頭皮を柔らかくする方法
一般的に硬くなった頭皮を柔らかくする方法というと、「頭皮マッサージ」が代表的なものになると思いますが、そもそも何故に頭皮が硬くなってしまったのかと考えると、必ずしも頭皮をマッサージする事だけが良いとは限らなくなります。
これは肩こりのマッサージで考えると分かりやすいのですが、肩をマッサージして筋肉がほぐれると肩こりの痛みは和らぎますが、肩の筋肉がこる原因は何も変わっていません。
頭皮マッサージも同じです。頭皮への血流が悪くなった原因は何も変わらないので、一時的に柔らかくなる効果しかありません。
そもそも頭皮や肩をマッサージをしなくても全く問題がない人がいるように、マッサージをしなければならない状態の方が不自然なので、そちらの改善を目指した方が、結果的に頭皮も柔らかい正常な状態に近づくのではないでしょうか。
いわゆる頭皮マッサージが悪いという事ではなく、根本的な原因にアプローチすることこそが、柔らかい頭皮を取り戻す方法だという事です。
硬い頭皮が必ずしも正常ではないとも限らないのですが、若い頃から比べて頭皮が硬くなってきたと感じている人は、根本的な問題と向き合ってみてください。
血流は全身
足の冷え性に悩んでいる人が足湯をすると、冷えによる辛さや痛みが和らぎますが、それだけで足の冷え性が治る人はいません。
心臓から最も遠い足の指先まで勢い良く血液を届けられない状態が何も変わっていないので当然です。
この場合であれば下半身を中心とした適度な運動や筋トレをした方が、根本的な冷え性の問題にアプローチすることになります。
血流が滞って硬くなってしまっている頭皮でも同様です。マッサージをして血液の流れを促す事が悪いわけではないですが、そのような事をしなくても滞らない状態を目指した方が、より本質にアプローチすることになります。
頭皮へ血流を促したいだけであれば、逆立ちをしても効果があると思いますが、ずっと逆立ちをしているわけにはいきませんし、わざわざそんな事をしなくても柔らかい頭皮の人はたくさんいます。
頭皮を柔らかくする事にこだわるのではなく、頭皮が硬くなってしまう生活習慣を改める方が、より自然な状態になるのはイメージできるのではないでしょうか。
この頭皮にだけこだわらない事こそが、頭皮を柔らかくする方法の本質です。
頭皮にこだわらない
頭皮を柔らかくしたい人は、頭皮にこだわらずに全身の健康に目を向ける必要があります。顔や首や肩の筋肉が凝っていると、心臓から頭皮までの血流に悪影響があるかも知れません。
全身をマッサージしたりストレッチをするような事も良いのですが、それらですらやらなくても良い身体の状態を取り戻す事がポイントです。
肩や首がこる人であれば、その原因を改める事が大切です。デスクワークが原因なのであれば、パソコンモニターの高さや向きを調節したり、椅子の座り方を改めることで、肩や首の負担が減っていきます。
他にもノートパソコンの人なら専用のラックを用意してキーボードを別にするのが有効かも知れませんし、デザイナーのようにマウス操作が多い人なら、疲れないマウスといった物が相性が良いかも知れません。
眼鏡をかけている人ならパソコン用に視力を調節したパソコン眼鏡を作るのが良いかも知れませんし、眼精疲労を和らげるマッサージが効果的かも知れません。
普段の姿勢や歩き方も同じです。トボトボと肩を落として猫背で歩いていると、下半身の筋肉しか使わなくなり、肩や首にまで負担が出てしまいますが、自然と胸を張った良い姿勢で歩いていると、自然と腕が振られて肩や背中の筋肉にも刺激があるので、自然と血流が良くなっていきます。
日頃から正しい姿勢で歩くといっても、サンダルのような靴では上手く全身を使って歩けません。靴紐を緩めてスリッパのような靴の履き方をしていても同様です。
