トイレの匂いの原因
少し前に古くからの友人である女性が離婚をしました。私自身も離婚を経験している事もあり、以前から色々と相談を受けていたのですが、なかなかの酷い夫だったようで、長い離婚協議を得てなんとか離婚にこぎつける事ができました。
彼女の気持ちは晴れ晴れとしているのですが、金遣いの荒い夫だったようで貯金がほぼないという状態で一人暮らしを始めました。
私は節約家という事もあり、地域の中でも比較的家賃の安いアパートに住んでいるのですが、彼女はさらに古いアパートに住む事になりました。
なるべくなら彼女の役に立ちたいと思い、車のない彼女の新生活の買い物に付き合ってあげ、様々な生活用品をもって部屋に行き、トイレを借りるとなかなかの異臭が漂っていました。
「トレイの芳香剤を買うのを忘れた!」
と彼女は笑っていたのですが、芳香剤で何とかできるようなレベルの匂いではなかったので、「私が活躍できるのはここだ!」とばかりにトイレ掃除に取り組む事にしました。
女性の部屋のトイレにはサニタリーボックスなどもあるので、その辺の気遣いは必要なのですが、彼女は引っ越して間もなかったせいか見当たらなかったので、「別にいいよ~」と遠慮している彼女を押し切って、無理やりトイレ掃除を開始しました(笑)。
トイレの匂いの原因は様々なので、一般的なトイレ掃除をしたからといって解決する問題ではありません。
私自身も今のアパートに引っ越してきた時にトイレの匂いに悩まされていたのですが、徹底的に掃除をする事で消臭剤なしでも気にならなくなった経験があるので、彼女の部屋のトイレをこれでもかと掃除をしてあげ、見事にイヤな匂いを和らげる事に成功しました。
そこで今回はトイレの匂いの原因として見落としがちなポイントを紹介します。これらと向き合う事で芳香剤や置き型洗剤といった物を節約できるかも知れません。
見落としがちな匂いの原因
一般的なトイレ掃除をしっかりと行っている事が前提ですが、それでもトイレ内にイヤな匂いが残っている場合は、いくつかの見落としがちなポイントを徹底的に掃除する必要があります。
1 ふちの裏の汚れ
トイレのふちの裏側の汚れは、一般的なトイレブラシでは掃除する事が出来ないので、意外と見落としがちなポイントになります。
最近は専用のブラシなどもあるのですが、トイレットペーパーを押し込んで擦るだけでも結構な汚れが落ちてくれます。
何度か繰り返していると汚れが付かなくなるので、そこでトイレ用の洗剤を吹きかけ、さらにトイレットペーパーで蓋をするかのように押し込んでパックします。
洗剤の成分によって拭き取れなかった箇所の汚れを分解する事ができます。ただしこの方法は手に触れると危険なので、しっかりと手袋をしてから行ってください。
10分ぐらい放置してから取り外し、一度水を流してから再びトイレットペーパーを押し込んでみてください。洗剤の成分で浮いた汚れが落ちてくれると思います。
2 壁紙
次はトイレの壁紙です。比較的新しい壁紙だと、消臭機能や汚れ防止機能などがあるので、あまり匂いの原因とはならないのですが、少し古い壁紙だとイヤな匂いを吸着している事があります。
この対策は絞った雑巾で拭き上げるだけです。トイレクイッククルのようなトイレ用の使い捨てペーパーで拭いても構いません。
パッと見は綺麗な壁紙でも想像以上に雑巾が汚れている事もあるので、むしろ使い捨ての方が便利かも知れません。
壁紙ではないトイレ内でも時々は拭き掃除をしてあげてください。僅かな隙間に溜まっているホコリが匂いを吸着しているケースがあります。
ただ壁の拭き掃除といっても手の届く範囲しか出来ないので、天井近くの壁紙や天井の壁紙も拭き上げるのがポイントです。
私は身長が高くて腕が無駄に長い体型なので、背伸びするだけで天井も拭けたのですが、そうではない人は脚立を使うなり、お掃除ワイパーなどで拭くのもおすすめです。
便座の上に立ってしまうと、割れてしまうような事もあるので気をつけてください。
また壁紙が匂いを吸着してしまうように、トイレットペーパーのホルダーやスリッパや便座カバーなどが匂いを吸着するケースもあります。
何年間も使用している場合は交換するなり、布製で洗えそうなものであれば洗濯してみてください。これらも意外と見落としがちな匂いやすいポイントです。
