分かも知れませんし、収納や使い勝手といったものを重視して、より自分の生活環境に相応しい物を選べるようになるのではないでしょうか。
なんとなく良さそうだからと、吸引力が落ちなくて紙パックもいらない最新式のサイクロン掃除機を選んでしまったばっかりに、一年ぐらいでバッテリーが劣化して使い物にならなくなったり、騒音問題に悩まされている人も珍しくありません。
私の周りでも何人かダイソンのコードレス掃除機を所有している人がいるのですが、びっくりするほど後悔している人ばかりです。充電がもたなくなってバッテリーを交換したら12000円したとか、高齢の女性だと昔ながらの引きずるタイプの方が軽くて良かったとか、ずっとレバーを握っていないといけなくて手が疲れるという人もいました。
最近は日本の家庭事情に合わせたモデルも売られているそうなのですが、わざわざそのようなモデルが販売されるという事は、それだけ不満を感じている日本人が多かった事でもあります。
もちろんダイソンならではの強力な吸引力を求めている人にとっては素晴らしい掃除機なのだとは思いますが、どの家庭にも相性が良いとは限りません。
頻繁に最新家電に買い替えていく家電好きの人ほど、カッコ良いデザインや機能性の良さをアピールしているものですが、長く使う人にとっては思いもしない落とし穴があるかも知れません。
絨毯がない学校の掃除には掃除機を使っていないように、意外と掃除機がない方が相性が良い家庭もあるかも知れないので、一度頭の中で考えてみてください。
おまけ 掃除機を手放して困った事
最後におまけで掃除機を手放した私が困った時の事を紹介します。手放す方法を紹介しておきながら言うのもおかしな話なのですが、誰もが掃除機を手放す事が良いと言いたいわけでもないので、あえて困った時のエピソードも紹介します。
まずは布団圧縮袋です。私はせまいアパート暮らしという事もあり、それほど収納スペースに余裕がないので、冬用の厚みのある羽毛布団を収納する時に布団圧縮袋を使用しているのですが、この時に掃除機の吸引力のお世話になっていたので困ってしまいました。
手で袋に詰めた布団を押し込む事で、そこそこ圧縮はできたのですが、流石にペタンコにまではならなくて困ってしまったのですが、その後に掃除機を使わずとも圧縮できる物を発見して事なきを得ました。
もう一つ困ったのがノートパソコンの掃除です。私が所有していた安物のノートパソコンがある時からファンが回りっぱなしになる事が増えてしまい、原因を調べてみると排気口にホコリが詰まって熱をもっているケースが見つかり、その対処法として掃除機で吸い取るとありました。
掃除機を手放してしまっているので困ってしまい、とりあえず実家に行った時にノートパソコンを持って行って吸い取ってみると、見事に元に戻ってくれました。
現在はデスクトップパソコンに買い替えているので、この問題はなくなったのですが、デスクトップパソコンでもファンの排気口にホコリが溜まってしまうので、時々スプレーのエアダスターで吹き飛ばしていました。
ただこれもバランスボールの空気を入れる足踏み式のポンプを活用する事で必要なくなりました。先を細いノズルにすると強力が風が出てくれるので、エアダスター替わりになってくれます。
この気づきが意外と大きく、吸引力が必要だった給湯器やファンヒーターのフィルターの掃除も出来るようになり、掃除機が無くても困る事がなくなりました。
これらのように掃除機というのは床掃除だけでなく、意外と役に立っている箇所もあるので、家庭によっては手放すと困る事が増えてしまうかも知れません。あくまでも相性の問題ではありますが、家電製品の中には掃除機による吸引が必要なものもあるので、普段の掃除はお掃除ワイパーだったとしても、物置に合った方が良いのかも知れません。
といっても私のように他の物で代用できる事もあるので、上手く見極めてほしいと思います。
何から何まで使い勝手の良い専用品を用意していると、お金が掛かるだけでなく収納スペースも奪われてしまいます。放置しているだけで劣化する物も多いですし、取り出すだけで一苦労する事も珍しくありません。
このような考え方を身につける為にも頭の中で考えてみる事が重要です。たまにしかお米を炊かない家庭なら鍋やフライパンで炊いた方がスペースの無駄になりません。
もちろん毎日ご飯を炊く家庭なら炊飯器は便利ですし、そこを否定しているわけではありません。コードレス掃除機も広い家や部屋数が多い家庭だと移動が楽ですし、階段の掃除もしやすいかと思います。
あくまでも相性の問題なので、しっかりと自分のライフスタイルと向き合って最適な物を選ぶようにしてください。
掃除機を手放しても問題ない生活を想像してみると、部屋のインテリアも含めて最適な選択肢が見えやすくなるので、一度しっかりと考えてみる価値があると思います。家庭によっては3000円ぐらいの小さな掃除機で十分かも知れませんし、逆にバッテリーが長持ちする高価な最新掃除機を選ぶ価値があるかも知れません。
ペットを飼っている家庭なら騒音が少ない掃除機にお金を掛ける価値があるかも知れませんし、物が多くて物陰が多い家庭ならノズルにライトがある掃除機がベストかも知れませんし、体力が落ちてきた人なら自走式(勝手に前に進む)の掃除機がベストかも知れません。
個人的には掃除機に頼らなくても良い環境づくりを意識した方が、日々の掃除が格段に楽になるのでお勧めなのですが、これも相性や考え方(潔癖症など)の問題でもあるので、一概に正解だとは言えません。
コメント
私もかれこれ十数年は掃除機を使っていません、箒だけで何とかなるものですよ
by ガスよ
ダイソンはうるさ過ぎて使いたくなくなる。結局クイックルワイパーに頼ってばかり。ホントに掃除機はいらんわ
by 匿名
ホコリが出る物を少なくするという発想が無かったのですごく参考になりました。今の生活だと掃除機は手放せそうにありませんが、周りの物を整理して、いつかこのレベルに到達したいです。
by 匿名