靴紐をきちんと結んで歩くようにするだけでも、人によっては全身に好影響が出ることは珍しくないのですし、それが巡り巡って頭皮を正常な状態に近づけていく可能性があります。
靴紐を結ばないでスポーツをする人がいないように、正しく身体を動かす為には洋服や靴といった身につける物の影響は無視できないものです。
適当に大きめのサイズの洋服を選んでしまうと、余計な生地がまとわりついて動きにくくなりますし、重量も増してしまいます。このような些細な事が積み重なって、全身の血流を悪くしてしまっている事は珍しくありません。
この全身の血流が滞った結果の症状として、たまたま心臓から遠い頭皮に出てしまう人もいれば、足の冷え性として出てしまう人もいれば、皮膚の薄い目の下のクマとして出てしまう人もいます。
目の下のクマをマッサージすると、見た目の症状は和らいでくれるかも知れませんが、それだけで全身の血行の滞りが改善しないのはイメ―ジできるのではないでしょうか。
同じ職場の同年代の人でも疲れ具合に差があるように、日頃の身体の使い方や身につける物によって血流が悪くなっている人は意外なほど多いものです。
もちろん食生活や睡眠環境といった要素も当てはまります。脂っこいものばかりを食べていると、いくら運動をしても血液がドロドロのままですし、ぐっすりと睡眠を取ることが出来ないと翌日に疲労を残してしまいます。
睡眠不足の原因もストレスだったり、寝具との相性だったり、寝室の掃除だったり、騒音だったりと様々なので、それぞれ相性を見極めて向き合う事が大切です。
これらのように全身の健康にとって悪影響が出ている原因を改めることなく、必死に頭皮をマッサージを行っても一時的に頭皮が柔らかくなるだけで、根本的な解決には向かいません。
あくまでも頭皮が硬くなってしまう原因を排除する事が本質なので、そこが何なのか向き合ってみてください。
とはいえ、これだけだと頭皮が硬くて悩んでいる人にとっては、期待している情報ではないと思うので、私なりにおすすめの頭皮マッサージのやり方を紹介します。
おすすめの頭皮マッサージ?
私がおすすめする頭皮を柔らかくするためのマッサージというのは、直接頭皮に触れない方法です。
頭皮マッサージも正しく行えばリスクは少ないのだと思いますが、特に薄毛に悩んでいる人が素人考えで頭皮をマッサージしてしまうと、むしろ頭皮や毛穴を傷つけてしまうリスクがあります。
手のひらで考えてみても分かりやすいのですが、特定の動作ばかりを繰り返す職人の手の皮膚が硬くなっていきますし、自転車競技の人は太ももとズボンの生地が擦れるので毛が抜けていってしまいます。
これらのように物理的な刺激にはリスクがあるので、頭皮が硬いからと直接刺激を与える事にはリスクがあります。
もちろん程度問題ではあるのですが、薄毛に悩んでいる人に限っていえば、あまり過度な刺激は与えない方が良いのではないでしょうか。
最近のお気に入りは別のところでも紹介した「力強いうがい」です。
これをすると口周りの筋肉が凄く疲れるので顔がポカポカとしてきます。継続していると表情筋も鍛えられて引き締まっていくのですが、顔の皮膚と頭皮はつながっているので、頭皮にも好影響があるかも知れません。
他にも「あいうべ体操」もおすすめです。
口を大きく開いて舌を出すと、普段あまり使われていない顔の筋肉を刺激する事になり、リンパの流れも促進されてむくみが取れていきます。
リンパマッサージとして頭皮を刺激するものもあるのですが、それも素人が適当に行うと毛穴にダメージが出てしまうかも知れないので、直接刺激しないで周辺の筋肉を動かして身体の内側から刺激した方が良いのではないでしょうか。
もう一つおすすめなのが耳を引っ張るマッサージです。