3 換気扇
天井の拭き掃除を終えたら、次は換気扇のカバーの掃除です。これはトイレによって違うかも知れませんが、意外とホコリが溜まっている事があるので、掃除機などで軽く吸い取るだけでも良いかと思います。
彼女のアパートのトイレには古い換気扇があったので、カバーを取り外して綺麗に掃除しました。さらに手の届く範囲で換気扇の内側も拭きました。
おそらく一度も掃除をしたことがなかったようで、雑巾が真っ黒になるほど汚れてしまいました。換気扇と同じように照明のカバーなども掃除しましょう。
4 ドア
たまにトイレの壁紙を拭き掃除している人は珍しくないとは思いますが、ドアには壁紙が張ってあるわけではないので、意外と見落としがちなポイントになります。
ドアにも尿はねがあるかも知れませんし、細かな隙間に入ったホコリが湿気を吸ってカビているかも知れません。
目に見えるほどの汚れがなかったとしても、実際に拭き掃除をしてみると結構汚れるものなので意識してみてください。ドアの取っ手も意外と汚いものですよ。
5 便座の隙間
一般的なトイレ掃除をしている人であれば、蓋や便座の裏側といった箇所も掃除しているとは思うのですが、細かな隙間となると意外と見落としてしまうものです。
細かなブラシなどがあれば良いのですが、彼女の家では手持ちがなかったので、トイレットペーパーをこよりのように捻って押し込みながら掃除しました。
最近はウォシュレットが一般的になっている事もあり、この隙間の箇所も増えている傾向があります。特に後付けのウォシュレットほど隙間が多いので意識してみてください。
もちろん定期的にウォシュレットのノズルの掃除も行いましょう。自動洗浄機能が付いていても水で流している程度なので、時々は拭き掃除をした方が良いと思います。
またトイレと床の隙間などにもトイレットペーパーを押し込むと、結構な汚れが付いてきました。このような汚れも長年放置される事で悪臭の原因となる可能性があります。
トイレは湿気が多いだけに僅かに貯まったホコリでも、水分を吸ってカビる事があるので気をつけてください。
「ホコリで人は死なない」などと言いますが、カビたホコリの胞子のせいで気管支炎になるようなケースもあるので軽視するべきではありません。
6 タンク
トイレのタンクの中が汚れていると悪臭の原因になるのは、多くの人もイメージできると思います。
トイレの水の元栓を締めてから慎重にタンクの蓋を外し、中性洗剤で中の汚れを落とします。トイレのタンク内にはゴム製の部品が使われているので、「混ぜるな危険」のトイレ用洗剤は使用しないでください。
中性のトイレ用洗剤であれば問題ありませんが、食器用洗剤でもOKです。
タンクの蓋のふちや裏側も汚れているので、見落とさないように気をつけてください。
そしてここからもポイントなのですが、タンクの内側だけでなく、外側の掃除も徹底的に行う必要があります。
私のアパートのトイレ内の悪臭がなかなか消えなかったのも、まさにタンクの下側の汚れを見落としていたのが原因でした。
陶器のトイレやタンクの表面はツルツルしているので簡単に汚れが落ちますが、加工されていない裏側や下側はザラザラとしていて汚れが付着しやすい傾向があります。
私は定期的にタンクの裏側を拭いているので匂いはしなくなったのですが、それでも落としきれない汚れが今でも残っています。
基本的にアパートに入居する時には、専門のクリーニング業者が入っているので、パッと見は綺麗になっているものですが、タンクと壁の隙間にも結構な汚れが溜まっており、下側は一度も掃除をしていないせいか、真っ黒なカビが全面に生えていました。
これも多くの人がトイレ掃除で見落としがちなポイントだと思うので、意識してみてください。パイプなどの表面にも汚れがある場合は拭き取りましょう。
素人では解決できない原因
トイレの匂いの原因は排水パイプの詰まりが原因という事もあるので、素人ではどうにもできないケースもあります。
トイレの水だまりに洗剤を入れて少し放置してから少しずつ水を流す事で、パイプ内の汚れも少しずつ落ちるようなケースもありますが、状況によっては交換するしかないケースもあります。