私は様々な方向に耳を引っ張ると、直ぐにあくびが出てきてしまいます。おそらくこわばっていた顔の筋肉がほぐれて副交感神経系が刺激されるのだと思います。
耳ツボの効果は科学的には分かっていない事ばかりなのですが、最近では米軍の医療チームですら取り入れらているので、仕組みは分からずとも一定の効果が認められています。
どれも直接頭皮に刺激があるわけではないので、頭皮マッサージというには問題があるかもしれませんが、そもそも顔の皮膚と頭皮の皮膚はつながっているわけで、全く関係がないと考える方が不自然です。
意識的に頭皮の筋肉を動かすような事は難しいですが、頭皮に近い顔の筋肉であれば可能です。そういう意味ではおでこの筋肉を上下させるような事も効果的かも知れません。
それらが正常に機能するようになれば、結果的に頭皮の状態も正常に近づいて柔らかくなっていく可能性があるのではないでしょうか。
もちろん肩や首のストレッチもおすすめです。心臓から頭皮の間の血流やリンパや体液の流れが正常になれば、頭皮にだって好影響があるはずです。
どれも頭皮に物理的なダメージを与えるリスクが少なく、自らの意思で筋肉を刺激する事になるので、下手な頭皮マッサージよりもリスクがなくて効果的なのではないでしょうか。
どうしても頭皮を直接マッサージしたい場合は、せめて髪が薄い箇所は避けるように意識してみてください。多くの人は頭頂部を中心に薄くなっていると思うので、耳の上の頭皮や後ろの頭皮に触れてマッサージをするぐらいであれば、薄い箇所の頭皮や毛穴にダメージを与えずに済むかと思います。
まとめ 頭皮を硬くしない工夫
一時的にしか頭皮が柔らかくならないマッサージを行うよりも、頭皮が硬くなってしまう原因と向き合う方が結果的に頭皮を柔らかくすることに近づくのではないでしょうか。
毎日のようにプロが行ってくれるヘッドスパに通えるのであれば、頭皮を柔らかい状態を保つこと出来るのかも知れませんが、そのような人は多くないと思います。
自己流で頭皮マッサージを行ったり、それらのグッズに頼るのが必ずしもNGだとは言いませんが、素人判断で適当に行ってしまうと、頭皮を傷つけてしまうリスクがあるので気をつけてください。
目の下のクマのマッサージも素人判断で行ってしまうと、薄い皮膚が傷ついて色素沈着を起こしたり、皮膚が厚みを増して腫れぼったくなってしまう事があります。
私自身も薄毛に悩んでいた時に、当時付き合っていた女性に頭を触られて「頭皮が硬いからマッサージをした方が良いよ」と言われ、必死になってマッサージをしていた時期があるのですが、それだけでは一向に頭皮の状態は改善されませんでした。
頭皮が柔らかくなるどころか、手に付いている抜け毛を見る度にストレスを感じていたものです。
おかげさまで現在は薄毛の状態も随分と改善されているのですが、これも全身の健康と向き合った結果だったのだと感じています。
私は節約家という事もあり、お金を掛けずに行える様々な健康法を取り入れているのですが、身体が健康になっていくにしたがって頭皮の状態も柔らかくなってきたので、頭皮が硬くなってきて悩んでいる人は、改めて健康の為に出来る事がないか考えてみてください。
人によっては睡眠環境を見直す事が有効かも知れませんし、生活習慣や食生活を見なおす事が有効かも知れません。頭皮の硬さや目の下のクマというのは、身体の不調を表す一つのバロメーターぐらいに考え、そこだけに対処するではなく、全身の健康と向き合って根本的な改善を目指していきましょう。
あくまでも全身の健康と向かう事が本質なので、頭皮にだけこだわるのはNGですよ。
追記 ヘッドスパと眠りの関係
少し前にテレビで興味深い内容が放送されていたので追記します。
それはヘッドスパを専門とするお店の特集だったのですが、そこのヘッドスパを行ってもらうと眠ってしまう人が多く、実際に数々の芸能人が撮影中にも関わらず眠りに落ちてしまいました。
中には寝つきが悪くて寝不足気味の人もおり、「こんなところで寝られるわけがない!」と豪語していたのですが、担当したマッサージ師が「相当頭皮がむくんでいますね、眠れないはずですよ」と笑い、「でも大丈夫です。むくみが取れれば眠りますよ」と自信満々に答え、実際にヘッドスパを初めて10分も掛からずに眠りに落ちてしまいました。
テレビなのでやらせの面がないとは言い切れないのですが、そこのマッサージ店について調べてみると、そこで施術しているヘッドスパというのは、いわゆる一般的な頭皮マッサージとは違い、筋膜リリースといわれる筋肉の膜を動かす方法のようでした。
筋膜リリースは筋膜ストレッチとも呼ばれるもので、分かりやすいものだと鶏肉の表面にある薄皮の事です。この筋肉を覆っている膜を動かしてあげる事で、筋肉がスムーズに動けるようになり、正常な状態へ導くメソッドです。
一般的な運動やストレッチを行っても筋膜は動いているのですが、それはあくまでも筋肉の収縮に合わせた動きなので限界まで動かした事になりません。
筋膜リリースについては詳しく知りたい人は専門の本を読んでほしいのですが、この本のメカニズムについて分かりやすく解説されている動画があったので紹介しておきます。
最近は東洋医学のツボの効果も筋膜と関係しているという説もあり、ツボの通り道である経絡が筋膜と一致しているとも言われているのですが、筋肉が覆われている筋膜がほぐれて筋肉が動きやすくなることで、血行やリンパや体液の流れも良くなると考えられています。
そこのヘッドスパを行うプロが、頭皮がむくんでいると眠りにくいと判断したように、頭皮の状態と睡眠には深い関係があるのかも知れません。
ちなみに頭皮の筋膜リリースについて調べてみると、頭皮を前後や左右や上下にズラす方法が見つかりました。
髪が薄い頭頂部に直接手を触れるのではなく、あくまでも頭皮を端からズラすような動作です。両耳の上に手を添え、片側は下に引っ張り、反対側は持ち上げる事で頭皮の下の筋膜を大きくズラすような感じです。
両方とも押し上げたり引っ張るのではなく、同じ方向に軽く力を入れる事で大きく動かします。これを前後や左右で行います。
これであれば髪が薄い頭皮や毛穴に直接触れずに済み、痛みが出るほど強い刺激でもないので、物理的なダメージのリスクも避けられるのではないでしょうか。
ちなみに耳を引っ張るような事も頭皮の筋膜を動かす事になるのだそうです。私は耳を引っ張る度にあくびが何度も出るのですが、もしかしたら眠りに落ちるヘッドスパの筋膜リリースと同じような効果あるのかも知れません。
この筋膜リリースが頭皮が柔らかくなる方法として誰にでも当てはまるとは言いませんが、睡眠不足も当てはまる人であれば、試してみるのも良いのではないでしょうか。
もちろん睡眠不足は精神的なストレスや睡眠環境なども関係してくるので、筋膜リリースによるヘッドスパだけで解決するとは思えませんが、一つの目安にはなるかと思います。
人によっては寝室を掃除する事や、遮光カーテンにする事や、良質なパジャマを着る事が睡眠環境を整えるのに有効かも知れませんし、水を飲み過ぎるような事でもむくみの原因になっているかも知れません。
やはり全身の健康と向き合って十分な睡眠を取る事こそが、健康(疲労回復)にとって何よりも大切な事なので、当たり前の事としっかりと向き合って改善を目指してほしいと思います。
目の下のクマもぐっすり眠る事が一番の対処法のように、硬くなってしまった頭皮にも同じ事が当てはまるのではないでしょうか。
一時的な効果しか期待できないマッサージや栄養ドリンクのような物に頼りきっていると、いつまで経っても根本的な解決に向かわないので気をつけてほしいと思います。