このような事を見極める為にも、まずは今回紹介した徹底的なトイレ掃除を行ってみてください。無駄な修理費用や交換費用を節約する事につながります。
ちなみにトイレの匂いの原因とは違いますが、水垢といった汚れを落とすにはクエン酸が有効です。それについても別のところで紹介しているので参考にしてみてください。
水垢は頑固で何層にも重なっているので、一度だけでは落ちないかも知れませんが、何度か繰り返していくうちにスルッと落ちてくれますよ。
トイレを汚さないコツ
トイレの匂いの原因は様々ですが、徹底的に掃除をしていても普段の使い方によっても汚れの残り方が変わってくるので、おまけでトイレを汚さない「ちょっとしたコツ」を紹介します。
男性でもトイレで用を足す時に座って行う方法は有名だと思いますが、男性は生理現象で大きくなっている朝一だと、座って用を足すのが難しい事があります。
このような時は空気椅子でもするかのように、膝を曲げて近づけるようにしてみてください。これだけで尿はねが随分と抑えられます。
そしてもう一つの汚さないコツは、朝一や帰宅時などで長時間トイレを使用していなかったタイミングで、要を足す前に一度軽く水を流す事です。
これは流しそうめんでイメージすると分かりやすいのですが、便器が乾いていると汚れが付着しやすいので、ちょっとでいいので使用前に水を流す事で汚れの付着を防止する事につながります。
男性であればホテルなどのトイレで目の前に立つと、水が勝手に流れた経験があると思います。あれこそが汚れを防止するためのシステムです。
あとは大をした時には、きちんとトイレの「大」で流す事も大事です。節約という意味では「小」で済ましたくなる人がいるかも知れませんが、水だまりは綺麗に流れていても、途中の排水管の中に残ってしまうケースがあります。
これは悪臭の原因となるだけでなく、パイプの詰まりの原因ともなってしまうので気をつけてください。
またトイレの節水テクニックとしてタンクの中にペットボトルを入れるようなものがありますが、大の時に流れる水が少なると排水管が詰まる原因になるかも知れないので、安易には試さない方が良いと思います。
新しく設計されたトイレほど節水タイプになっているものですが、あれは便器の構造や排水管なども含めてスムーズに流れるような設計になっているので、古いタイプのトイレで素人判断で水を減らしてしまうと、思わぬリスクを抱える事になってしまいます。
もちろん人によって便の大きさやトイレットペーパーの使用量も違うので、少なくしても問題ないケースもありますが、あまり極端な事はしない方が良いと思います。
トイレの水道代を節約するテクニックについては、別のところで紹介しているので参考にしてみてください。
あとトイレのタンク内の汚れを掃除するのは結構大変な作業なので、普段の掃除は重曹で済ませる方法もあります。就寝前などにコップ一杯分ぐらいの重曹をタンク内に入れておくと、汚れが分解されて綺麗になってくれます。
蛇口があるタイプであればタンクの蓋を外さなくてもOKです。
ただこの方法は水が触れる箇所にしか効果がないので、タンクの蓋の裏側やふちの汚れが落ちるわけではありません。あくまでも補助的に使えるテクニックなので、匂いが気になる場合は徹底的にタンク内を掃除してあげましょう。
まとめ トイレの消臭剤に頼る前に出来る事
トイレのイヤな匂いを抑える為に消臭剤に頼る人も多いと思うのですが、それは根本的な解決にはなりません。
私自身もトイレのタンクの下側の汚れに気がつくまでは、自家製の消臭剤を利用していたのですが、現在は使用しなくても匂わなくなりました。
安易に香りの良い芳香剤に頼ってしまうと、複雑な匂いになって益々気持ち悪くなる事があるものです。
人間の排泄物の匂いというのは身体の状態を反映しているので、前日に食べた物や体調の違いによっても匂いが変わるものです。日頃からトイレ内を無臭に近い状態をキープしておいた方が、健康状態を知るバロメーターになってくれます。
この辺の事は「車の中の匂いを抑える方法」でも紹介したのですが、
安易に芳香剤に頼ってしまうと故障(トイレの匂いなら身体の不調)を見逃してしまうような事になるので、気をつけてほしいと思います。
ちなみに私の甥っ子は小さな頃から喘息持ちで大変だったのですが、なんとエアコンを買い替えただけで良くなった事があります。
身体が小さな子供や身体が弱っているお年寄りほど免疫力が弱く、カビなどの影響を受けやすいので、トイレのような箇所でも掃除は怠るべきではありません。
人間が不快に感じるイヤな匂いというのは、本能がその匂いがするものを危険だと判断した結果なので、そのままの状態で放置してしまうと身体に弊害が出てしまう可能性があります。
最近は良い香りが漂う色付きのトイレットペーパーなども売られており、芳香剤替わりとして利用している人もいるかも知れませんが、これにも同様のデメリットがあるので安易には選ばない方が良いかと思います。もしかしたら余計な香り成分や着色料がお尻に付着して悪さをするかも知れません。
もちろんメーカーもこの辺の事は考えているとは思いますが、身体の調子が悪くて免疫力が落ちているような場合だと、リスクになってしまう可能性があります。
徹底的にトイレ内を掃除をしてもイヤな匂いが残っている場合は、それらに頼るのも仕方がないとは思いますが、なるべくなら余計な香りがない無香タイプの消臭剤や脱臭剤を選ぶようにしてみてください。
それなりにトイレ掃除をしっかりと行っていると思っていても、意外と見落としがちなポイントがあるので、今回紹介したポイントと向き合ってみてください。
単純に芳香剤のようなものを節約できるだけでなく、長い目でみると健康にも関係してくるので、一度しっかりと向き合ってほしいと思います。
またお金に余裕がある家庭であれば、トイレのリフォームといった事も検討する価値があると思います。
最近のトイレは節水できるだけでなく、タンクがなかったり、掃除のしやすさといった要素も格段に良くなっているので、掃除が面倒な人や大変になってきたお年寄りほど、その価値があるのではないでしょうか。
もちろんアパートのようなところだと難しいですが、それぞれの経済状況や環境に合わせてしっかりと向き合ってほしいと思います。トイレの匂いは健康面にも関係してくるので、適当に芳香剤でごまかすだけは避けましょう。
おまけ 意外な汚れの原因
最後に知り合いの水道屋さんから聞いた話を紹介します。
それはトイレの置き型の洗剤のせいで詰まる事があるという話です。
「あんなものは絶対に使うな!」
と釘を刺された事があります。
私はてっきりタンクの中に入れる固形タイプのせいで詰まるのかと思ったのですが、タンクの上の蛇口の下に置くタイプでもダメなんだそうです。
その理由は「タンクの中を開ければ一発で分かる」とのことで、その時はピンとこなかったのですが、それこそ私が今のアパートに引っ越してきてトイレの匂いに悩まされてタンク内を掃除した時に、前の住人が使っていただろうその手の洗剤の残りがべったりと張り付いていて驚きました。
青いドロドロとした水垢のような感じでタンク内のあちこちに付着しており、それが何層にも重なっていて掃除するのが大変でした。それらが稼働部分に付着して悪さをしてしまうのはイメージできました。
良かれと思ってこの手の洗剤を取り入れている人が多いのかも知れませんが、一般的な水垢よりもタチが悪い汚れになるかも知れないので、安易には取り入れない方が良いと思います。
重曹のようにたまに使用するのであれば大きな問題にはならないと思いますが、ろくに掃除もせずにそのようなものばかりに頼っていると、思わぬデメリットがあるかも知れません。
もしトイレのタンクを掃除した時にベッタリと付いている場合は、メーカーを変えるなり、使用頻度を控えた方が良いかと思います。
追記 衝撃画像!
ネットでこのようなケースが本当にあるのかと調べてみると、爆発したという衝撃なケースが見つかりました。結構な衝撃画像なので閲覧注意です。心臓が弱い人は見ないでください。
この汚れを落とすのも相当大変だったそうで、長年使用していると頑固な汚れになってしまうのもイメージできると思います。
置き型の液体タイプであればこのような事にならないと思いますが、このような物に頼らずとも綺麗な状態に掃除する事が一番だと思うので、日頃からトイレ掃除で見落としがちなポイントと向き合いながら、根本的な対策をしてほしいと思います。